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アゾルガを第一選択で使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:緑内障/白内障.この記事は約3分10秒で読めます.
5,085 ビュー. カテゴリ:第一選択で使えない緑内障治療薬
アゾルガやコソプトなどの配合剤は、第一選択薬として使ってはいけない。
「他の緑内障治療薬が効果不十分な場合」と効能効果に記載されている。
配合剤以外にも、デタントール、グラナテック、トルソプト、エイゾプト、アイファガンは第一選択として使えない。
プロスタグランジン製剤やβ遮断薬を使うのが一般的。
新規で緑内障治療薬が処方されるケースは少ないですが、たまにある。
その際、いきなりザラカム等の配合剤が処方されていたりすることもあるが、配合剤の原則としては、添付文書に以下の記載がある。
「原則として、単剤での治療を優先すること。」
「原則として」という文言があれば、ケースバイケースでいきなりの処方もあり得ると考えられる。
疑義照会すべきかどうかは各薬剤師の判断にお任せするとして、配合剤に限らず、第一選択薬として使うべきではない?緑内障治療薬をリストアップしてみる。
分類 | 商品名 | 第一選択 | 添付文書の記載 |
---|---|---|---|
プロスタグランジン関連薬 | レスキュラ | 〇 | |
キサラタン | 〇 | ||
トラバタンズ | 〇 | ||
タプロス | 〇 | ||
ルミガン | 〇 | ||
選択的EP2受容体作動薬 | エイベリス | 〇 | |
交感神経刺激薬 | ピバレフリン | 〇 | |
α2刺激薬 | アイファガン | × | 【効能効果】次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症 |
β遮断薬 | チモプトール/リズモン | 〇 | |
チモプトールXE/リズモンTG | 〇 | ||
ミケラン/ミケランLA | 〇 | ||
ミロル | 〇 | ||
ベトプティック/ベトプティックエス | 〇 | ||
ハイパジール/ニプラノール | 〇 | ||
ROCK阻害薬 | グラナテック | × | 【効能効果】次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症 |
α1遮断薬 | デタントール | × | 【効能効果】次の疾患において、他の緑内障治療薬で効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症 |
炭酸脱水酵素阻害薬 | トルソプト | × | 【効能効果】次の疾患で、他の緑内障治療薬で効果不十分な場合の併用療法: 緑内障、高眼圧症 |
エイゾプト | × | 【効能効果】次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合: 緑内障、高眼圧症 | |
PG関連薬+β遮断薬 | ザラカム | × | 原則として、単剤での治療を優先すること。 |
ミケルナ | × | 原則として、単剤での治療を優先すること。 | |
デュオトラバ | × | 原則として、単剤での治療を優先すること。 | |
タプコム | × | 原則として、単剤での治療を優先すること。 | |
β遮断薬+炭酸脱水酵素阻害薬 | コソプト | × | 単剤での治療を優先すること。 |
アゾルガ | × | 単剤での治療を優先すること。 | |
α2刺激薬+β遮断薬 | アイベータ | × | 単剤での治療を優先すること。 |
α2刺激薬+炭酸脱水酵素阻害薬 | アイラミド | × | 単剤での治療を優先すること。 |
α2刺激薬+ROCK阻害薬 | グラアルファ | × | 単剤での治療を優先すること。 |
緑内障治療では、第一選択薬として、プロスタグランジン関連薬かβ遮断薬をまず使うのが原則になる。
上でも述べたが、ザラカムなどの配合剤は「原則として」第一選択にすべきではなく、各成分の薬剤の単剤から処方するのが「原則である」と言っている。
ただ、配合剤の中でも「原則として」という文言がなく「単剤での治療を優先すること。」とだけ記載されているものは、他の配合剤よりも強めに第一選択としての使用を禁止していると受け取れる。
α₁遮断薬のデトルシトールは「他の緑内障治療薬で効果不十分な場合」、炭酸脱水酵素阻害薬のトルソプトは「他の緑内障治療薬で効果不十分な場合の併用療法」となっているので、他の治療薬を使ってみて効果を確認していなければ使えない。
α₂刺激薬のアイファガン、ROCK阻害薬のグラナテック、炭酸脱水酵素阻害薬のエイゾプトは、「他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合」となっているので、何らかの事情があってプロスタグランジン系薬やβ遮断薬などの他の緑内障治療薬が使えない場合には、第一選択として使えることになる。
喘息があるとか、目の周りが黒くなるのが嫌だ、とか…かな。
緑内障点眼薬の併用
眼球の形や硬さは眼球内の水(房水)の量で決まります。
房水は眼球の中で作られる一方、常に眼球の外に流出しています。
この働きのバランスが崩れると、眼球内の房水の量が増え、眼圧が上がります。
眼圧を下げるためには房水の量をコントロールすることが必要です。
緑内障に使用される点眼薬には以下の2つのタイプがあります。
①房水が作られるのを抑える薬(β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬)
②房水の流出をよくする薬(プロスタグランジン製剤、副交感神経刺激薬、α1遮断薬)
1種類の点眼薬で治療を開始し効果がない場合は、他の点眼薬に変えて眼圧の下がり具合をみます。
患者さんによっては薬理作用の違う2種類の点眼薬を組み合わせて使うことによって眼圧が下がり、安定した値を維持することもあります。
第一選択薬としては眼圧下降効果の高いプロスタグランジン製剤やβ遮断薬が一般的です。
プロスタグランジン製剤は最も眼圧下降効果の高い点眼薬です。全身的な副作用もほとんどありません。
β遮断薬の眼圧下降効果はプロスタグランジン製剤と比較すると若干弱く、全身性の副作用(喘息の誘発、心血管や心臓への影響)が懸念されるので緑内障患者の多くを占める高齢者への利用に注意が必要です。
プロスタグランジン製剤で治療を開始し、効果が不十分ならβ遮断薬に切り替え、さらに両剤を併用します。
さらに第3の選択薬として炭酸脱水酵素阻害薬かα1遮断薬に変更、または追加することが多いようです。
炭酸脱水酵素阻害薬は房水産生作用薬として、α1遮断薬は房水流出作用薬として適切な眼圧下降効果が得られる症例があります。
副交感神経刺激薬のピロカルピンや交感神経刺激薬のジピベフリン(アドレナリンのプロドラッグ)も単剤あるいは併用で眼圧が下がる症例があります。
しかし、ピロカルピンは長期間使用すると白内障の手術をしにくくなることがあり、副作用として近視化、暗黒感があります。
しかし、ピロカルピンは他剤と比べてユニークな薬理作用があり、急性症例(閉塞隅角緑内障)には非常に有効とされています。
ジピベフリンも長期に使うと濾胞性結膜炎になり、交感神経遮断薬との併用注意や薬剤耐性、薬剤アレルギーがあり、最近はあまり使用されません。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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