更新日:2015年10月22日.全記事数:3,079件

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COX-2阻害薬は胃にやさしい?


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COX2阻害薬

NSAIDsの作用機序はシクロオキシゲナーゼ阻害によるプロスタグランジン産生抑制です。

シクロオキシゲナーゼにはCOX-1とCOX-2がありますが、COX-1は胃の粘膜を守る働きがあり、COX-2には炎症を促す働きがあります。

痛み止めとしての働きを期待するだけなら、COX-2だけに働いたほうが胃腸障害が少ないので良い、ということで開発されたのがCOX-2選択的阻害薬です。

COX-2に選択性の高い薬には、オステラック、ハイペン、モービック、セレコックス等があります。意外とボルタレンも選択性が高いらしいです。

COX-2発見後に開発された薬はコキシブ系と呼ばれますが、発見以前に開発され、後にCOX-2選択性が判明したエトドラクやメロキシカムなどはコキシブ系に含まれません。

COX-2選択的阻害薬は、一般的に胃腸障害は少ないと言われていますが、様々な研究で従来のNSAIDsと差が無いことが明らかにされています。

添付文書の臨床成績でもセレコキシブと従来のNSAIDsとで消化管系副作用の発現頻度に差が無かったことが記されています。

セレコックスと胃薬

COXには、主にCOX-1とCOX-2が存在し(COX-3は主に中枢神経系に存在するCOX-1のスプライシングバリアントであるが、不明な点が多い)、COX-1は全身の組織に存在し、常時PGsを合成しており、胃粘膜細胞の防御、止血等を行っています。

一方COX-2は、脳や腎臓以外の組織では通常は発現されておらず、炎症が発生するとその部分で発現される誘導型の酵素です。

また、COX-2はがん細胞においても高度に発現されている例が多くあることから、わが国で唯一発売されているCOX-2選択的阻害薬であるセレコキシブは、米国では抗がん剤としても使用されています。

インドメタシン等の非選択的なNSAIDsはCOX-1も阻害するために抗炎症以外の作用も示します。

特に消化管出血を引き起こすことから、胃腸薬が併用されます。

一方、COX-2選択的阻害薬は胃腸薬を常に併用する必要が無く、臨床での作用も強いため、先に発売されていた欧米で高い売り上げを誇っていました。

特に毎日服用する必要があるリウマチの患者さんによく処方されたようです。

スプライシングバリアント

RNA前駆体中のイントロンを除去し、前後のエキソンを再結合する反応をスプライシングといい、イントロン除去の差異で生じるmRNA異形をスプライシングバリアントという。

セレコックスの特徴

選択的COX2阻害のため消化管障害は少ない。

COX

coxには、cox-1~COX-3の三種類がありますが、cox-1は定常的に産生されていて、胃粘膜保謹の役割はこの酵素が担っています。
またCOX-2は炎症部分で産生されていることから、実はこの活性化を阻害することが抗炎症作用の本質なのだと考えられています。
cox-1には作用せずCOX-2の活性化のみを阻害するような薬は、胃腸障害などの副作用がない「夢の解熱鎮痛薬」になることが期待されています。

シクロオキシゲナーゼ(COX)には三種類のアイソザイムが存在します。
そして、NSAIDsはcoxを阻害し、プロスタグランジン(PG)やトロンポキサンA2(TXA2)の産生を抑制することで、解熱や鎮痛、抗炎症などの作用を発揮します。

cox-1が全身の細胞に広く分布して恒常的に発現していることから「構成型シクロオキシゲナーゼ」と呼ばれるのに対して、COX-2は「誘導型シクロオキシゲナーゼ」と呼ばれ、一部の臓器を除いて通常は発現が低く、炎症時に産生されてPGE2やPGI2などの産生を冗進させることで、痛みの増強だけでなく血管拡張や血管透過性の充進といった炎症反応を進行させる作用をもつものです。
このことから、この酵素の活性を阻害することが解熱鎮痛や抗炎症作用の本質をなすと考えられています。

cox-1はPGE1を産生し、胃粘膜の血流を増加させることで粘膜保護に働きます。
汎用されるNSAIDsが胃炎や胃潰傷などの副作用をもつのはcox-1を阻害するためであり、COX-2のみに選択的な阻害薬は胃障害のない解熱鎮痛消炎薬になるものと期待されていました。
そして、ロコキシブやセレコキシブといった「コキシブ系薬剤」が開発され、従来のNSAIDsに比べて胃腸障害を減少させることが確認されたことから、米国での発売(1999年)を機に、現在までに世界100ヵ国以上で承認されるようになりました。

しかし、「コキシブ系薬剤」の中のロフェコキシブ(日本未承認薬)やセレコキシブといった薬剤は、心筋梗塞などの血栓・心血管系合併症の発生リスクが上昇することが報告され、大きな問題となりました。
これは、COX-2には血管拡張作用やPGI2阻害作用があり、PGI2には血小板凝集阻害作用があることから、これを阻害して血栓ができやすくなったのだと考えられています。
一方のcox-1には、トロンポキサンAs(TXA2)を産生して血管収縮・血小板凝集を生じやすくさせます。
つまり、COX-2の作用のみを阻害しcox-1には作用しなかったことで、このような心血管イベントを増大させたと考えられるのです。

このようなことをふまえながらも、消化器障害の副作用を考えると長期間のNSAIDs服用が必要なケースにはCOX-2選択的阻害薬は使いやすい薬です。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

COX-2選択的阻害薬は、心血管リスクを上昇させる

この副作用発現のメカニズムについては、COX-2を選択的に阻害することによって、血管を保護するPGI2等の保護系のPGを低下させたことや、マクロファージの活性化、血圧の上昇等の可能性が考えられています。

COX1と血小板

アスピリンの抗血小板作用は、血小板のシクロオキシゲナーゼ1(COX-1)を阻害することによって、血小板凝集物質であり血管収縮物質であるトロンボキサンA2(TXA2)の産生を阻害することによって発揮される。

一方、血管内皮細胞のCOX-1も阻害し、強い血小板凝集抑制作用や血管拡張作用を持つプロスタサイクリン(PGI2)の産生を阻害する。
このことから、アスピリンが血管内皮細胞のCOX-1を阻害することは血栓を促進することになりかねない。

この相反する作用があることから、このことをアスピリン・ジレンマと言う。このアスピリン・ジレンマを解決する方法としては、アスピリンの少量投与(80〜300mg程度)法が用いられている。
これは、血小板のCOX-1は、血管内皮細胞のCOX-1に比べてアスピリンの感受性が高いことから少量でも十分TXA2の産生を抑制でき、かつ血管内皮細胞のPGI2の産生抑制は比較的軽度に抑えることができるためである。

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