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ルミフェンとロキソニンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:痛み/鎮痛薬.この記事は約2分17秒で読めます.
15,249 ビュー. カテゴリ:ルミフェンの特徴は?
第一類医薬品としてルミフェンが2014年7月8日から発売される。
スイッチ直後なので要指導医薬品。
成分はアルミノプロフェン。
ロキソニンのロキソプロフェンと同じ、プロピオン酸系のNSAIDs。
医療用医薬品としては、ミナルフェンが同成分ですが、ロキソニンほど処方されてはいない。
てゆーかほとんど処方をみない。特徴がわからない。
てゆーか調べたらもうすでに販売中止になってるし。いつの間にか販売中止とかに遭遇すると、ついていけてない感にゲンナリします。
特徴として、「胃粘膜を保護するプロスタグランジンを抑制しにくいCOX‐2選択性の高い成分のため、胃への負担が少ない」らしいですが、セレコックス、モービック、ハイペンなどと比べれば選択性は低いだろうし、ロキソニンみたいにプロドラッグってわけでもないし、どの程度胃にやさしいのかはよくわからない。
ルミフェンの鎮痛消炎効果はロキソニンの2倍、という資料がありましたが、どうなんだろう。NSAIDsの鎮痛効果の比較は難しい。
しかし、佐藤製薬的にはそこらへんを強調して、「つらい関節痛や腰痛、肩こり痛によく効く」とパッケージに印字して、頭痛、生理痛のロキソニンとの差別化を図っているようです。
ルミフェンはダブルインヒビター?
ルミフェンはダブルインヒビター(デュアルインヒビター?)だそうな。
一般的な鎮痛剤は、シクロオキシゲナーゼ(COX)の作用を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑えることで痛みを鎮めるのに対し、アルミノプロフェンはCOXとホスホリパーゼA2の作用をダブルで阻害する、OTC医薬品で唯一の“ダブルインヒビター”が特徴。【新製品】関節痛・腰痛等に優れた効き目‐要指導薬「ルミフェン」を新発売 佐藤製薬 薬事日報ウェブサイト
ホスホリパーゼって何だ?
ということでアラキドン酸カスケードから勉強しなおし。
リン脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、その構造中には親水性基と2本の疎水性基を持つ。この疎水性基をリン脂質から切り出す酵素であるホスホリパーゼA2(PhospholipaseA2,PLA2)により細胞膜から遊離した脂肪酸(アラキドン酸)が、その後シクロオキシゲナーゼ(Cyclooxygenase,COX)によりプロスタグランジン類やトロンボキサン類に変換される。一方、リポキシゲナーゼ(Lipoxygenase,LOX)によりロイコトリエン(Leukotriene,LT)類に代謝され、これらの代謝物は種々の生理活性を示す。これらの代謝物を総称してアラキドン酸代謝物及びエイコサノイドと呼ぶ。アラキドン酸カスケード – Wikipedia
ステロイドの抗炎症作用機序がホスホリパーゼA2阻害だったような。仮説?
NSAIDsだけどステロイドに近い抗炎症作用が期待できるってこと?
まあ、そんな良い薬だったら販売中止になってないだろう、っていう。
関節痛や腰痛にOTCの内服の痛み止めで対処する、っていう人は少ないような気がする。
サロンシップなどの外用剤はよく使われるけど。
一朝一夕で治るような痛みでは無いだろうし、どのくらいのタイミングで受診勧奨するのがよいのかな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
1 件のコメント
医療用医薬品だったミナルフェンの薬価削除は、成分の有効性有無や危険性だとか言った薬理上の理由でなく、原料高騰や薬価改定といった事業的な事情からだそうですよ