更新日:2015年10月22日.全記事数:3,190件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

ステロイドで糖尿病?


スポンサーリンク

ステロイドで血糖値が上がる?

ステロイドのことを糖質コルチコイドともいいます。
糖質コルチコイドは、名前の通り糖代謝に影響を与えるホルモンです。

糖質コルチコイドは、肝臓に働いてアミノ酸やグリセロールから糖新生(アミノ酸からブドウ糖を作る過程)を促進し、また、他の器官での糖利用を抑制することで血糖値を上昇させます。
そもそもステロイドはストレスを感じたときに分泌されるホルモンで、血糖値を上昇させることで、ストレス時の脳の機能低下を防ぎます。

ステロイドを中止すれば多くは血糖値は元に戻りますが、中には高いままの人も。

糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの違いは?

副腎皮質ホルモンには、糖質コルチコイド(グルココルチコイド)と鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)があります。
ステロイドというと大体糖質コルチコイドのほうを指します。

糖質コルチコイドは、名前の通り糖代謝に影響を与えるホルモンです。
鉱質コルチコイドは、血漿の塩分(ナトリウム・カリウム)、血圧および血液量の調節を行っているホルモンです。

ステロイドで糖尿病になる?

グルココルチコイドは、標的器官の細胞内に拡散したのち、細胞質または核に存在するグルココルチコイド受容体に結合する。
その後、核内に移行してDNAと結合して転写活性を抑制する。

グルココルチコイド受容体は体内に広く分布するが、糖代謝への影響を考えると、肝臓、筋肉、脂肪細胞、膵臓への作用が重要である。
グルココルチコイドは、肝臓では、糖新生の律速酵素であるホスフォエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPCK)、フルクトース1、6-ジホスファターゼ、グルコース-6-ホスファターゼの転写活性を促進する。

また、グルカゴンやカテコールアミンによる糖新生作用を増強する間接的な作用も存在する。
筋肉では、インスリンの受容体への親和性を低下させ、インスリンによるGLUT-4の細胞膜への移動を抑制し、ブドウ糖の取り込みを減少させる。
ブドウ糖リン酸化やグリコーゲン合成も抑制する。

脂肪細胞においては、筋肉と同様に、インスリンのシグナル伝達、GLUT-4の細胞膜への移動を抑制し、糖の取り込みを減少させる。
また、脂肪分解酵素の活性化により、トリグリセライドの分解を促進する。
その結果、生産された遊離脂肪酸とグリセロールは血中に放出され、それぞれ筋肉でのインスリン抵抗性を助長し、肝での糖新生を促進する。

膵臓においては、β細胞からのインスリン分泌を低下させ、α細胞からのグルカゴン分泌を促進する。
インスリン分泌低下は、インスリンの分泌顆粒からの放出の阻害によるとされる。

ステロイドによる血糖値上昇

副腎皮質ステロイドは、生体内で脳や心臓などのブドウ糖要求性が高い組織を、飢餓時などのブドウ糖枯渇状態から守る役割を担っており、基本的には血糖値を上昇させる作用を持つ。

副腎皮質ステロイド薬の投与による血糖値上昇の機序としては、肝臓での糖新生の促進、末梢組織のインスリン抵抗性増大・ブドウ糖利用の減少などがあり、さらにその食欲亢進作用も関与していると考えられている。
副腎皮質ステロイド薬による血糖値上昇の特徴は、薬剤服用後、2~3時間後に血糖値が上昇し始め、5~8時間後にピークになることで、通常の朝食後の服用では、昼食後から夕方にかけて高血糖が認められる。

治療は一般の糖尿病治療に準じ、食事療法、運動療法が基本となるが、昼食後から夕方にかけての高血糖を是正するために、超速効型、速効型インスリン、超速効型血糖降下薬、αグルコシダーゼ阻害薬の使用が考慮される。
副腎皮質ステロイド薬による高血糖は、膵臓のβ細胞のインスリンの分泌を促進させ、細胞の疲弊をもたらす危険性があるため、特にインスリン療法は、β細胞を保護するためにも有用性が高いと考えられる。

参考書籍:調剤と情報2008.6

プレドニゾロンの中止で低血糖?

プレドニゾロンは、糖新生作用などにより血糖を上昇させ、糖尿病を増悪させる恐れがあるため、糖尿病患者には慎重投与となっている。
また、プレドニゾロンは、肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する可能性があり、経口糖尿病用薬(アセトヘキサミドなど)、インスリン製剤の作用を減弱させることが報告されているので、これらの薬剤を併用する場合には用量に注意する必要がある。
さらに、プレドニゾロンの重大な副作用として、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病が知られている。

プレドニゾロンは合成グルココルチコイド(糖質コルチコイド)である。
グルココルチコイドは、標的器官の細胞内に拡散したのち、細胞質または核に存在するグルココルチコイド受容体に結合する。
その後、核内に移行しDNAと結合して転写活性を抑制する。
グルココルチコイド受容体は体内に広く分布するが、糖代謝への影響を考えると、肝臓、筋肉、脂肪細胞、膵臓への作用が重要である。

肝臓では、グルココルチコイドは糖新生の律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシナーゼ(PEPCK)、フルクトース-1,6-ジホスファターゼ、グルコース-6-ホスファターゼの転写活性を促進する。
また、グルカゴンやカテコールアミンによる糖新生作用を増強する間接的な作用も存在する。

筋肉では、インスリンの受容体への親和性を低下させ、インスリンによるグルコーストランスポーター(GLUT-4)の細胞膜への移動を抑制し、ブドウ糖の取り込みを減少させる。
ブドウ糖のリン酸化やグリコーゲン合成も抑制する。

脂肪細胞においては、筋肉と同様に、インスリンのシグナル伝達、GLUT-4の細胞膜への移動を抑制し、糖の取り込みを減少させる。
また、脂肪分解酵素の活性化により、トリグリセリドの分解を促進する。
その結果、生産された遊離脂肪酸とグリセロールは血中に放出され、筋肉でのインスリン抵抗性を助長し、肝臓での糖新生を促進する。

膵臓においては、β細胞からのインスリン分泌を低下させ、α細胞からのグルカゴン分泌を促進する。
インスリン分泌低下は、インスリンの分泌顆粒からの放出の阻害によるとされる。
以上のことより、プレドニゾロンは血糖増加作用をもつと考えられる。

参考書籍:調剤と情報2012.3

スポンサーリンク

関連する記事

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」「時間は有限、努力は無限」
follow us in feedly

人気の記事

最新の記事

資料

検索

スポンサーリンク

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ