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コンドロイチンとヒアルロン酸、グルコサミンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約3分45秒で読めます.
2,820 ビュー. カテゴリ:コンドロイチンとグルコサミンの違いは?
コンドロイチンは、単独で軟骨や関節など結合組織を構成するグルコサミノグリカンとなります。
グルコサミンの場合は、体内でヒアルロン酸やケラタン硫酸などの高分子多糖につくり変えられて組織の構成成分になります。
両者はいずれも関節のクッションの役目をしている軟骨の形成、保護、修復のための大切な成分となっています。
グルコサミノグリカンはアミノ糖を含む一群の酸性多糖で、遊離状態か蛋白質と結合して、結合組織に存在します。
グルコサミノグリカンと蛋白質が結合したものの総称がプロテオグリカンです。
グルコサミンはグルコースの一部の水酸基(ーOH)がアミノ基(ーNH2)に置換されたアミノ糖の1つで、動物の皮膚や軟骨、甲殻類の殻に含まれています。
日本では、グルコサミンは健康食品のみで販売され、エビやカニの殻を構成するキチンを塩酸などで分解して作られます。
一部のOTC医薬品では添加剤として使われています。
コンドロイチンは、サメやブタの軟骨などを原料に合成され、医薬品では医療用(注射薬と眼科用薬)と一般用(内服薬と点眼薬)の両方で用いられ、神経痛や腰痛、関節炎などの治療や角膜保護などに使われています。
コンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン酸
グルコサミンは、ブドウ糖にアミノ基がついたアミノ酸です。
一般的には、カニやエビなどの、甲殻類の甲羅から作られる。
甲羅に含まれるキチンを、塩酸を用いて加水分解するとグルコサミン塩酸塩、硫酸を用いて加水分解するとグルコサミン硫酸塩となる。
アミノ糖(グルコサミン、ガラクトサミン)と、ウロン酸(グルクロン酸、イズロン酸)またはガラクトースが結合した2糖単位の繰り返し構造を持つものを、グリコサミノグリカンと総称します。
例えば、グルコサミンのアミノ基がアセチル化されたN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が2糖単位で連結、反復したものがヒアルロン酸、N-アセチルガラクトサミンとグルクロン酸が2糖単位で連結、反復したものがコンドロイチンです。
硫酸が結合してコンドロイチン硫酸塩となる。
コンドロイチン硫酸塩やヒアルロン酸は、軟骨のクッション作用に重要な役割を果たしていることが知られている。
ちなみに、医薬品として用いられているヘパリンも、グルコサミンとグルクロン酸またはイズロン酸が2糖単位で結合したもので、グリコサミノグリカンの一種だ。
コンドロン点眼液とヒアレイン点眼液
ヒアルロン酸もコンドロイチンもムコ多糖体の一種で、保水性のある成分です。
昔はコンドロン点眼液というコンドロイチンを成分とした薬もよく処方されていましたが、今はもっぱらヒアレイン点眼液に処方を奪われています。
コンドロイチンとヒアルロン酸の違いとして、コンドロイチンなどの他の保水成分がムチンに結合しないことに対し、ヒアルロン酸はムチンに結合することでヒアルロン酸が液層に長く留まり、涙液が安定化するという点に違いがあります。
ドライアイの原因として、ムチンが注目されています。
目の表面を覆っている涙は、角膜の表面に内側から順番にそれぞれムチン層、水分層、油層という3層を作って目の表面の涙を保持して潤っていますが、これらのいずれかに異常が起こると、目の表面に涙を維持することができず、濡れなくなってしまい(潤いを保てない)、ドライアイの症状を感じてしまいます。
ムチンは、涙以外にも唾液や胃液などの体内で分泌される液体に含まれているネバネバした成分の総称です。目の表面のムチンには角膜ムチン(膜型ムチン)と結膜ムチン(分泌型ムチン)があって、目の表面の潤いを保つという役割を発揮しますが、ムチンの働きが悪いと目の表面を覆う涙の膜が壊れやすくなってしまい、うまく涙を止めることができず、涙がすぐに流れてしまいます。
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