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RS3PE症候群と関節リウマチの違いは?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約3分55秒で読めます.
5,286 ビュー. カテゴリ:RS3PE症候群
患者さんから「RS3PE症候群」という病名を聞いた。
調べてみると、関節リウマチと似たような病気であるが、ちょっと違う。
記号のような病名の「RS3PE」は、この病気の特徴を表す。
①予後の良い(remitting)
②左右対称性(symmetrical)
③リウマトイド因子が陰性(seronegative)
④滑膜炎(synovitis)
⑤手背に強い圧痕性浮腫(pitting edema)
これらの頭文字(R)(S)(S)(S)(PE)でRS3PEとなる。
関節リウマチは関節滑膜に炎症を起こすが、RS3PE症候群は腱鞘の滑膜に炎症を起こす。
ほかにも、
⑥高齢で発症
⑦急な発症
⑧骨びらんはない
⑨痛みのない手首,指の運動制限
⑩検査上,炎症所見〔CRP, 赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate;ESR)高値〕を伴う
⑪少量のステロイドに非常によく反応する
といった特徴がある。
関節リウマチ以外にも、リウマチ性多発筋痛症という似た病気があるが、
浮腫がなく、近位筋痛が強い場合はリウマチ性多発筋痛症、筋痛が強くなく、両側手背に圧痕性浮腫があればRS3PE症候群と鑑別診断できる。
鑑別できなくても、治療としては同じようなものになるので、確定診断できなくても大きな問題はない。
ジャヌビアの副作用でRS3PE症候群?
ジャヌビア、グラクティブの副作用に「RS3PE症候群」という見慣れない病名が追加されていた。
副作用で検索してもH27/6/30現在ジャヌビア、グラクティブにしか記載されていない模様。
1985年にMcCarty DJらが、高齢男性8名(59歳から82歳)、高齢女性2名(65歳と66歳)の、(1) 予後の良い (Remitting)、(2) リウマチ因子陰性 (Seronegative)、(3) 対称性 (Symmetrical)、(4) 手背足背の圧痕浮腫を伴う滑膜炎 (Synovitis With Pitting Edema)、の頭文字をとって、RS3PEを記載した。R=remitting, S3=seronegative, symmetrical, synovitis, PE=pitting edema
RS3PE症候群|大阪大学 免疫アレルギー内科(大学院医学系研究科・医学部)
そのまま和訳すれば「予後が良好な圧痕性浮腫を伴うリウマチ因子の反応が陰性の左右対称の手足の腫れがみられる症候群」となるそうな。
とにかく予後が良好と頭にきているので、重大な副作用ということにはならないのかな。
しかしリウマチ性多発筋痛症や関節リウマチなどの重い疾患に似ているので、患者にとってつらい副作用ではある。
ジャヌビアやグラクティブが原因なのかどうかわかりませんが、これから他の薬でも追加されてくる副作用なのでしょうか。
この病気はステロイド薬の効果が顕著で、中等度のステロイドですぐによくなります。しかし、薬をすぐに 中止すると再発することがあるので、慎重に薬の量を減らしていかなくてはなりません。また、症状によっては免疫抑制薬のエンドキサンを少量用いることもあります。
RS3PE症候群 霞が関アーバンクリニック
浮腫も投薬から1~2週間でなくなり、関節痛などの症状も数週間から2か月くらいでよくなります。
関節リウマチのように関節が破壊されることはありません。R
病名がはっきりしないまま、リウマチ性多発筋痛症や関節リウマチと誤診されても、とりあえずステロイド処方されて、数週間で良くなる。
「あれは何だったんだろう?」と後になって「RS3PE症候群だったのかなあ」って気づきそう。
関節リウマチ
慢性の炎症性自己免疫疾患。
主な症状は、多発する関節炎と関節の構造的な損傷(関節破壊)で、全身性の症状として、発熱、体重減少、全身倦怠、皮下結節などがみられる。
症状は寛解と増悪を繰り返す。
複数の自己抗原が存在することが知られているが、詳細な病因・病態は明らかになっていない。
日本での患者数は60万から100万人と推定されている。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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