2018年4月4日水曜更新.3,289記事.5,378,270文字.

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レボドパが効かなくなってくる?

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レボドパの効果減弱

パーキンソン病の症状改善には、レボドパの経口投与が最も有効です。
が、長期投与によって効きが悪くなり、症状の日内変動に悩まされるようになります。
そのため、患者が比較的若年の場合は、まず初期治療薬としてドパミン作動薬を用い、できるだけレボドパの導入を遅らせることが推奨されています。

ウェアリング・オフ

ウエアリングオフとは、L-ドパ製剤の効果持続時間が短縮し、服用後数時間を経過すると薬剤の効果が消退することだが、ドパミンアゴニストでも引き起こされることから、最近では、次回服用する薬剤を服用する前に効果の減弱を自覚することがウエアリングオフといわれるようになってきている。

ウエアリングオフに対しては薬剤の投与量不足の可能性もあるので、L-ドパを1日3~4回投与、またはドパミンアゴニストの開始・増量・変更を行う。
それでも改善しない場合は、ジスキネジアがない場合は、MAO-B阻害薬のセレギリン、COMT阻害薬のエンタカポン、ゾニサミドなどの併用を検討するとよいとされている。

ジスキネジアがある場合は、L-ドパの一時的な作用過剰、血中濃度の上昇の可能性があることから、L-ドパの1回量を減量し、エンタカポンまたはゾニサミドを併用することがガイドラインで推奨されている。

パーキンソン病では、しびれや痛みの感覚障害が軽いものを含めると約半数の患者にみられるとされており、他に痛みの原因がない場合、off時に連動してみられる痛みでは痛みの閾値が低下しておりL-ドパは、この閾値を上げて正常範囲にするため有効であるとされている。
パーキンソン病に関連した痛みには、NSAIDsでは効果が期待できない。

L-ドパは小腸上部で吸収され、腸管と血液脳関門での吸収はアミノ酸ドランスポーターにより能動輸送されるため、アミノ酸の大量摂取は吸収の減弱に関与する。
また、胃内排泄時間の遅延や胃での薬の溶解性が問題となることから、空腹時の服用や、錠剤をつぶして懸濁液としての服用を試みるべきとされている。
また、レモン水など酸性の飲料での服用が勧められることもある。
高蛋白の食事は、L-ドパの吸収の抑制につながることから、蛋白再配分療法が勧められることもあるが、日本人の食生活では低栄養が問題となる場合のほうが多く、蛋白質の摂取量を確認して慎重に対応することが望まれる。

ウェアリング・オフへの対応

進行期パーキンソン病では、L-ドパの運動症状に対する薬効時間が短縮し、服薬後数時間をすると薬効が切れ、患者もそのことを自覚する。
これをウェアリング・オフ現象という。

この場合は、L-ドパの運動症状改善に必要な血中濃度を維持する工夫をする。
すなわち、ジスキネジーを伴っていないウェアリング・オフ現象に対しては、MAO-B阻害薬を追加し、次に、L-ドパ製剤を頻回投与に切り替え、ドパミンアゴニストの開始・増量・変更を行う。
次のステップとしては、アマンタジンの追加を行う。
いずれの治療も無効でADLの著しい障害がある場合は、両側視床下核刺激術について検討する。
COMT阻害薬のエンタカポンもウェアリング・オフ現象に対する改善作用がある。

レボドパの問題点

L-ドパは1969年から使われている最も強力な薬です。
L-ドパの登場はパーキンソン病治療史の中で非常に画期的なできごとで、それまで発症後5年ぐらいで寝たきりになっていたものが、現在では10年経っても歩けるようになりました。

しかし、L-ドパには作用時間が短いという欠点があります。
したがって、自分である程度のドパミンを産生できる発症初期には、1日3回の服用で十分なドパミンを補うことができますが、罹病期間が長くなって自分ではドパミンをほとんど作れなくなると、L-ドパ服用約2時間後にはドパミンが不足して急に動けなくなります。
これがwearing-off現象です。
また、効果が切れて動けなくなるのを恐れてL-ドパを過剰に服用すると、今度は身体が勝手に動くL-ドパ誘発性の不随意運動(ジスキネジア)が出現します。

カルビドパとベンセラジドの違いは?

レボドパ製剤には、合剤と単剤がある。
ドーパ脱炭酸酵素阻害薬の種類によって、カルビドパまたはベンセラジドとの合剤がある。

カルビドパとレボドパの合剤はその比率が1:10であり、ベンセラジドとレボドパの比率は1:4である。
したがってベンセラジドの合剤のほうが理論的には血中濃度が高くなる傾向がある。

レボドパ製剤の使い方であるが、ガイドラインによれば、発症年齢が70歳以上であれば最初からレボドパを使用することが推奨されている。

レボドパ製剤は、精神症状が出現しにくく抗パーキンソン病薬としても最も効果のある薬剤である。
一方で、運動合併症状が出現しやすい欠点をもっている。
レボドパは細胞毒性があるとされていたが現在は否定されている。
使用量は、反応が不十分の場合は1日量として600~900mgまで増量する必要がある。

パーキンソン病の基本的な病態は、ドパミン作動ニューロンである黒質線条体系の機能低下である。
ドパミンは血液脳関門を通過しないので、その前駆物質であるレボドパを投与して脳内のドパミン濃度を上げる。
一種の補充療法である。

配合剤は単味剤に比較して、①レボドパ量の節減(単剤の1/4~1/5量で同等の効果)②消化器系の副作用が少なく、短時間で有効量まで増量しやすい③効果発現が速く、安定性が高い、などの利点があるため、通常は配合剤が使用される。
ただし、ジスキネジアは単剤より出やすい。

カルビドパとベンセラジドでは、効果に本質的な差はない。
単剤の方が使いやすいのは、wearing offなどの効果動揺現象の出現時に、レボドパの少量頻回投与を行う場合である。

レボドパ(単味剤、配合剤とも)は、長期投与中に、上がり下がり up and down 、すり減り wearing off 、オン・オフ on off などの効果不安定現象が出現しやすい。
投与間隔短縮や1回投与量の低減、単剤頻回投与への変更、他剤(特にブロモクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン、ブラミペキソールなどドパミン受容体作要薬)併用で調整する。
薬物だけでコントロールできない場合は、脳深部電気刺激や定位脳手術の適応を検討する。

レボドパ単剤よりも配合剤のほうが5倍効く?

レボドパ単剤を内服すると、ドパ脱炭酸酵素によりドパミンに代謝され、多くは脳内へ移行できずに失活してしまいます。
ドパ脱炭酸酵素阻害薬は、末梢でレボドパからドパミンへ代謝されるのを抑制し、脳内へのレボドパの移行を高めるため、レボドパの必要量が75~80%削減され25~20%になります。

レボドパ単剤とレボドパ配合剤の効力比は1:5であり、レボドパ単剤の500mgはレボドパ配合剤の100mgに相当します。
つまり、レボドパ配合剤は、レボドパ単剤に比し、レボドパの1日用量を約1/5に減量でき、レボドパ単剤と同等又はそれ以上の効果を発揮します。

レボドパにドパミンアゴニストを追加する理由

パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン性神経細胞の変性と線条体におけるドパミン量の低下を主病変とする原因不明の変性疾患で、静止時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害など運動症状や、うつ傾向などの精神症状、便秘や低血圧といった自律神経症状を来す。
治療薬としては、神経の興奮によって遊離されるドパミンを直接補充する目的でLドーパ製剤やドパミンアゴニストが使用される。
しかし、いずれの薬も症状を軽減させる作用しかなく、脳病変の進行を防止したり、改善する作用は持っていない。
ドパミンアゴニストの開発が進み、病気の初期から重症例まで長期にわたって使える薬剤として使われているが、有効率や症状の改善度については、L-ドーパが他の抗パーキンソン病薬に比べて優れている。

ただし、L-ドーパは体内への吸収率が必ずしも一定でなかったり、血中半減期が短く、体内利用率が低い。
また、ドパミン神経の変性進行でドパミンの保持能力が低下し、その結果、薬効発現時間が短縮して、服用後数時間で効果が消失する「wearing off」も問題となる。
持続的でないドパミン受容体への刺激は、ドパミン受容体以降の神経興奮の調節異常を生じて、ジスキネジアを生じるようになり、これらは運動合併症と呼ばれる。

運動合併症は若年の患者ほど起きやすいことが知られており、「パーキンソン病治療ガイドライン2011」でも70歳未満の患者ではLドーパよりドパミンアゴニストを第一選択薬としている。
ただし、転倒などの危険性があったり、早期の症状改善が必要と判断される場合は、Lドーパから処方を開始し、改善したら運動合併症を防ぐためにドパミンアゴニストを併用して、Lドーパの減量を図ることとされている。

主な抗パーキンソン病薬の分類

1.不足したドパミンの働きを補う薬剤
Lドーパ
Lドーパとドパ脱炭酸酵素阻害薬の合剤
ドパミンアゴニスト
アマンタジン塩酸塩
ゾニサミド
選択的モノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害薬
カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)阻害薬

2.線条体におけるアセチルコリン系を抑制し、ドパミンとアセチルコリンのバランスを回復する薬剤
抗コリン薬

3.ドパミンとともに不足しているノルアドレナリンを補充する悪在
ドロキシドパ

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇

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