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すくみ足にはドプスが良い?
公開. 更新. 投稿者:パーキンソン病.この記事は約2分9秒で読めます.
2,617 ビュー. カテゴリ:緊張すると足がすくむ?
緊張すると、手が震えたり、足がすくんだりする。
これと同じような状態になる病気がある。
パーキンソン病です。
パーキンソン病は脳内神経伝達物質のドパミンが不足した状態です。
緊張したときはドパミンの働きは過剰になっている。
パーキンソン病とは逆の状態。
ドパミンが過剰になっても、不足しても、手足をコントロール出来ない状態になる。
すくみ足とドプス
すくみ足には、抗パーキンソン病薬が切れている時間帯(オフ時)に出現するものと、効いている時間帯(オン時)にもかかわらず生じるものがあり、治療法が異なる。
オフ時に生じるすくみ足は脳内ドパミン量の低下が原因の一つと考えられる。
ガイドラインでは、オフ時に生じるすくみ足に対して、治療の過程でL-ドパの薬効時間が短縮する「ウェアリング・オフ現象」の対策を行うよう提示されている。
具体的には、L-ドパやドパミンアゴニストの増量などである。
オン時にも生じるすくみ足は、ドパミン補充療法に対する抵抗性である。
ノルアドレナリン前駆物質のドロキシドパ(ドプス)を用いるとプラセボと比較して有意に改善したという報告があるが、中等度以上の改善を認めた割合は約20%と低い。
なお、L-ドパを服用しても効果発現が遅い場合(ディレイド・オン現象)や、効果がない場合(ノー・オン現象)には、L-ドパの吸収障害が原因と考えられる。
L-ドパの吸収率を上げるために服用時点を食前・空腹時に切り替えたり、レモン水で服用するなどの対処法がある。
ノルアドレナリン前駆物質
ドロキシドパ(ドプス)は、体内でアミノ酸脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換され作用を発揮する。
すくみ足の現象に青斑核の関与が推定され、その神経伝達物質がノルアドレナリンであることからその前駆物質であるドロキシドパが開発された。
ドロキシドパは進行期パーキンソン病を対象としている。
有効率は低いもののレボドパ抵抗性の症状に対し、ある程度有効を示す。
特にすくみ足、構音障害、姿勢反射障害に有効であったとしている。
起立性低血圧に対しても効果が期待されている。
臨床データはわが国に集中しており、レベルの高いスタディがない。
ドーパミン前駆物質
ドーパミンの前駆物質をLードーパといいます。
Lードーパは血流脳関門(BBB)を通り抜けて脳内に入り、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素に修飾されてドーパミンに変化します。
これを投与することによりドーパミンの減少が改善され、パーキンソン病症状を改善し効果を現します。
ドーパミン神経は脳内だけでなく全身に分布されていますから、投与したLードーパが末梢で使われずに脳だけで有効利用されれば治療効果が上がるはずです。
そこでドーパ脱炭酸酵素阻害薬がLードーパ薬剤の増強役として同時に投与されるのです。
ドーパ脱炭酸酵素阻害薬はBBBを通過せずに、Lードーパからドーパミンへの代謝をブロックすることで作用効率を上げます。
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