2015年10月22日木曜更新.3,289記事.5,377,448文字.

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経口より経皮エストロゲンのほうがいい?

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経皮エストロゲンのほうが副作用が少ない

ホルモン補充療法では、卵胞ホルモンの投与経路として、経口と経皮の2種類が用いられる。
経皮投与は、卵胞ホルモンによる有害事象の一部が、経口投与よりも低減することが認められている。
肝初回通過効果が回避でき、血中卵胞ホルモン濃度の変動も少ないことが理由とされている。

卵胞ホルモンには血栓形成促進作用があり、閉経後女性を対象とした疫学調査のメタ解析において、卵胞ホルモンの経口製剤の使用者では静脈血栓塞栓症の発生率
がホルモン補充療法の非実施者の1.9倍(95%信頼区間[CI]1.3~2.3)と報告されている。
しかし、同じメタ解析で、卵胞ホルモンの経皮製剤の使用者では発生率が1.0倍と、非実施者と差がないことが示されている。

経皮エストロゲンでコレステロールは低下しない

血中LDLコレステロール濃度に関しては、卵胞ホルモンの経口投与では低下するが経皮投与では不変である。
これは、経口投与の場合、卵胞ホルモンの初回通過において肝臓や末梢組織のLDL受容体数が増加し、LDLの取り込みが促進されるためと考えられている。

参考書籍:日経DI2014.4

ホルモン療法で心血管疾患リスク低下

ホルモン療法はLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを増加させる脂質代謝改善作用を有し、CVDリスクを低下させると報告されてきました。
大規模臨床試験でその効果は否定され、ホルモン療法の適応疾患が制限されています。
しかし、これまでのホルモン療法に関する臨床試験のほとんどは経口エストロゲン製剤を使用していました。
最近の研究により経口エストロゲンは中性脂肪を増加させ、LDLを超悪玉の小型LDLに変化させるなどのCVDリスクへの悪影響を有する一方、経皮エストロゲン製剤による悪影響は認められず、動脈硬化に抑制的な多くの作用が確認されています。
また、最近の臨床試験でホルモン療法の開始年齢とCVDリスクとの関連性が指摘されており、閉経後早期でのホルモン療法はCVDリスクを低下させると報告されています。

卵胞ホルモン製剤

エストロゲン製剤。
卵胞ホルモンには女性生殖器の発育を促進し二次性徴を表す作用と生殖機能維持や卵胞の成熟、排卵促進、子宮内膜の増殖など性周期の前半を維持する作用がある。

骨や血管あるいは脂質代謝など性器外にも作用する。
卵胞ホルモン製剤は卵巣機能不全や無月経、更年期障害の治療や排卵抑制(経口避妊薬)の他、乳汁分泌の抑制、月経困難症、機能性出血、骨粗鬆症などの治療にも用いられる。

剤形は経口、筋注、静注、貼付剤、経膣剤がある。
エストロゲンにはエストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)の3種類があり、生物活性は10:100:1程度である。

E1製剤には、妊馬尿から抽出された結合型エストロゲン(商品名:プレマリン)があり、E2製剤には経皮吸収型のエストラジオール貼付剤(エストラダーム貼付剤ほか)が、E3製剤にはエストリオール(エストリールほか)がある。

結合型エストロゲンは経口剤であるため使用が簡便ではあるが、最近は結合型エストロゲンよりも、静脈血栓塞栓症を誘発するリスクが低いエストラジオール貼付剤が用いられることが多い。
エストラジオール貼付剤は、肝臓での初回通過効果を回避できるために胃腸障害や肝臓障害を起こしにくいというメリットもある。

エストリオールは生物活性が低いため、単剤で使用することができる。
高齢者の尿道膣粘膜萎縮症状に使用されることが多い。
すべての低用量OCに含まれるエストロゲンは、エチニルエストラジオールであり、その量も30~40μgと大きな違いはない。

既存の、いわゆる中高用量OCでは、エストロゲンとしてエチニルエストラジオールとメストラノールの2種類が使われていたが、このメストラノールは3位のメチル基が置換され、エチニルエストラジオールになってはじめてエストロゲン作用が発現する。

その転換率は人によって60~70%と不安定であるため、低用量OCではすべてのOCにエチニルエストラジオールが用いられるようになっている。

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