2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

スプレキュア1本何日分?

GnRHアゴニスト

スプレキュアやナサニールなどのGnRHアゴニストの点鼻薬。

あまり使われるケースに当たらないので、1本で何噴霧使えるのか、とか知らない。

スプレキュア1本は、10mL。

用法は、

通常、成人には1回あたり左右の鼻腔内に各々1噴霧ずつ(ブセレリンとして300μg)を1日3回、月経周期1~2日目より投与する。なお、症状により適宜増減する。

1日6噴霧使うわけです。

組成が、

本剤は、1瓶10mL中にブセレリン酢酸塩15.75mg(ブセレリンとして15mg)を含有する点鼻液である。

となっているので、15mg÷300μgで計算上は50回分(1回2噴霧なので100噴霧)使えますが、45回分くらいだそうで。

1本45回分だと、1日3回(6噴霧)で約15日分になります。

1か月で2本使う計算です。

ナサニールは、1本5mL。
ナファレリンとして10mg入っている。

用法は、

通常、成人には1回あたり片側の鼻腔内に1噴霧(ナファレリンとして200μg)を1日2回、月経周期1~2日目より投与する。

ナサニールは片方の鼻だけでいいのね。

勘違いしそう。

10mg÷200μgこちらもスプレキュアと同じく、計算上は50回分。

でも1日2回だからスプレキュアより長く使えますね。

薬価は1万円くらいで同じだから、ナサニールのほうが安く使えることになる。

GNRHアゴニスト

下垂体からのゴナドトロピンの分泌を抑制することによりエストロゲンを低下させ内膜症の増殖を抑制する。

GnRHアゴニストは胃で分解されるために非経口的な投与が必要であり、鼻腔噴霧、デポー注射、デポー埋め込みなどの剤形がある。

副作用として更年期様症状や骨密度低下が高頻度にみられるので6ヶ月以内の使用が原則である。

これらの低エストロゲンによる副作用を防ぐために少量のエストロゲンの併用(Add-back療法)や低用量長期投与が試みられている。

GnRHアゴニストは子宮内膜症の治療薬としては治療効果が高く、薬物療法の中心となっている。

点鼻剤と注射剤があり、一般的には注射剤のほうが治療効果が高い反面、副作用も強い傾向にある。

・GnRHアゴニストは初回投与後に一過性の高エストロゲン状態による不正出血や過多月経を伴うことがある。
投与4週目ごろにより低エストロゲン状態による更年期症状を認めることが多い。
長期投与すると骨量減少を認めるため6ヶ月の投与の後に、少なくとも6ヶ月の休薬期間が必要である。

・子宮粘膜下筋腫に対してGnRHアゴニストを使用すると、多量の性器出血を認めることがあるので注意が必要である。
下垂体GnRH受容体に選択的に作用する。
投与初期にはゴナドトロピン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)分泌能を亢進させるが、反復投与によりGnRH受容体量の低下を引き起こし、GnRH反応性を低下させ、最終的に卵巣からの性ホルモン分泌を抑制する。→子宮内膜症組織が萎縮する。

・投与初期にエストロゲン分泌が一過性に亢進し、症状が一時的に悪化することがあるが、通常、治療を継続することにより消失する。
・長期投与により骨塩量の低下がみられることがあるため、6ヶ月を超える継続投与は原則として行わない。
・低エストロゲン状態により、更年期障害様症状があらわれやすく、特にうつ症状には注意が必要である。
・妊娠状態が継続できず、流産をするおそれがあるため、妊婦または妊娠している可能性のある婦人は禁忌である。
・母乳中に移行するおそれがあるため、授乳婦は禁忌である。
・投与期間中はホルモン剤以外の方法で避妊させる。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

4 件のコメント

  • LALALAND のコメント
         

    初めまして。スプレキュア何回使えるのかなと思いこちらに辿り着きました。1点気になったのが

    <<1本45回分だと15日分になります。

    という点なのですが、1日6噴霧だと7.5日分かなと思いました。

    ご確認よろしくお願いします。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    その通りですね。勘違いしてました。文章も修正いたしました。
    ご指摘ありがとうございます。

  • staygold のコメント
         

    先日、ブセレリン点鼻薬の処方あり、こちらの記事を参考にさせていただきました。後日、患者様から1瓶が14日分ではと付属のシール(14日間の記録)と併せてご指摘ありました。添付文書から、1回量=両鼻2噴霧=ブセレリンとして300μgであれば、1噴霧=150μgではないかと。ご確認よろしくお願いします。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    ご指摘の通り自分が間違っておりました。ご迷惑おかけして申し訳ありません。
    1回と1噴霧を混同して迷走してしまいました。
    正しい情報を提供できるように心がけます。この度は誠に申し訳ありませんでした。

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