更新日:2017年1月22日.全記事数:3,169件.

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ACE阻害薬とARBの併用?


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ACE阻害薬とARBの併用?

ACE阻害薬とARBがいっしょに処方されていたら、疑義照会しそうになりますが、相乗効果を期待した併用というやり方もあるようです。

高血圧の犯人としてアンジオテンシンⅡという物質が知られています。
このアンジオテンシンⅡの産生を阻害するのが、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)という薬です。

ACE阻害薬はアンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換する酵素の働きを阻害します。
ARBはアンジオテンシンⅡが受容体に結合して血圧を上昇させるのを防ぐ薬です。

併用すれば、アンジオテンシンⅡの量を減らして、働くのも抑えるという相乗効果になります。

ACE阻害薬とARBを併用したほうが、降圧効果も高いとか、蛋白尿も減るという。

しかし、腎機能を悪化させる可能性もあるようです。

単独の高用量のほうがいいのか?併用したほうがいいのか?については、未だ論争の最中です。

アンジオテンシンとブラジキニン

ACE阻害薬は、AⅡの産生を低下させる作用と、血管を拡張させるブラジキニンの分解を阻害する作用も有しています。

そのためにARBと併用することによってAⅡのさらなる抑制作用と、ブラジキニンの効果も加わり、相加効果が期待されます。

ACE阻害薬とARBの併用は無意味?

ARBとACE阻害薬の併用の効果を検討したONTARGET試験の結果では、その有効性は否定的であり、さらに腎機能の悪化を来す可能性も示唆されている。

ACE阻害薬の特徴は?

アンジオテンシン変換酵素を阻害し、生理的昇圧物質であるアンジオテンシンⅡの生成を抑制し血管を拡張する。

強力な昇圧系のレニンーアンジオテンシン(RA)系阻害と降圧系のカリクレイン・キニン・プロスタグランジン系増強作用を併せもつ。

組織アンジオテンシン抑制によって降圧とは独立して臓器障害の改善や進展予防が期待できる。

・単独又は利尿薬、Ca拮抗薬と併用。
・軽症~重症、悪性高血圧、心負荷軽減のため心不全にも有効。
・有意な心肥大改善。
・心房細動発症抑制作用。
・インスリン感受性改善作用、糖尿病新規発症抑制作用あり。
・抗動脈硬化作用、尿蛋白減少・腎保護作用(輸出細動脈の拡張による糸球体内圧の低下による)、脳循環調節改善作用もあり。
・糖尿病、心不全、脳循環不全などの合併症例で第一選択薬。
・利尿薬との併用で低K血症を予防。
・咳の誘発で高齢者の誤嚥性肺炎を防止。
・QOLに好影響。

Ca拮抗薬やARBに比べ常用量ではやや降圧効果が劣るが、他剤との併用できわめて有効な降圧効果を発揮する。
副作用として、ことに咳の頻度が高い。
しかし近年のメタ分析では、虚血性心疾患の予防効果としてARBを凌駕する成績が得られており、降圧を超えた臓器保護作用が最も期待される薬剤といえる。

高用量のACE阻害薬にCa拮抗薬や利尿薬を併用すると有効性は高い。

ペリンドプリル、トランドラプリル、キナプリル、イミダプリルなどが明瞭な長時間作用を示す。
その他のACE阻害薬では1日2回の投与が適当であろう。

妊娠高血圧では禁忌である。

なおSH基を有するACE阻害薬には抗酸化作用などが期待される。

・ACE阻害薬、ARBのすべてに糖尿病性腎症を含む腎障害や心不全に適応があるわけではないが、これらの薬剤はこうした疾患に通常使用される。

・ARBと服薬指導の内容は同じである。

・特異的な副作用である咳については、相当高頻度に起こることを伝えなければならない。ただし、重症度はまちまちであり、もしも耐えられるような咽喉頭部の不快感や軽い咳であるならば、今日、最も降圧以外の好ましい効果を得られる薬としてエビデンスが蓄積している薬剤であることを説明し、できるかぎり服用を持続させる努力をすべきである。

・まれに血管浮腫のあることにも注意が必要である。
・相対的には安価である。
・妊婦には禁忌である。
・ACE阻害薬服用者では、ある種の透析膜(LDLアフェレーシスなど)でショックを引き起こすので注意が必要である。

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コメント

  1. 併用による有害性も最近では問題視されてきていますね。
    記事の更新を楽しみにしてます。

    薬局薬剤師:2017/7/25

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