更新日:2017年1月22日.全記事数:3,169件.

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アシノンで唾液分泌促進?


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アシノンのコリンエステラーゼ阻害作用

アシノンはH2ブロッカーですが、アセチルコリンエステラーゼを阻害する作用があります。
アセチルコリンエステラーゼは、アセチルコリンをコリンと酢酸に分解する酵素です。
そのため、アセチルコリンが分解されにくくなり、副交感神経の刺激が長く続くことになります。

この効果を利用して、唾液分泌を亢進させる目的で処方されることがあります。

近年、急速な高齢化を反映して過活動勝眺の患者が増加しており、その治療目的で抗コリン薬の処方が増えている。

抗コリン薬は、副交感神経終末から放出されたアセチルコリンと競合して、排尿筋のムスカリン受容体のサブタイプであるM3受容体に結合し、その不随意収縮(排尿筋過活動)を抑制することにより、蓄尿症状を改善すると考えられている。

一方でM3受容体は、唾液腺腺房細胞の基底側膜にも存在し、水・電解質の分泌に重要な役割を果たす。
そのため、抗コリン薬の代表的な副作用の一つとして口腔内乾燥症が発現することがあり、患者の生活の質 (QOL)を損なう要因となっている。

また、C型肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリンの併用療法時には、口腔内乾燥症をはじめ、味覚異常、口内炎・口角炎、口唇炎、食物摂取困難感を患者が訴えることが多い。
中でも口内炎・口角炎・口唇炎は、唾液の減少により口腔内や歯面の清掃作用、潤滑作用が減弱し、細菌の繁殖が増加するため発症すると考えられている。
C型肝炎ウイルス に感染すると唾液腺障害が生じるとの報告や、C型肝炎患者では扁平苔癬や口腔内癌の発生頻度が高いことも明らかになっている。

ドライマウスに使われる薬剤

口腔内乾燥症の治療目的で、去痰薬であるブロムヘキシン塩酸塩(ビソルボン)やアンブロキソール塩酸塩(ムコソルバン)、シェーグ レン症候群に伴う唾液分泌促進薬であるアネトールトリチオン(アテネントー ル)が、適応外で用いられることがある。

サリベートエアゾールは、口腔内にエァゾール状の人工唾液を噴霧して一過性に口腔内を潤す補助的治療薬である。
効果の持続時間が30分程度と短く、特有な味とにおいがあるため、 人前では使用しづらい。
唾液腺のM3受容体に作用するセビメリン塩酸塩水和物(エボザック、サ リグレン)やピロカルピン塩酸塩(サラ ジェン)も、適応外で用いられることがあるが、多汗、嘔気、下痢などの副作用の発現が多い。
その上、過活動勝眺に適応のある抗コリン薬とは相反する作用のため、そもそも併用が懸念される。

ニザチジン(アシノン)は、H2受容体拮抗作用による酸分泌抑制に加え、コリンエステラーゼ阻害作用によって
アセチルコリンを増加させ、コリン作動性の副交感神経を刺激して、消化管運動を促進する作用を併せ持つ。
このコリンエステラーゼ阻害作用を応用し、唾液分泌を促進させて口腔内 乾燥症を改善する目的で、ニザチジンが適応外処方されている。

ニザチジンのコリンエステラーゼ阻害作用と、過活動膀胱に対する抗コリン薬の作用は、相反すると考えられる。
しかし、両者の併用による問題点は特に報告されておらず、経過は良好である。

唾液

唾液は唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺などの大唾液腺と多数の小唾液腺)から分泌される。

成人の唾液分泌量は、通常、1日当たり1~1.5リットルといわれている。

ただし、個人差が大きく、体調によっても変化する。

成分は水分が99%以上で、亜鉛含有蛋白質などの有機物が0.4~0.5%、そのほかに無機物、ガスなどを含有している。

通常のpHは6.3~6.8であるが、分泌が盛んになるとアルカリ性に傾くといわれる。

唾液の分泌は、交感神経と副交感神経の二重支配を受けている。

一般に、唾液の水分の分泌に関与しているのは副交感神経で、刺激により反射的(条件反射、無条件反射)な分泌が亢進する。

胃食道逆流症(GERD)の患者では、唾液分泌が低下していることが多いと報告されている。

参考書籍:日経DI2012.12

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