更新日:2016年6月2日.全記事数:3,104件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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便の中から飲んだ薬がそのまま出てくる?


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ゴーストピル

薬の中には薬が溶け出した後の抜け殻が排泄されるものがあります。

この抜け殻のことをゴーストタブレットといいます。

実際にモノを見たことが無いので、卵の殻のようなものが便中に混ざっているくらいだろうと思っていましたが、ほとんど錠剤の形をしたまま排泄されるものもあるらしい。

便中に錠剤を見つけたら、これは効いてないのではないか?と疑うのも理解できます。

糞便中に製剤の残渣が見られる可能性のある薬

一般名商品名
バルプロ酸ナトリウムセレニカR錠、デパケンR錠、バルデケンR錠、バルプロ酸ナトリウムSR錠、エピレナート徐放顆粒、セレニカR顆粒、バルプラム徐放顆粒
塩酸メチルフェニデートコンサータ錠
リン酸ジソピラミドタイリンダーR錠、リスピンR錠
ニフェジピンニフェジピンCR錠「サワイ」「NP」「日医工」
テオフィリンスロービッドカプセル・顆粒、セキロイド錠、テオスローL錠、テオフルマートL錠、テオロング錠・顆粒、テルダンL錠、ユニコン錠、ユニフィルLA錠
メサラジンペンタサ錠、アサコール錠
硫酸鉄フェロ・グラデュメット
塩化カリウムスローケー、エフズレンK錠、ケーサプライ錠
メシル酸ネルフィナビルビラセプト錠
硫酸モルヒネピーガード錠
塩酸オキシコドン水和物オキシコンチン錠
パリペリドンインヴェガ錠
フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリンディレグラ配合錠

中には、ジェネリックでのみゴーストタブレットが見られる薬もあるので、あらぬ誤解を招きかねません。
決して不良品であるということではないので、ご注意を。

錠剤やカプセルの形状を残した物体が糞便中に排出される現象は、しばしば患者から報告される。
このような物体は、「ゴーストピル」または「ゴーストタブレット」と呼ばれている。
ゴーストピルは徐放化製剤に見られることが多い。
残渣が錠剤の形状をしている場合、有効性に不安を覚える患者は多いが、強い下痢を呈していない限り、糞便中に排出された残渣中に主薬は残っていないと考えられる。
ゴーストピルが排出される要因には、不明な点が多い。
ただし、下痢などで腸管通過時間が短い場合や、水無しで服用した場合などには、ゴーストピルが観察される可能性は高くなると考えられる。
特に、後発品によるゴーストピルの排出を経験すると、患者は後発品全般に対して不信感を抱く恐れもある。
ゴーストピルが排出される可能性がある薬剤については、交付時に患者に説明しておくとともに、多めの水で服用するよう指導した方がよい。

デパケンのゴーストピル

デパケンR錠では、糞便中に白い残渣が出現することが知られている。
これは、この錠剤が徐放構造を持っているためであり、残渣は主薬が消化管内で放出された後に出現する抜け殻にすぎない。
したがって、残渣が認められた場合でも、薬効には影響がないと考えられている。

デパケンR錠は、吸湿を防ぐために表面がシュガーコーティングされているが、その内側は、マトリックス構造を核とし、その外側を徐放性被膜で覆った二重構造になっている。

マトリックス構造部分は、水に不溶性で多孔質のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムとバルプロ酸ナトリウムを混合打錠して成形されている。
いわば、スポンジの中に主剤であるバルプロ酸ナトリウムを吸収させた構造である。

徐放性皮膜は不溶性のエチルセルロースが主体であり、マトリックス構造中に含まれたバルプロ酸ナトリウムが、皮膜の微細な隙間から徐々に放出されることで、主剤の溶出が制御されている。

このマトリックス構造部分と皮膜は不溶性である。
そのため、主薬が放出されてしまった後も、これらは消化管内で崩壊せず、糞便中にそのまま排泄される。
これが、糞便中に認められる白色残渣の正体である。

実際、糞便中に錠剤の形状を保持したまま残渣が排泄された症例(13症例)について、回収した残渣の主薬残存率を測定した研究では、約10%残存していた1例を除き、残存率はすべて1~5%だったと報告されている。

ただし、重篤な下痢症状を伴っている患者では、主薬が十分吸収されないうちに排泄され、血中バルプロ酸濃度が十分に上昇していない可能性がある。
デパケンR錠は、主薬が100%溶出するのに9~10時間程度かかるように設計されているため、服用後10時間程度は消化管内に滞留させなければならない。
重篤な下痢がある場合には、一時的に普通錠を使用するか、徐放錠をかみ砕いて服用するなどの対策を講じる必要がある。

オキシコンチン錠のゴーストピル

オキシコンチン錠は、親水性のヒドロキシアルキルセルロースと主薬を練合して顆粒状にし、高級脂肪アルコールでコーティングして打錠したものである。
消化管内で錠剤に水分が浸透すると、ヒドロキシアルキルセルロースが水和化して主薬が溶解し、高級脂肪アルコールのマトリックスの空隙から徐々に主薬が放出され、マトリックスが残る。

参考書籍:日経DI2014.10

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