2025年6月22日更新.2,505記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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イエローレター・ブルーレター一覧

緊急安全性情報と安全性情報

通常の副作用に関する情報、DSU(Drug Safety Update:医薬品安全対策情報)は月に1度、厚生労働省から配布される。それに比べて緊急性の高い副作用情報が出たときに、厚生労働省の指示で製薬企業が配布するのが緊急安全性情報(イエローレター)安全性速報(ブルーレター)である。

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)のホームページに、イエローレターとブルーレターについて、以下のように説明が書かれている。

■緊急安全性情報(イエローレター)
緊急に安全対策上の措置をとる必要があると判断された場合、厚生労働省からの配布指示に基づき、製造販売業者が作成する情報です。

■安全性速報(ブルーレター)
緊急安全性情報に準じ、一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な安全対策措置をとる必要があると判断された場合に、厚生労働省からの配布指示に基づき、製造販売業者が作成する情報です。

DSUの情報は、服用している患者が知ることはあまりないが、イエローレターやブルーレターの情報は、新聞などで報道されることも多いので、患者が目にする可能性も高い。必ずチェックするとともに、過去に発出されたものについても知っておくとよい。

▶主な緊急安全性情報(イエローレター)一覧

年月日医薬品名副作用
平成19年3月20日タミフル異常行動
平成16年3月5日インスリン自己注射用注入器オプチペンプロ1過量投与
平成15年9月10日経口腸管洗浄剤(ニフレック)腸管穿孔及び腸閉塞
平成15年3月7日ガチフロ錠100mg低血糖及び高血糖
平成14年11月7日抗精神病剤セロクエル25mg錠、同100mg錠(フマル酸クエチアピン)血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡
平成14年10月28日ラジカット注30mg(エダラボン)急性腎不全
平成14年10月15日イレッサ錠250(ゲフィチニブ)急性肺障害、間質性肺炎
平成14年7月23日塩酸チクロピジン製剤(パナルジン錠・細粒)重大な副作用
平成14年4月16日抗精神病薬ジプレキサ錠(オランザピン)血糖値上昇による糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性昏睡
平成12年11月15日インフルエンザ脳炎・脳症患者に対するジクロフェナクナトリウム製剤予後悪化
平成12年10月5日塩酸ピオグリタゾン急激な水分貯留による心不全
平成12年2月23日尿酸排泄薬ベンズブロマロン(ユリノーム、ユリノーム25mg)劇症肝炎
平成11年6月30日塩酸チクロピジン製剤(パナルジン錠・細粒)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
平成10年12月18日ウィンセフ点滴用痙攣、意識障害
平成10年8月7日オダイン錠(フルタミド)重篤な肝障害
平成9年12月1日ノスカール(トログリタゾン)重篤な肝障害
平成9年8月14日抗菌処理カテーテルアナフィラキシー・ショック
平成9年8月6日CPI社製ペースメーカーペーシング不全
平成9年7月28日カンプト注(塩酸イリノテカン)骨髄機能抑制

▶主な安全性速報(ブルーレター)一覧

年月日医薬品名副作用
平成26年10月24日ソブリアードカプセル100mg高ビリルビン血症
平成26年4月17日ゼプリオン水懸筋注25mg,50mg,75mg,100mg,150mgシリンジ死亡症例
平成26年1月17日ヤーズ配合錠血栓症
平成25年5月17日ケアラム25mg/コルベット錠25mg(イグラチモド)とワルファリンとの相互作用重篤な出血
平成24年9月11日ランマーク皮下注120mg重篤な低カルシウム血症

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