2018年4月7日土曜更新.3,291記事.5,105,755文字.

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帯状疱疹後神経痛にNSAIDsは効かない?

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帯状疱疹後神経痛とNSAIDs

怪我をした部位では炎症反応が生じてプロスタグランジンが産生されます。
痛み情報を増強し、身体のどこに怪我があるのかという警告信号を「痛み」として伝えやすくするのです。
NSAIDsはプロスタグランジンの産生を阻害するので、痛み情報が伝わりにくくなるという仕組みで鎮痛効果を発揮します。
しかし、帯状抱疹後神経痛などの痛みは、原因となる炎症反応などがなく痛み情報だけが伝わっている状態なので、NSAIDsのような鎮痛薬は効きにくいのです。

上行性痛覚伝導路と下降性痛覚伝導路

痛みの情報は、痛みの発生源から脳へ伝わります。
これを「上行性痛覚伝導路」といい、痛み情報が脳まで伝わると、そこで痛みが認知されます。
急性の痛みには警告信号の意味もありますから、怪我などにより痛みを発するときには、その
部位より脳へのシグナルが流れます。脳で痛みを認知することにより、どのような行動を起こすかの意思決定をするわけです。

たとえば、何かの虫に刺されたときには、その虫を追い払うという行動をとることで危険から回避するというわけです。
一度脳で痛みが認知されると、今度は痛みを和らげる情報が「下降性痛覚伝導路」を伝わっていきます。
これが上行性痛覚伝導路の興奮を抑える役目も担うことで、総じて痛みが治まっていくのです。

帯状疱疹後神経痛の痛みには、上行性痛覚伝導路の活動性を抑えて脳への痛み情報の伝達を遮断するか、下降性痛覚伝導路を活性化する方法が有効です。
痛み発生部位から脳へ情報を伝える神経細胞は、細胞同士のつなぎ目であるシナプスで情報の伝達を行っています。
ここでは、情報を伝える側と情報を受け取る側の細胞がありますが、伝える側からの情報をもつ神経伝達物質が放出される部位には、電位
依存性カルシウムチャネルがあります。
これが活性化すると、細胞外からカルシウムイオンが細胞に流入し、伝達物質が放出されることによって、痛み情報が伝わっていくのです。

プレガバリンは、カルシウムチャネルのα2σサブユニットヘ結合し、チャネルの活性化を阻害します。
このことで、痛み情報が伝わらなくなり、帯状庖疹後神経痛や末梢神経障害性痔痛のようなやっかいな痛みが和らいでいくことになるのです。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

リリカ

プレガバリン:新機序の「帯状疱疹後神経痛」治療薬:日経メディカル オンライン

 2010年4月16日、帯状疱疹後神経痛治療薬のプレガバリン(商品名:リリカカプセル25mg、同カプセル75mg、同カプセル150mg)が製造承認を取得した。適応は「帯状疱疹後神経痛」で、1日2回に分けて経口投与する。初期用量は1日150mgで、その後、1週間以上かけて1日用量300mgまで漸増する。1日最高用量は600mgである。
 帯状疱疹は、神経節に潜伏した水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の回帰感染により引き起こされる疾患であり、全病期にわたって痛みを伴うことを特徴とする。具体的には、皮疹出現前の「前駆痛」に続いて、皮疹に伴って「急性期痛」が現れ、皮疹消退後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が残る。これらの痛みのうち、炎症による「急性期痛」と神経変性に起因した「PHN」とでは、痛みの機序や種類が全く異なっている。
 帯状疱疹の治療では、抗ウイルス剤を用いた治療とともに、急性期から痛みを十分にコントロールすることが重要とされる。神経損傷によってPHNに至ると、痛みの除去が極めて困難になるからである。PNHは、「焼けるような痛み」や「電気が走るような持続的な痛み」と表現されるような激痛であり、患者のQOLは大きく低下する。PHNの治療では、コデインリン酸塩や三環系抗うつ薬を投与したり、交感神経ブロックなどが行われるが、副作用等の問題から十分な治療が行えず、完全な除痛に至らない症例も多かった。
 今回、承認されたプレガバリンは、分子構造的には抗てんかん薬のガパペンチン(商品名:ガバペン)に類似しており、過剰に興奮した神経系において、各種神経伝達物質の放出を抑制する。具体的には、主に神経系に分布するカルシウムイオンチャネルのα2δサブユニットに結合して鎮痛作用を発揮する薬剤であり、従来の鎮痛薬とは全く異なる新しい作用機序の薬剤である。除痛効果が発現するまでの時間が短いことが特徴で、長期投与でも持続的な効果が得られることが確認されている。
 2010年4月現在、世界105の国と地域で承認されている。欧米では、プレガバリンが、PHNの薬物治療ガイドライン/アルゴリズムの第一選択薬として位置付けられおり、さらにPHN以外にも、糖尿病などによる末梢神経障害性疼痛、成人のてんかん患者における部分発作の補助治療薬としても承認されている。日本では現在、末梢神経障害性疼痛を適応とした承認申請が行われているほか、全身に我慢できないほどの痛みやしびれを引き起こす「線維筋痛症」の適応でも開発中である。
 プレガバリンは、PHNにより日常生活のQOLの低下を余儀なくされている患者にとって、有用性の高い薬剤であり、今後幅広く使用されていくものと考えられる。ただし使用に際しては、国内外の臨床試験で、副作用(臨床検査値異常を含む)が64.5%に認められていることに注意が必要である。主な副作用は、浮動性めまい(23.4%)、傾眠(15.9%)、浮腫(10.7%)などであり、重大な副作用としては、心不全、肺水腫、意識消失、横紋筋融解症、腎不全、血管浮腫などが報告されている。

帯状疱疹後神経痛に使われる薬はたくさんありますが、適応があるのはノイロトロピンだけです。

この前発売されたサインバルタも帯状疱疹後神経痛みたいな痛みに効くらしい。

病気で一番辛いのは、痛み、でしょう。それが少しでも和らぐのであれば、使いたいでしょうね。

発売されたら売れそうです。


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