記事
ノイロトロピンの成分って何?
公開. 更新. 投稿者:痛み/鎮痛薬.この記事は約2分50秒で読めます.
4,885 ビュー. カテゴリ:ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液って何?
痛み止めとして使われるノイロトロピン。
成分は、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液。
これは、ワクシニアウイルスを接種した家兎の炎症皮膚組織から抽出した非たん白性の生理活性物質、とのこと。
薬効分類名は、下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療剤(非オピオイド、非シクロオキシゲナーゼ阻害)と書かれている。
オピオイドでもないし、COX阻害薬でもない。
下行性疼痛抑制系の活性化、ブラジキニン遊離抑制作用、末梢循環改善に基づく患部冷温域の皮膚温上昇作用を示す。
そもそもワクシニアウイルスって何?
天然痘ウイルスと牛痘ウイルス (Cowpox virus) 、ワクチニアウイルス (Vaccinia virus) は非常に遺伝子が似ており、実際、初期の天然痘ワクチンは牛痘ウイルス(ワクチニアウイルス説あり)から開発されている。この三者は共通祖先から分岐進化した可能性がある。
天然痘ウイルスに似たようなウイルスらしい。
つまり、そのウイルスを接種したウサギの炎症部位から出た分泌物には、何らかの免疫に関する物質が含まれているという気はする。
とはいっても、単一の物質ではないし、有効成分が何なのかわからないし、健康食品と同じようなものという印象。
しかし、処方頻度は多い。こういうプラセボ的な薬も、治る見込みのない痛みとか、不定愁訴に対しては、医師の武器として重要です。
臨床成績で有効以上の割合は、
帯状疱疹後神経痛 40%
腰痛症 56%
頸肩腕症候群 51%
肩関節周囲炎 40%
変形性関節症 51%
この程度。
ノイロトロピンは帯状疱疹痛発症後6ヵ月未満の患者には使えない?
以前ノイロトロピンの添付文書には、
「 帯状疱疹後神経痛に用いる場合は、帯状疱疹痛発症後6ヵ月以上経過した患者を対象とすること。(帯状疱疹痛発症後6ヵ月未満の患者に対する効果は検証されていない。)」
との記載があった。
現在は、より早期に使いはじめる方がPHNの治癒を促すことができるとの考えなどから、2013年7月に関連学会の要望により添付文書の使用上の注意が改訂され、上記の制限はなくなった。
なお、帯状疱疹発症中から同薬を使用する方がPHNを予防できると考える医師もいるが、適応がPHNであるため、抗ウイルス薬の投与終了後に開始した方が保険上は問題となりにくいもようだ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。