2018年11月20日更新.3,346記事.5,749,708文字.

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牛乳アレルギーに禁忌の薬

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牛乳アレルギーに禁忌の薬

医薬品の中には、カゼインナトリウムが添加物として含まれているものがあります。

カゼインは牛乳蛋白の主成分であり、牛乳アレルギーのアレルゲンとなる可能性があります。

牛乳アレルギーに禁忌の薬には、栄養剤のアミノレバン、ラコール、エンシュア、ハーモニックや整腸剤のラックビーR、エンテノロンR、エントモール、下剤のミルマグ錠、下痢止めのタンナルビン、降圧剤のエマベリンLカプセル、抗生物質のメデマイシンなどがあります。

エマベリンはジェネリックですが、先発品のアダラートは牛乳アレルギーに禁忌ではないのでピンと来ません。要注意です。

牛乳由来の成分であるカゼインですが、経腸または経口栄養剤に原材料として使用されているものが多いので、注意しなければなりません。
タンニン酸とカゼインから合成されるタンニン酸アルブミンを含有する医薬品もあるほか、一部の乳酸菌製剤は培地にカゼインが含まれています。
乳糖は牛乳を原材料としているため、乳糖1gに数μgと微量ですが牛乳蛋白質を含んでいます。
吸入薬や静注用製剤、散剤などに添加されていることがあるので、非常に感受性の高い牛乳アレルギー患者の場合、まれですが、アレルギー症状を誘発することがあります。

牛乳アレルギー患者に禁忌の医薬品

成分栄養剤:エンシュア・リキッド、エンシュア・H、ハーモニック-F・-M、クリミニール、ベスビオン、ラコール
ミルク:雪印低メチオニンミルク、GSDフォーミュラD明乳・N明乳
耐性生菌製剤:アンチビオフィルス細粒、エンテノロン-R、エントモール散、コレポリーR散、ビオスリー、ラックビーR
タンニン酸製剤:タンナルビン(タンニン酸アルブミン)
抗生物質:メイアクト、メデマイシンカプセル
肝不全用成分栄養剤:アミノレバンEN
ニフェジピン製剤:エマベリンLカプセル
制酸剤・緩下剤:ミルマグ錠
一般用医薬品:バイランCa

牛乳アレルギー患者に禁忌のOTC

含有成分主な商品名薬効成分
タンニン酸アルブミングアベリン錠、ストーゼ止瀉薬、ビオフェルミン止瀉薬、新ビストールカプセル、ベルランゼットS、新タントーゼA、大正下痢止め止瀉薬
乳酸菌イストロン整腸錠プラス、ファスコン整腸錠プラス、ラクティブプラスNA、アベテート整腸薬NA整腸薬
添加物に乳成分婦人華N、新プレコールトローチ口腔咽頭薬、婦人薬

牛乳アレルギーと禁忌成分

牛乳アレルギー患者では、乳蛋白質のカゼインやタンニン酸アルブミンを含む医薬品、一部の乳酸菌製剤などが投与禁忌となっている。
カゼインは、経腸栄養剤や経口栄養剤、一部の制酸薬、緩下薬に配合されている。
タンニン酸アルブミンは、タンニン酸とカゼインにより合成される成分で、止瀉薬や整腸薬として使用されている。
また、一部の乳酸菌製剤では製造時の菌の培地にカゼインが含まれているため、牛乳アレルギーの患者に投与禁忌となっている。

日本アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2016」には、食物アレルギー患者に投与禁忌の医療用医薬品とOTC薬が紹介されている。
このうち、牛乳アレルギーの患者に投与禁忌のOTC薬の止瀉薬としては、タンニン酸アルブミンが含まれるビオフェルミン止瀉薬や大正下痢止め<小児用>、新タントーゼAなどがある。
また、乳酸菌製剤のイストロン整腸錠プラスやファスコン整腸錠プラスなども、投与禁忌となっている。

このほか乳糖にも微量の牛乳蛋白質が含まれているが、アレルギー反応の報告例は、注射薬や吸入薬の使用例が多く、その数も少ない。
そのため、同ガイドラインでは、吸入薬や静注用製剤については注意を促す記載があるが、経口薬については、投与を制限していない。

牛乳アレルギーで注意すべき成分

乳幼児の食物アレルギーの原因として、鶏卵に続いて2番目に多いのが牛乳や乳製品です。
ごく微量でもアナフィラキシーを誘発することがあり、学童期に入っても耐性を獲得しない患児は少なくありません。
牛乳は特定原材料として加工食品のアレルギー表示が義務付けられていますが、名称上の「乳」という文字の有無だけでは、一概に食べられるかどうかを判断できません。
牛乳アレルギーの原因物質を含んでいるかどうかを正しく見分ける知識が不可欠です。

牛乳アレルギーの多くは、牛乳蛋白の中の「カゼイン」が原因です。
カゼインには耐熱性があり、沸騰させた程度の温度では蛋白質の構造がほとんど変化しないため、アレルギーの発症のしやすさは変わりません。
そのため、牛乳を使用して作られた焼き菓子やグラタンなどの料理も注意が必要です。
また、牛乳を発酵させた場合も要注意です。
カゼインの成分は分解されにくいため、ヨーグルトやチーズなどの加工食品もアレルギーを誘発します。
アスリート向けの食品の中には、「ホエイパウダー」や「カゼインナトリウム」など、カゼインを含んだものも売られています。
こちらも「〇〇(乳由来)」などと表示されていますが、当然注意が必要です。

牛乳から精製される「乳糖」については、基本的に心配する必要はありません。
乳糖は二糖類で蛋白質は含んでいませんが、製造過程において乳清蛋白が混入する可能性があります。
しかし、症状を誘発することはほとんどありません。
実際、乳糖を含む内服薬はたくさんありますが、日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2016」では、経口薬については、投与を制限していません。
また、食品中に使用される量もわずかなため、ほとんどの牛乳アレルギー患児は除去する必要がないとされています。
ただし、乳糖を含む注射薬や喘息治療用の吸入薬では、過去に乳糖によるアレルギーの誘発症状が確認された例が報告されています。心配な場合は医師に相談するよう伝えましょう。

誤解されやすいのが、加工食品などに利用される「乳化剤」「乳酸菌」「乳酸カルシウム」などです。
その名称から、乳製品との関連が疑われやすいのですが、牛乳とは関係ありません。

「乳化剤」は卵黄、大豆、牛脂などから作られています。
また「乳酸菌」は菌の名称であり、「乳酸カルシウム」は化合物の名称です。
一方、「全粉乳」「脱脂粉乳」「練乳」「乳酸菌飲料」「発酵乳」などの加工食品には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの患者さんは食べられません。

牛乳アレルギー

牛乳アレルギー患者では乳タンパク質のカゼインを添加物として含有する製剤に注意が必要である。
主としてタンニン酸アルブミン製剤や乳酸菌製剤が挙げられる。
経腸栄養剤や一部の制酸・緩下剤、高血圧狭心症治療剤にもカゼインが配合され、これらの医療用医薬品は牛乳アレルギー患者には投与禁忌である。
タンニン酸アルブミンや乳酸菌製剤は急性胃腸炎の腸管の透過性が亢進している状況下で使用されるため重篤なアナフィラキシーも起こり得る。
そのほか、感受性の高い患者では薬剤の賦形剤として使用されている乳糖や口腔ケアを目的に使用されるCPP-ACP(リカルデント)にも留意する必要がある。

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