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フェニルケトン尿症患者が飲んではいけない薬
公開. 更新. 投稿者:小児/先天性疾患.この記事は約1分29秒で読めます.
3,030 ビュー. カテゴリ:フェニルケトン尿症とアスパルテーム
フェニルケトン尿症という先天性の疾患があります。
食品の蛋白質に含まれている必須アミノ酸のフェニルアラニンをチロシンという別のアミノ酸に変える酵素の働きが生まれつき弱く、身体にフェニルアラニンが蓄積しチロシンが少なくなる比較的希な生まれつきの病気です。
フェニルアラニンが蓄積すると精神発達に障害をきたし、チロシンが少なくなると色素が作れなくなり髪の毛や皮膚の色は薄くなります。
また希に酵素の働きを助ける補酵素の欠乏でも同様のことが起こりますが、この場合はさらに神経の働きを伝える物質も少なくなるためより重い精神発達の障害が早期から出現します。
チロシンから誘導される甲状腺ホルモンやメラニン、カテコールアミンの不足による各症状が起こります。
具体的には、甲状腺ホルモンの不足によって原発性甲状腺機能低下症、メラニンが不足すると頭髪や皮膚の色が薄くなり、カテコールアミンが欠乏することで神経症状も呈する。
ただし、チロシンは食餌中から摂取できるためこれらの症状があらわれないこともある。
アスパルテームは、2つのアミノ酸、アスパラギン酸とフェニルアラニンを含むため、フェニルアラニンの過剰摂取の原因となります。
フェニルケトン尿症患者向けのミルク、フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」というものも存在する。
アスパルテーム含有医薬品
医薬品の中には、人工甘味料としてアスパルテームを含む医薬品は多い。
しかし、添付文書上フェニルケトン尿症に慎重投与と記載のある薬は少なくアレジオンドライシロップ、イーケプラドライシロップ、カイトリル細粒、クラバモックス小児用配合ドライシロップ、セルセプト懸濁用散、ゾフランザイディスなど。
医薬品として摂取する量であればさほど気にすることは無いのかも知れない。
しかし、先発医薬品では違う甘味料が使われていて、ジェネリックでアスパルテームが使われているということもあるので、フェニルケトン尿症の患者にジェネリックを選択する際には注意が必要である。
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