2026年1月6日更新.2,711記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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肝炎ウイルスの感染経路は?

肝炎ウイルスの感染経路を正しく理解する

肝炎ウイルスは、日常診療や服薬指導の場面で患者から質問を受けることの多いテーマです。
特に 「どうやって感染するのか」 という点は、誤解や不安が生じやすく、
薬剤師が正確な知識を持って説明できるかどうかが、患者の安心感を大きく左右します。

肝炎ウイルスの感染経路を中心に、
薬剤師として押さえておきたい医学的知識と、
患者対応で役立つ視点を整理します。

肝炎ウイルスの種類と感染経路の全体像

肝炎ウイルスは複数存在しますが、感染経路は大きく2つに分けられます。

・経口感染型
・血液・体液感染型

この分類を押さえることで、患者説明が非常に楽になります。

ウイルス主な感染経路
A型肝炎ウイルス経口感染
E型肝炎ウイルス経口感染
B型肝炎ウイルス血液・体液感染
C型肝炎ウイルス血液感染(主体)

C型肝炎ウイルス(HCV)の感染経路

基本事項
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)によって引き起こされ、
血液を介した感染が主体です。

この点が、患者説明でもっとも重要なポイントになります。

血液感染が主体である理由

HCVは、

・血中ウイルス量が多い
・体液中(唾液・精液など)のウイルス量は非常に少ない

という特徴があります。

そのため、日常生活での接触による感染は起こりにくい一方、
血液が直接体内に入る状況では感染リスクが高くなります。

主な感染経路

① 輸血・血液製剤
かつては、HCV感染の大きな原因でした。

・1989年:HCV抗体検査によるスクリーニング開始
・1999年:核酸増幅検査(NAT)導入

これにより、輸血によるHCV感染は現在では極めてまれとなっています。

患者から
「昔、輸血を受けたことがある」
という話が出た場合、年代の確認が重要です。

② 医療行為に関連する感染
過去には、
・注射針の使い回し
・不十分な滅菌操作
・鍼灸治療での複数人使用

などが感染原因となった時代がありました。

現在の日本の医療水準では、
適切な感染対策が取られていれば医療行為による感染リスクは極めて低い
と説明して問題ありません。

③ 注射器の共用(薬物乱用)
・覚醒剤などの静脈注射
・回し打ち

これは現在でも、HCV感染の重要なリスク因子です。

患者対応では、価値判断をせず
「医学的なリスク」として淡々と説明する姿勢が重要です。

④ 刺青・ピアス・民間療法
・入れ墨
・ピアスの穴あけ
・出血を伴う民間療法

器具の消毒が不十分な場合、感染リスクとなります。

性感染・母子感染について

性感染
HCVの性感染は、
・報告はある
・頻度は非常に低い
とされています。

患者説明では
「HBVと比べると、性感染はかなり起こりにくい」
という言い方が現実的です。

母子感染
・母親のウイルス量が高い場合に起こりうる
・頻度は数%程度と報告

また、出生後に自然排除される児も存在します。

C型肝炎の感染後の経過

自然排除と持続感染
HCVに感染しても、すべての人が慢性肝炎になるわけではありません。
・約30%:自然排除
・約70%:持続感染

「感染=すぐ慢性肝炎」ではない点は、患者が誤解しやすいポイントです。

慢性化後の経過
持続感染した場合、
・慢性肝炎
・肝硬変
・肝細胞がん

へと数年〜数十年かけて進行することがあります。

「10年・10年・10年」と説明されることもありますが、
個人差が非常に大きいことは必ず補足すべきです。

肝炎の病態と免疫応答

肝炎による肝細胞障害は、
ウイルスそのものが細胞を壊すわけではありません。

ウイルスに感染した肝細胞を排除しようとする
宿主の免疫応答によって起こります。

・適度な免疫応答 → 急性肝炎でウイルス排除
・過剰な免疫応答 → 劇症肝炎
・不十分な免疫応答 → 慢性肝炎

この説明は、
AST・ALT上昇の意味を説明する際にも役立ちます。

肝細胞がんとの関係

C型肝炎は、
日本における肝細胞がんの重要な原因の一つです。

近年は、
・B型肝炎
・非ウイルス性(NASHなど)

の割合も増えていますが、
HCV対策が肝がん予防に直結する点は変わりません。

薬剤師が押さえておきたい患者説明のポイント

よくある誤解①
❌「一緒に食事すると感染する?」
⭕「C型肝炎は血液を通じて感染します。
日常生活での食事や入浴でうつることはありません。」

よくある誤解②
❌「キスや会話でうつる?」
⭕「その心配はほとんどありません。」

よくある誤解③
❌「感染したら一生治らない?」
⭕「現在は治療薬の進歩で、
多くの方がウイルスを排除できます。」

薬剤師としての関わり方

・感染経路を正確に・過度に恐れさせず説明する
・「うつらない行為」「注意が必要な行為」を明確に分ける
・検査・治療につながるよう、医療機関受診を促す

肝炎は、正しい知識が差別や不安を減らす疾患です。
薬剤師がそのハブになれる領域でもあります。

まとめ

・C型肝炎は血液感染が主体
・日常生活での感染リスクは極めて低い
・感染後の経過は個人差が大きい
・肝障害の本体は免疫応答
・薬剤師の説明は患者の不安軽減に直結する

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出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
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