更新日:2017年1月9日.全記事数:3,136件.

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クラリスDSとムコダインDSを混ぜちゃダメ?


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クラリスDSとムコダインDSで苦味

クラリスDSは原薬のクラリスロマイシンに苦味があるため、製剤には口内で溶けにくく酸性環境の胃内で速やかに溶解するような工夫が加えられています。

クラリスロマイシンをpH5以下で溶解するアクリル系高分子(胃溶性高分子)の中にワックスと一緒に封じ込めて球状のマトリックスとし、これをpH6.5以下で溶解するアクリル系高分子皮膜と甘味料を加えたアルカリ性物質で二重にコーティングしています。
水に懸濁するとアルカリ性物質が溶け出て、懸濁液のpHは約10になります。
この条件下では胃溶性高分子は溶解しないため、口内での苦味は大きく抑制されます。

ムコダインDSの水溶液は酸性であり、クラリスDSと混和後のpHも高く(pH4.6)なります。

クラリスDSとムコダインDSを同時に飲んだり混ぜて飲むと、口内でクラリスロマイシンが放出され、苦味が強く発現します。
苦味を抑えるためには、ムコダインDSを服用した後にクラリスDSを服用します。
ムコダインDSを服用後に水でうがいをすると、さらに苦味が軽減されます。
クラリスDSを先に服用する場合には、水でうがいをした後ムコダインDSを服用するまでに20分以上間隔を空ける必要があります。

ほかにも、タミフルDSやアスピリンとの混和でも原薬の苦味が発現します。
オレンジジュースやスポーツドリンクなど酸性の液体とも相性が悪いです。

クラリスDSとムコダインDSの併用で苦味

カルボシステインDSを先に服用し、うがいを行い、クラリスロマイシンDSを服用した際は苦味がほとんど発現せず、服用間隔が長くなるに従い苦味は発現しなかった。

さらに、クラリスロマイシンDSを先に服用した場合も、うがいの後20分以上あければ苦味の発現はほとんど抑制され、30分以上ではほぼ完全に抑制された。

カルボシステインDSを先に服用した場合、最悪の場合細粒が舌上に残留すれば舌上のpHが低下し、後のクラリスロマイシンDSの苦みを惹起する可能性があると考えられることから、先にクラリスロマイシンDSを服用し十分な水を服用するか、うがいを行った後にカルボシステインDSを服用すれば苦味の発現はほぼ回避できると考えられる。

エリスロシンDSとムコダインDSの混合で苦味

エリスロシンDSは、わずかに特異な芳香があり、甘い味の製剤である。

服用時、水に懸濁して飲ませれば、苦みは強くならないが、酸性飲料(オレンジジュースやスポーツドリンクなど)に混ぜると、強い苦みが出現することが知られている。
このメカニズムとして、エリスロシンDSの懸濁した分散相粒子の苦味をマスクするためのコートが、酸性のものとの混合により、溶けてしまうためと考えられている。

一方、ムコダインDSは少し酸味があるものの、本剤自体の苦みは強くない。
しかし、本剤は、水に懸濁した際にpHが酸性となる(ムコダインDS0.5gを水5mLで懸濁したときのpHは4.2)。
このため、エリスロシンDSの苦味をマスクしているコートを溶かしてしまう。

したがって、ムコダインDSとエリスロシンDSが同時投与で処方された場合は、混ぜ合わせて調剤しない。

苦味の回避法

両薬剤を別包で投薬する場合には、1つの方法として患者には、エリスロシンDSを先に服用し、その後、うがいをするか、十分な水を飲用した後に、ムコダインDSを服用することで、苦味が軽減することを説明する。

小児など、うがいや水の飲用で口腔内に残った薬剤を取り除くことが難しい場合は、医師にその旨を相談し、服用のタイミングをずらすなど、処方変更を検討し、コンプライアンスよく抗生物質を服用してもらうよう配慮することが重要である。

エリスロシンDSは、原則として、水に懸濁して服用するように説明する。
さらに、服用しづらい場合も、酸性の飲料(オレンジジュースやスポーツドリンクなど)やヨーグルトに混ぜると苦味が一層増強するので、避けるように事前に説明しておく。

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