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鳥と口移ししちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分20秒で読めます.
3,991 ビュー. カテゴリ:オウム病の感染源はオウム?
オウム病という人獣共通感染症があります。
その名のとおり、オウムからうつされます。
オウム病の感染経路は主に、オウムなど愛玩用の鳥から人への気道感染である。
感染鳥は排泄物に多量の病原体を排出し、この排泄物が乾燥して生じたちりやほこりを吸い込むことで感染すると考えられている。
そのほか、口移しの給餌や鳥にかまれたことによる感染もまれに起こるとされる。
人から人へ感染することは極めて少ない。
が、オウムだけでなく、その他の鳥類、インコなどや牛、ネコなどにも感染するので、オウムを飼っていなくてもその他のペットや家畜から感染することもあります。
日本で飼われている鳥類としては、セキセイインコが最も多いので、セキセイインコからの感染が多いです。
国立感染研究所の調査によると、感染源となった鳥類の60%がオウム・インコ類で、うち約3分の1はセキセイインコであった。
国内に生息するオウム、インコ、ハトなどの鳥の5~20%が病原体を保有しているとの報告もある。
口移しで鳥にエサを与えるなどという、ムツゴロウさんばりの奇行は止めましょう。
2002年1月、松江市にある鳥と花の公園「松江フォーゲルパーク」で、来園者12人と職員5人の計17人がオウム病に集団感染するというニュースがありました。
鳥とのふれあい施設、なるものがあるようで。
動物園に行くと、結構ありますね。こういう施設。
鳥インフルエンザも流行っているので、鳥との接触には気をつけたほうがいいです。
オウム病
オウム病は、オウム病クラミジアを病原体とする人獣共通感染症である。
国内で報告されている患者数は年間20~30人ほどだが、実際には確定診断されずに非定型肺炎として治療されているケースも多いと考えられる。
1~2週間の潜伏期間を経て、急激な高熱や咳、肺炎などを起こす。
初期には悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられる。
オウム病の診断には、鳥との接触歴の聞き取りが不可欠である。
鳥を飼っていなくても、ペットショップに立ち寄ったり、公園でハトと接触したようなケースが多い。
飼育鳥が弱ったり死んでいる場合は特に可能性が高まる。
オウム病クラミジアの治療
クラミジアに対しては、細胞壁合成阻害薬であるペニシリン系やセフェム系などのβラクタミ系抗菌薬は無効である。
第一選択薬は、ミノマイシンなどのテトラサイクリン系薬で、次いでマクロライド系、ニューキノロン系などが使われる。
妊婦や小児には、副作用を考慮してマクロライド系抗菌薬が推奨されている。
一般的な市中感染の細菌性肺炎の場合は、抗菌薬の投与期間は7~10日程度だが、クラミジアでは約2週間の投与が推奨されている。
鳥を飼うと病気になる?
「鳥飼病」という、鳥を買っている人がなる病気、名前そのままの病気がある。
犬飼病や猫飼病は聞いたことは無い。
鳥を飼っているとなる病気と聞くと、オウム病クラミジアを思い浮かべるが、こちらとはまた違うようだ。
過敏性肺炎の1種であり、鳥の糞以外にも、ダウンジャケットや羽毛布団などの
羽毛製品が原因にもなる。
原因がはっきりせず「特発性間質性肺炎」や「特発性肺線維症」と診断されることも多い。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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