更新日:2016年12月31日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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心不全にβ遮断薬は禁忌?


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心不全とβ遮断薬

β遮断薬は心臓の働きを抑制します。

そのため以前は心不全にβ遮断薬を使うことは禁忌とされていました。

しかし、近年では慢性心不全に対するβ遮断薬の有効性が報告され、心不全患者の予後を改善することがわかっています。

引用:慢性心不全 Minds医療情報サービス ガイドライン β遮断薬
慢性心不全における大規模試験のエビデンスのあるβ遮断薬はカルベジロール,ビソプロロール,メトプロロールであるが,このうちカルベジロールのみがわが国では保険承認がなされている。

現在では、カルベジロール(アーチスト)だけじゃなくて、ビソプロロール(メインテート)にも慢性心不全の適応はありますが。

交感神経が副交感神経に変身する?

引用:弱った心臓をいたわり延命 “働かせ役”の神経が変身  – 47NEWS(よんななニュース)
心臓のポンプ機能が低下し心不全状態になると、心臓を刺激して働かせる交感神経が、収縮力や心拍数を低下させる副交感神経に変化し、心臓の負担を軽減して延命させているとの研究結果を、慶応大の福田恵一教授と金沢英明助教(循環器内科)らが米医学誌電子版に5日、発表した。

すごいですね、人間の体って。

ってことは、弱った心臓にβ遮断薬を使うのは、逆に良くないってことでしょうか。

心不全に交感神経系の薬を使うときは、使う量、使いどころに注意する必要がありそうです。

β遮断薬

抗不整脈薬(第Ⅱ群)

抗不整脈効果は弱いが、心筋梗塞後や慢性心不全の心機能低下例に少量から時間をかけて増量することにより心保護作用、突然死予防が期待しうる。

β遮断薬はCa流入を抑え、洞結節、房室結節の自動能を抑制し、興奮伝播を遅らせる。

カテコラミン作用による頻脈性不整脈に拮抗する。

β1選択的-非選択的、内因性刺激作用(ISA)あり-なし、α遮断作用(あるいは血管拡張作用)あり-なしなどの特性を有する。

本来徐脈作用を有することが本薬の特徴であり、この徐脈作用が期待される多くの有利な効果、たとえば、抗不整脈作用、心不全改善作用などと連動する。

また近年では頻脈が生命予後を不良にすることが一般に知られるようになり、心拍を調整しうる効圧薬として注目されている。

しかしこの心抑制作用は即、副作用(心不全、刺激電動障害など)をもたらすので細心の注意が必要である。

最も相性の良い降圧薬はジヒドロピリジン系Ca拮抗薬と利尿薬である。

しかし、JSH2009ではβ遮断薬と利尿薬はともに代謝に悪影響を有することから、この併用は強くは勧められていない。

今日では、わずかに血管拡張作用を有するβ遮断薬(カルベジロール)や、β1選択性でわずかな内因性刺激作用を有さないアテノロール、ビソプロロール、メトプロロールなどが用いられる。
いずれのβ遮断薬でも喘息や末梢動脈疾患では禁忌と考えるべきである。

・徐脈性不整脈については、本人の自己測定(家庭血圧計による心拍)により、自覚させることが大切である。β遮断薬服用により45拍/分を切れば要注意、40拍/分を切れば危険ゾーンであることを周知させる服薬指導が必要である。

・逆に少量のβ遮断薬は心不全の治療薬であることも知らせるべき大切な知識である。昨今、薬剤情報は自由に入手しうることから、心不全に対して禁忌であったβ遮断薬が心不全を有する患者に投与されることで、クレームの対象となることもあるので十分な説明が必要である。

・いくつかの禁忌症について服薬指導時に確認すべきである。

・歴史のある薬ではあるが比較的高価である。

・EDが副作用としてある。

狭心症とβ遮断薬

β遮断薬は陰性変力・変時作用により心筋酸素需要量を抑制し、抗狭心症作用を発揮する。

特に、器質性狭心症に対し有効である。

抗虚血・降圧のみでなく、抗不整脈作用も有する。

心筋梗塞症や心不全例の予後を改善するが、この場合はごく少量より導入する。

一方、冠攣縮を増悪させるとの報告もあり、使用にあたっては冠攣縮の関与について吟味し、必要に応じてCa拮抗薬を併用する必要がある。

・至適投与量は患者ごとに異なることが多く、初回投与量は常用量の数分の1程度から開始し、安静時心拍数が50~60拍/分、中等度の運動にて20%程度の心拍数増加を目安に投与量を調節する。

・喘息例では禁忌である。

・禁忌とされていた慢性閉塞性肺疾患(COPD)や閉塞性動脈硬化症に対して、β1選択性やαβ遮断薬を用いることにより、虚血性心疾患の予後を改善することが明らかなっている。

・糖尿病例でも血糖コントロール状況が良好であれば、β1選択性のものやαβ遮断薬は虚血性心疾患の予後を改善する。

・急激な中止はリバウンド現象を生ずることがあり、中止する場合には漸減する。

・β遮断薬が禁忌か不忍容で心機能が保たれており、中止する場合には漸減するジルチアゼムなどの心拍低下型Ca拮抗薬が用いられる。

・β遮断薬やジルチアゼムでは徐脈や心不全の合併に注意(特に高齢者)。

・内因性交感神経刺激作用(ISA)は部分的にβ受容体を刺激する作用で、これを有する薬物は徐脈になりにくく、徐脈傾向の症例に用いられるが、抗狭心症作用や心筋梗塞予防作用は弱い。

・手術前中止との見解もあるが、現在では周術期心血管合併症を予防することが確立しており、ハイリスク例では継続する。

・カルベジロールを除くβ遮断薬は添付文書上心不全に禁忌であるため、心不全合併狭心症例にはカルベジロールを用いる。

β遮断薬による徐脈

脈が遅くなることがあります

薬が効きすぎると、心臓の動きがゆっくりとなり、脈拍数が極端に減ることがあります。

1分間の脈拍が50回以下で、体がきつい、息切れしやすいなどの症状があるときは、必ずご連絡ください。

Ⅱ群抗不整脈薬

Ⅱ群の薬剤はβ遮断薬である。
抗不整脈効果は弱いが、心筋梗塞後や慢性心不全による心機能低下に、心保護作用、突然死予防効果などを期待して投与される。
副作用としては、血圧低下、喘息の悪化に注意が必要である。
なお、ビソプロロールは公知申請により、2011年5月に慢性心不全への適用が追加されている。

β遮断薬と心不全

β遮断薬は、陰性変力作用(心臓の収縮力を抑制する作用)を持つため、従来、心不全の患者には禁忌とされており、現在も添付文書にはそう記載されている。
しかし最近では、逆に心不全の治療薬として用いられることが少なくない。
これは、海外の大規模臨床試験において、心不全患者の予後を改善する効果が確認されたためである。

β遮断薬が心不全の予後を改善するメカニズムはよく分かっていないが、心不全患者では過剰なカテコールアミンの分泌が起こり、β1作用に基づく心筋酸素消費量の増大や心筋細胞内のカルシウム過負荷が起きることが知られておりβ遮断薬がこれらを抑制することで心筋を保護するのではないかと考えられている。

また、同薬の抗不整脈作用も寄与していると推測される。
心臓選択性の高いメトプロロール酒石酸塩を拡張型心筋症治療に使用する場合には、心機能の急激な抑制を防止するために、ごく少量から投与を開始し、経過を観察しながら漸増する。
漸増の方法は確立されていないが、例えば初期は1日2.5~5mg程度を処方し、その後、自覚症状、血圧、脈拍を観察しながら1~2週間ごとに2.5~5mgずつ増量する。
維持量は40~60mgで、高血圧症などに使用される場合の常用量(1日60~120mg)よりも少ない。

保険適応を持つのはカルベジロール、ビソプロロールフマル酸塩である。
カルベジロールが最も効果が高いと言われるが、β1選択性を持たず、肝代謝胆汁排泄型であることに注意が必要である。
メトプロロールも心不全改善効果を持つものの、心不全への投与は禁忌であり、保険適応を持たないことに注意が必要である

参考書籍:日経DIクイズ

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