2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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2品目目の覚せい剤原料?

ビバンセカプセル

覚せい剤原料といえば、エフピーOD錠(セレギリン塩酸塩)である。

エフピーのみである。エフピーのために帳簿を付けている。

のだが、新たに覚せい剤原料が追加になるようだ。2品目目の覚せい剤原料である。

ビバンセカプセル(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)ドパミンとノルアドレナリンの遊離促進・再取り込み阻害薬。

効能効果は小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)。6歳~17歳の患者が対象となる。神経伝達物質の働きを強めることにより、AD/HDの諸症状を改善すると考えられている。

警告には以下の記載がみられる。

1. 本剤の投与は,注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断,治療に精通し,かつ薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる,処方登録システムに登録された医師のいる医療機関及び薬剤師のいる薬局において,登録患者に対してのみ行うこと。また,それら薬局においては,調剤前に当該医師・医療機関・患者が登録されていることを確認した上で調剤を行うこと。

2. 本剤の投与にあたっては,患者又は代諾者に対して,本剤の有効性,安全性,及び目的以外への使用や他人へ譲渡しないことを文書によって説明し,文書で同意を取得すること。

同じ覚せい剤原料といっても、エフピーよりもかなり厳しい流通管理。当たり前か。エフピーよりもリタリンに近い流通管理。

そもそも覚せい剤に近いリタリンが覚せい剤原料に指定されていないという不思議。

発売後しばらくは第一選択薬としては使えず、コンサータやストラテラが効かない場合に処方されるようだ。とにかく、返品不可の面倒な薬が増えたということだ。

覚せい剤原料とは?

覚せい剤原料といえば、エフピー錠。
セレギリン。
それしか知らない。

覚せい剤といえば、ヒロポン。
それしか知らない。

法律ではどのように記載されているのか。

第二条  この法律で「覚せい剤」とは、左に掲げる物をいう。
一  フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
二  前号に掲げる物と同種の覚せい作用を有する物であつて政令で指定するもの
三  前二号に掲げる物のいずれかを含有する物 覚せい剤取締法

覚せい剤とは、メタンフェタミンとアンフェタミン。

5  この法律で「覚せい剤原料」とは、別表に掲げる物をいう。
一 一―フエニル―二―メチルアミノプロパノール―一、その塩類及びこれらのいずれかを含有する物。ただし、一―フエニル―二―メチルアミノプロパノール―一として一〇%以下を含有する物を除く。
二一―フエニル―一―クロロ―二―メチルアミノプロパン、その塩類及びこれらのいずれかを含有する物
三 一―フエニル―二―ジメチルアミノプロパノール―一、その塩類及びこれらのいずれかを含有する物。ただし、一―フエニル―二―ジメチルアミノプロパノール―一として一〇%以下を含有する物を除く。
四 一―フエニル―一―クロロ―二―ジメチルアミノプロパン、その塩類及びこれらのいずれかを含有する物
五 一―フエニル―二―ジメチルアミノプロパン、その塩類及びこれらのいずれかを含有する物
六 フエニル醋酸、その塩類及びこれらのいずれかを含有する物。ただしフエニル醋酸として一〇%以下を含有する物を除く。
七 フエニルアセトアセトニトリル及びこれを含有する物
八 フエニルアセトン及びこれを含有する物
九 覚せい剤の原料となる物であつて政令で定めるもの

どれがセレギリンだろう。

一―フエニル―二―メチルアミノプロパノールってのは、エフェドリン。

一―フエニル―二―ジメチルアミノプロパノールってのは、メチルエフェドリン。

セレギリンは、N・α-ジメチル-N-2-プロピニルフェネチルアミンで、政令で指定されている模様。

セレギリンは体内で代謝されて、メタンフェタミンやアンフェタミンになるという。

痛みと鎮痛の基礎知識 – Pain Relief ードーパミン受容体関連薬
セレギリンは体内で代謝されて、アンフェタミン、メタンフェタミンとなるが、代謝物の効果は全く出ないことが判明している。

セレギリンの代謝産物はL体でL-アンフェタミン、L-メタンフェタミン。

L体の効果はd体の1/10とか。

エフピー錠を飲んでいる患者さんが心配したら、ここらへんの話を。

覚せい剤原料を指定する政令第2号に指定の、覚せい剤原料であるエリトロ-2-アミノ-1-フェニルプロパン-1-オール(慣用名:フェニルプロパノールアミン)を含有する医薬品が販売されているが、いずれも含有量が50%以下であるため、覚せい剤原料から除外。http–www.pref.yamaguchi.lg.jp-cms-a15400-mayaku-20070507001-apd1_9_2007021203133300.pdf

フェニルプロパノールアミンも覚せい剤原料。

リタリン(メチルフェニデート)もメタンフェタミンやアンフェタミンみたいな構造で中枢神経興奮作用がありますが、第一種向精神薬。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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