2025年9月16日更新.2,625記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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エフピー錠の処方日数制限は?

覚せい剤原料の処方日数制限

今まで何度も「えーっと、どうだったっけ?」と添付文書を確認してしまうことに、覚せい剤原料(エフピー)に処方日数制限はあったか?ということがあります。(ちなみに、添付文書に書かれていなくても、処方日数制限がある薬はあるので添付文書の確認だけでは不十分です)

覚せい剤原料は、廃棄や譲渡・譲受に関する規制の厳しさから、麻薬や向精神薬と同様の処方日数制限が設けられていると思いがちですが、エフピー錠に関して処方日数制限はありません。

投与期限医薬品名一般名分類
14日アブストラル舌下錠フェンタニルクエン酸塩麻薬
アヘンチンキアヘン麻薬
アヘン末/散アヘン麻薬
イーフェンバッカル錠フェンタニルクエン酸塩麻薬
イソミタール原末アモバルビタール第2種向精神薬
サノレックス錠マジンドール第3種向精神薬
ソセゴン錠塩酸ペンタゾシン第2種向精神薬
ダイアップ坐剤ジアゼパム第3種向精神薬
ドーフル散アヘン・トコン麻薬
ノルスパンテープブプレノルフェン第2種向精神薬
パンオピンアヘンアルカロイド塩酸塩麻薬
メサペイン錠メサドン塩酸塩麻薬
メテバニール錠オキシメテバノール麻薬
メンドンカプセルクロラゼプ酸二カリウム第3種向精神薬
ラボナ錠ペントバルビタールカルシウム第2種向精神薬
ルピアール坐剤フェノバルビタールナトリウム第3種向精神薬
レペタン坐剤ブプレノルフィン塩酸塩第2種向精神薬
ワコビタール坐剤フェノバルビタールナトリウム第3種向精神薬
30日MSコンチン錠モルヒネ硫酸塩水和物麻薬
アモバン錠ゾピクロン第3種向精神薬
アンペック坐剤モルヒネ硫酸塩水和物麻薬
エバミール錠ロルメタゼパム第3種向精神薬
エリスパン錠フルジアゼパム第3種向精神薬
オキシコンチンTR錠オキシコドン塩酸塩水和物麻薬
オキノーム散オキシコドン塩酸塩水和物麻薬
オプソ内服液モルヒネ硫酸塩水和物麻薬
コデインリン酸塩酸10%(1%除く)/錠20㎎(5㎎除く)/原末コデインリン酸塩麻薬
コンサータ錠メチルフェニデート塩酸塩第1種向精神薬
コンスタン錠アルプラゾラム第3種向精神薬
コントール錠/散クロルジアゼポキシド第3種向精神薬
サイレース錠フルニトラゼパム第2種向精神薬
ジヒドロコデインリン酸塩散10%(1%除く)/原末ジヒドロコデインリン酸塩麻薬
セパゾン錠/散クロキサゾラム第3種向精神薬
セレナール錠/散オキサゾラム第3種向精神薬
ソメリン細粒/錠ハロキサゾラム第3種向精神薬
ソラナックス錠アルプラゾラム第3種向精神薬
タペンタ錠タペンタドール塩酸塩麻薬
ダルメートカプセルフルラゼパム塩酸塩第3種向精神薬
デパス錠/細粒エチゾラム第3種向精神薬
デュロテップMTパッチフェンタニル麻薬
ドラール錠クアゼパム第3種向精神薬
トランコロンP配合錠メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール第3種向精神薬
ナルサス錠ヒドロモルフォン塩酸塩麻薬
ナルラピド錠ヒドロモルフォン塩酸塩麻薬
パシーフカプセルモルヒネ塩酸塩水和物麻薬
バランス錠/散クロルジアゼポキシド第3種向精神薬
ハルシオン錠トリアゾラム第3種向精神薬
ビバンセカプセルリスデキサンフェタミンメシル酸塩覚醒剤原料
フェントステープフェンタニルクエン酸塩麻薬
ベタナミン錠ペモリン第3種向精神薬
マイスリー錠ゾルピデム酒石酸塩第3種向精神薬
メイラックス錠/細粒ロフラゼプ酸エチル第3種向精神薬
モディオダール錠モダフィニル第1種向精神薬
モルヒネ塩酸塩錠/原末モルヒネ塩酸塩水和物麻薬
モルペス細粒モルヒネ硫酸塩水和物麻薬
ユーロジン錠/散エスタゾラム第3種向精神薬
ラフェンタテープフェンタニル麻薬
リーゼ錠/顆粒クロチアゼパム第3種向精神薬
リタリン錠メチルフェニデート塩酸塩第1種向精神薬
レキソタン錠/細粒ブロマゼパム第3種向精神薬
レスミット錠メダゼパム第3種向精神薬
レンドルミンD錠ブロチゾラム第3種向精神薬
ロラメット錠ロルメタゼパム第3種向精神薬
ワイパックス錠ロラゼパム第3種向精神薬
ワンデュロパッチフェンタニル麻薬
90日セルシン散/錠/シロップジアゼパム第3種向精神薬
ネルボン錠/散ニトラゼパム第3種向精神薬
ヒダントールD・E・F配合錠フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン第3種向精神薬
フェノバール散/エリキシル/原末/錠フェノバルビタール第3種向精神薬
複合アレビアチン配合錠フェニトイン・フェノバルビタール第3種向精神薬
ベンザリン細粒/錠ニトラゼパム第3種向精神薬
ホリゾン散/錠ジアゼパム第3種向精神薬
マイスタン細粒/錠クロバザム第3種向精神薬
ランドセン細粒/錠クロナゼパム第3種向精神薬
リボトリール錠/細粒クロナゼパム第3種向精神薬

エフピー以外で、処方日数制限の設けられていない意外な薬としては、
抗不安薬:セディール、メレックス、レスタス
睡眠薬:ベルソムラ、リスミー、ルネスタ、ロゼレム
鎮痛薬:リン酸コデイン1%散、トラマール、トラムセット

疑わしきは調べてから投薬です。

ビバンセの処方日数制限

覚醒剤原料に指定されているADHD治療薬「ビバンセカプセル」が2020年6月で薬価収載後1年を経過するため、長期処方が解除となりますが、処方日数制限が1回30日分となりました。

薬物依存のリスクがあるため、一定の日数制限を設けることが適切だと判断されたようです。
また、ADHDの適応を有する向精神薬・コンサータ錠(メチルフェニデート)の投与日数上限が30日であることも踏まえて対応が決められた。

覚醒剤については現行ルールでは処方日数の上限が薬機法上に明確に定められていないが、中医協総会では「麻薬や向精神薬と同様に、覚醒剤についてもルールとして明確化することを検討すべきだ」と指摘され、厚労省側も検討する姿勢を示したとのことなので、今後エフピー錠の長期処方についても制限がかけられる可能性があります。

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