更新日:2017年1月22日.全記事数:3,117件.

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アスピリンの至適用量は?


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アスピリンの用量は?

低用量のアスピリンは抗血小板作用を有するので、心筋梗塞の再発予防などに使われます。

日本ではアスピリン81mgを含むバファリンと100mgを含むバイアスピリンが使われることが多いです。

バファリンの1日最大投与量は324mgで、バイアスピリンは300mgとなっています。

抗血栓作用を目的として使うアスピリンはどのくらいの量がベストなのでしょうか?

75mg/日未満では効果は低いようです。
75~160mg/日よりも160~325mg/日のほうが出血率が高い。

出血率が高いということは、よく効いているとも思えます。

長期的に飲まないといけない薬なので、出血や消化管障害などの副作用も考慮するとなるべく低用量で投与したいと考えると、やはり100mg程度がベストなのでしょう。

アスピリンの至適用量はどのくらい?

核を持たない血小板ではCOXの再合成は行われず、アスピリンによる抗血小板作用は不可逆的となる。
従って、抗血小板作用は血小板の寿命(7~10日)の間、持続する。

これに対し、血管内皮細胞ではCOXの再合成が行われるため、アスピリンによる血液凝固作用は可逆的となる。
このCOXの再合成は、アスピリンの投与量が少ないほど早く回復することが知られている。
従って、抗血小板薬としてのアスピリンは、低用量が適している。

「低用量アスピリン」の用量は、文献によって40~330mg/日と幅が広い。
アスピリンによるTXA2産生阻害はおよそ10mg/日以上で表れ、160mg/日でプラトーに達する。
一方、胃粘膜でのプロスタグランジン合成阻害による胃毒性は、およそ100mg/日以上で表れ始めるとの報告もある。

また、抗血小板薬として用いられるバファリン配合錠A81のインタビューフォームによると、アスピリンジレンマを回避するアスピリンの至適用量は40~80mgと報告されている。
さらに、TXA2の代謝物量を抑制し、かつPGI2代謝物量に影響の少ないアスピリンの至適用量は、個人差も考慮し40~320mg/日が適当であるとの記載がある。

これらを考慮した結果、国内では抗血小板薬として81mgまたは100mg錠が主に用いられている。
ただし至適用量に関しては、いまだ不明な点も多い。

高用量アスピリンで血液凝固する?

アスピリンは、アラキドン酸代謝の過程において、シク囗オキシゲナーゼ(COX)をアセチル化し、COX活性を不可逆的に抑制する。
それにより、血小板では、血小板凝集作用を持つトロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制し、抗血小板作用を発揮する。

一方、血管内皮細胞では、血小板凝集抑制作用を持つプロスタグランジンI2(PGI2)の産生を抑制し、血液凝固作用を発揮する。
このように、アスピリンが相反する作用をもたらすことを、アスピリンジレンマと呼ぶ。

高用量のアスピリンによる血液凝固作用が、臨床的な影響を及ぼすかといえば、そうとは限らない。
抗血小板療法のランダム化比較試験のメタ解析の結果、アスピリンの高用量群(500~1500mg) 、中等量群(160~325mg) 、低用量群(75 ~150mg) の間で、脳卒中や心筋梗塞、血管死といった心血管イベントの低減効果に有意差はなかったことが報告されている。

この結果からは、500mg/日以上の高用量でも抗血小板作用は維持されることがうかがえる。
つまり、アスピリンの抗血小板作用は用量を増やすと消失するわけではなく、増強しなくなると考えるべきだろう。

参考書籍:日経DI2014.3

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