2018年12月14日更新.3,343記事.5,772,518文字.

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顔面麻痺の原因はヘルペスウイルス?

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顔面麻痺

原因不明の顔面神経麻痺を「ベル麻痺」といいますが、この原因はヘルペスウイルスと言われています。
単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルスが三叉神経・顔面神経で再活性化し、神経を圧迫するために起こります。

同じように顔面神経麻痺を引き起こす「ラムゼイ・ハント症候群」も、過去に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが顔面神経や前庭蝸牛神経で再活性化して、顔面神経麻痺やめまいを引き起こすと考えられています。

顔面神経麻痺はその原因から、中枢性と末梢性に分類され、外来受診の多くは末梢性である。
中枢性顔面神経麻痺は脳血管障害によるものが多く、顔面と同側の片麻痺の併発などにより鑑別される。

末梢性顔面神経麻痺のうち最も多いのがベル麻痺で、一側顔面神経の60~75%を占める。
ベル麻痺に次いで頻度が高いのがラムゼイ・ハント症候群(ハント症候群)で、10~15%を占める。
ハント症候群の原因は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)とされ、ベル麻痺と似た所見を示す一方で、耳介の帯状疱疹や聴力低下、めまいなどを併発する特徴がある。

末梢性顔面神経麻痺の原因としては他に、顔面神経経路の腫瘍や外傷、中耳炎などがある。

ベル麻痺とバルトレックス

ベル麻痺には、顔面神経の膝神経節に潜伏感染していた単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)が関与している。
HSV-1は、口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因になるウイルスで、顔面神経に潜伏感染していたHSV-1が疲労やストレスなど、免疫の低下をきっかけに再活性化し、神経の炎症を引き起こす。
寒冷や抜歯などの何らかの刺激やストレスによりHSV1が再活性化すると、ウイルス性の神経炎が生じ、神経炎により生じる浮腫により、神経軸索を包んで神経突起を保護したり、電気的情報伝達をスムーズに行ったりする髄鞘が壊れて(脱髄)、麻痺がおこる。

ベル麻痺の治療としては、神経浮腫や神経内圧の軽減、二次的に得られる血流改善を目的としたステロイドの使用が推奨されている。
HSV1に対する抗ウイルス効果を目的として、バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス)が適応外で使用されている。
バラシクロビル塩酸塩を投与する場合、ベル麻痺は1000㎎/日、ハント症候群は3000㎎/日が処方されることが多い。
その他、損傷した神経の回復を期待してメコバラミン(メチコバール)を併用したり、麻痺に伴う閉眼困難がある場合はヒアルロン酸ナトリウム点眼液(ヒアルレイン)なども使用する。

ハント症候群

顔面神経膝神経節に潜伏感染したVZVが、宿主であるヒトの細胞性免疫能の低下などを契機に再活性化したものである。
再活性化したVZVは中間神経の知覚線維を下向性に移動して、主に耳介、外耳道に皮疹(疱疹)を形成するとともに、顔面神経管内で顔面神経運動枝を高率に障害する(同側末梢性顔面神経麻痺)。

また、VZVが内耳道部の顔面神経と内耳神経を障害することで、内耳神経症状(眩暈、耳鳴、難聴など)が発症する。
上記症状以外にも、神経の障害される部位により、後述するような顔面神経麻痺に特有な症状が発症する。

ハント症候群には、疱疹が顔面神経麻痺より遅れて発現するものもあり、治療に際して注意を要する。

参考書籍:日経DI2008.9、日経DI2012.4、日経DI2017.1

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