2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
ACE阻害薬

この薬は血管を収縮させる物質(アンジオテンシンⅡ)を生成する酵素(アンジオテンシン変換酵素)の働きを抑えて、アンジオテンシンⅡの産生を抑えて、末梢の血管を拡げて血圧を下げる薬です。

心臓に問題がある人に大して、最初にエビデンスが出てきたのがACE阻害薬です。
ACEを阻害することでアンジオテンシンⅡの産生を抑制するとともに、生理活性物質のブラジキニンの分解を抑制してNOの放出を促し、心血管を保護する作用があります。
また、降圧による臓器血流の減少が起こりにくい、腎保護作用がある、起立性低血圧を起こしにくいなどの特徴があります。

ACE阻害薬の作用が強力な半面、副作用(有害事象)もいろいろあります。代表的なのが空咳です。ブラジキニンはACEによって分解されますが、ACE阻害薬によって分解を抑制され、その結果蓄積が起こり、気道にある受容体を刺激して空咳を起こすと考えられています。
空咳が出るのは、服用後1~2か月後が多いですが、1~2年後に出てくることもあります。
風邪と勘違いしている人もいるので、空咳が長引くときは主治医に相談したほうがよいでしょう。
空咳以外にも浮腫、発疹、味覚障害が出現することがあります。また、腎機能障害がある人ではさらに悪化させることがあるので、用量の調節が必要になります。

投与対象としては、高血圧がある比較的若年層(50~60歳代前半)で、他の臓器の障害がほとんどみられないような人。血圧のコントロールに難渋していたような人でも、ACE阻害薬を使って血圧をコントロールすることで予後がよくなり、心疾患や腎疾患が起こりにくいようになります。