2019年2月19日更新.3,370記事.5,917,338文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。
シックデイ

糖尿病患者が、感染症や消化器疾患、外傷、ストレスなどにより体調を崩したり、食欲不振のため食事ができないときをシックデイという。
このような状態では、血糖コントロールが乱れやすい。
高血糖と脱水が持続すると、1型糖尿病では糖尿病ケトアシドーシス、2型糖尿病では高浸透圧高血糖症候群を引き起こす。
こうした危険を避けるため、あらかじめシックデイ対応の原則に基づき、患者や家族への指導を徹底しておく。

シックデイとは糖尿病患者が発熱や下痢、嘔吐など、糖尿病以外の体調不良により、普段通りの生活ができなくなることで血糖コントロールが難しくなった状態をいう。
具体的には、感染症や消化器疾患、外傷やストレスなどを併発することで起きる。
単に食欲低下により食事が摂れなくなるばかりではなく、侵襲により神経系、免疫系、内分泌系が相互に作用してストレス性高血糖が誘導される。
その3大要因はインスリン分泌低下、インスリン抵抗性の増大、糖新生とグリコーゲン分解の亢進である。
侵襲下では全身性のストレス反応が起き、高侵襲性のホルモンであるアドレナリン、ノルアドレナリン、グルカゴン、糖質コルチコイド、成長ホルモンが分泌され、これらはすべて血糖を上昇させる方へ働く。
また、侵襲下では膵臓β細胞からのインスリン分泌は低下する。

それだけではなく、IL-1,IL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカインがインスリン受容体の感受性を低下させることで、肝臓や骨格筋での糖取り込みが低下し、インスリン抵抗性は増加する。
このような機序により、食欲不振のため食事摂取量が低下しても、血糖は上昇していることが多い。
また、インスリンやSU薬を使用している患者の場合、食欲不振により低血糖がもたらされることもあり得る。