記事
一包化加算と計量混合加算は同時に算定できない?
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約3分33秒で読めます.
16,512 ビュー. カテゴリ:一包化加算と計量混合加算
一包化加算を算定した剤については、自家製剤加算や計量混合調剤加算は算定できない。
しかし、一包化加算を算定していない剤(軟膏の混合など)に対して一包化加算を算定することはできます。
Q.一包化加算を算定した場合、自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できないとされているが、一包化加算の算定と無関係の剤について自家製剤加算又は計量混合調剤加算を算定すること(例えば、以下の処方において、処方1 又は処方2 で一包化加算、処方3 で計量混合調剤加算を算定すること)は可能か。
処方1 A錠、B錠1 日3 回毎食後× 14 日分
処方2 C錠、D錠1 日2 回朝夕食後× 14 日分
処方3 E散、F散1 日1 回就寝前× 14 日分
A.算定可能。
自家製剤加算及び計量混合調剤加算は、原則として1 調剤行為に対して算定する。
質問の例は、処方1 と処方2 で一包化加算の算定要件を満たしており、処方1 又は処方2 のいずれかで一包化加算を算定することになるが、処方3は、一包化加算の算定対象となる処方1 及び処方2 のいずれとも服用時点の重複がなく、一包化加算の算定対象とならないことから、処方3 について計量混合調剤加算の算定が可能である。
Q.一包化加算を算定した場合、自家製剤加算及び計量混合加算は「算定できない」とされているが、この要件は内服用固形剤のみ(一包化加算の算定対象とならない部分を除く)に適用されるものと理解してよいか。
A.その通り。
一包化加算と嚥下困難者用製剤加算
Q.嚥下困難者用製剤加算を算定した場合、一包化加算は算定できないとされているが、以下のような服用時点の重複のない2 つの処方について、処方せんの指示により、嚥下困難者のために錠剤を粉砕し、服用時点ごとに一包化した場合、処方1 で一包化加算、処方2 で嚥下困難者用製剤加算を算定することは可能か。
処方1 A錠、B錠、C錠1 日3 回毎食後× 14 日分
処方2 D錠、E錠、F錠1 日1 回就寝前× 14 日分
A.算定不可。
一包化加算と嚥下困難者用製剤加算は、いずれも原則として処方せん中のすべての内服薬について一包化又は剤形の加工を行うことを前提とし、当該技術全体を評価したものであり、処方せん受付1 回につき1 回の算定としている。
したがって、2 つの処方における服用時点の重複の有無にかかわらず、1 枚の処方せんについて、一包化加算と嚥下困難者用製剤加算はいずれか一方しか算定できない
自家製剤加算と計量混合調剤加算の違いは?
Q.自家製剤加算と計量混合調剤加算の違いについて教えてください。
A.平成14年4月の改定により、自家製剤加算と計量混合調剤加算は従来の考え方が整理され、技術的に難易度の高い製剤行為は自家製剤加算として、それ以外の製剤行為は計量混合調剤加算として評価され、よりメリハリのある報酬体系となるよう見直しが図られています。
自家製剤加算の基本的な考え方としては、①錠剤を粉砕→散剤、②主薬を溶解→点眼剤(無菌精製)、③主薬に基剤→坐剤などのように、製剤行為の結果、原則として剤形が変化したものが該当し、それ以外の基本的に剤形が変化しないものは計量混合加算となります。
1調剤につき算定可能
自家製剤加算も計量混合加算も「1調剤につき」算定できるので、例えば、
マイザー軟膏+ヒルドイドソフト軟膏、アンテベート軟膏+ヒルドイドソフト軟膏と2種類の混合があった場合には、それぞれで算定できます。
参考書籍:保険調剤Q&A平成22年版
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
4 件のコメント
一包化加算について教えて下さい。
A錠 朝食後 90日分
B錠 朝食後 90日分
C錠 朝食後 90日分
D錠 朝・夕食後 90日分
E錠 夕食後 90日分
A・B・C錠を一包化
D・E錠をヒート調剤した場合は
一包化加算は算定可能ですか?
算定要件を朝食後3つで満たしているからと解釈できますがあくまで服用時点ごとに一包化しないとNGと私は解釈しているのですが・・・
コメントありがとうございます。
通常NGですね。
ただし、一包化しない正当な理由があれば可能かと思われます。
yakuzaic先生
いつも迅速な返信ありがとうございます。
マグミットをヒート調剤の場合は私は
マグミット以外で一包化加算の算定要件が成立する場合は
マグミットをヒート(剤は一包化したものと重なる)でも一包化加算算定しますが厳密にはNGと解釈していますか?ヒート品は吸湿性だけ認められているので悩ましいです。
コメントありがとうございます。
正直、薬歴に記載さえされていなければ、ヒートで出したか一緒に分包したかというのは、査定や個別指導ではわからないので、一包化加算算定している薬局も多いと思います。
ただ、うちの薬局の事務さんは真面目なので、厳密な調剤報酬の解釈で、そのような場合には算定していません。
しかし、算定要件を満たしていると考えらえれる調剤上の工夫を行っている場合には、算定します。
例えば、飲み忘れ防止目的であれば、マグミットを個別の分包紙にセロテープやホチキスで止めた場合、指の力が弱くヒートから取り出すことが困難なのであれば、マグミットのみを別に分包した場合、などであれば算定可能かと思われます。まあ、その作業にしても指導時に説明できれば、「薬歴に記載しておくように」と指摘されるだけで減点までいかないんじゃないかなあ。。。というのは私の楽観的観測ですのであしからず