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吸入ステロイドで肺炎になる?
公開. 更新. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約2分17秒で読めます.
2,530 ビュー. カテゴリ:吸入ステロイドと風邪
ステロイドには免疫抑制作用がある。
そのため、風邪をひきやすくなるということは考えられる。
投薬時に「風邪に注意してください」ということは一般的な注意事項として患者に伝える。
しかし、長期間大量に服用するのでなければ、さほど風邪をひきやすくなる、あるいは風邪症状を悪化させるということはみられない。
むしろ咽頭痛など炎症が強い場合には、ステロイドを投与したりもする。
風邪をひいたときには、体内から多くのステロイドホルモンが分泌される。
風邪をひいたときに、ステロイドは必要な物質なのです。
体にアクセルだけをかけても負担がかかりすぎ消耗していく。ブレーキもかけて、バランスをとらなければならない。
風邪の時に吸入ステロイド薬を使い続けてもいいのでしょうか。
風邪の時に吸入ステロイド薬を使っても全く問題はありません。ステロイドを吸入していると風邪を引きやすくなるかとか気管支炎を起こしやすくなるかという質問をよく受けますが、今は否定されています。風邪の時に吸入ステロイド薬を止めると喘息が悪くなる可能性が高いので使い続けてください。
アレルギー情報センター Q&A 喘息
こういう質問もよく受け付ける。
理屈ではステロイドによって風邪をひきやすくなるのだろう。理屈っぽい患者さんは納得しなかったりする。
しかし、統計上そのような差はみられないので、恐らく市販されている吸入ステロイドの用量では、そこまでのリスクがないということだろう。
COPDに吸入ステロイドは効かない?
吸入ステロイドにCOPDの適応はありませんが、COPDのガイドラインでは吸入ステロイドの使用も推奨されています。
COPDの患者に吸入ステロイドを使い続けると、肺炎になりやすくなるという話も。
吸入ステロイド剤は、現時点ではCOPDに適応はないが、ガイドラインでは、Ⅲ度以上で増悪を繰り返す患者に使用を推奨している。
高用量の吸入ステロイド剤は、急性増悪の頻度を低下させ、QOLを改善するからである。
ただしガイドラインでは、高用量の吸入ステロイド剤を長期使用すると、肺炎が増加する可能性があるとしている。
COPDにおいては抗コリン薬の有効性が高いことはエビデンスとして認められています。一方でICSの使用が比較的重症で増悪頻回例に限定されているのは、これまでのICS単剤投与試験でのメタ解析の結果から、ICSは軽症での増悪を抑制せず、重症以上でしか有用性がないことが示されていたためです。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療と管理 ─新しいガイドラインとICS-LABA配合薬の位置づけ─
らしい。
短時間作用型気管支拡張剤しか処方されない患者さんがいたら、気管支喘息ではなくCOPDかも知れません。
吸入ステロイド
喘息の基本的な病態が気道炎症であることが明らかとなったため、最も抗炎症作用の強いステロイドを喘息治療に積極的に使うようになった。
また、経口ステロイドに比べて副作用がはるかに少ない吸入ステロイドの有効性が明らかになったことも、喘息にステロイドを積極的に用いるようになった理由の一つである。
吸入ステロイドは喘息の薬物療法の中で最も重要な地位を占める。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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