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オキシコンチン錠とオキノーム散の違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約2分8秒で読めます.
8,343 ビュー. カテゴリ:オキシコンチンとオキノーム
オキシコンチンもオキノームも、成分は同じオキシコドンという麻薬性鎮痛薬です。
オキシコンチン錠は徐放製剤で持続性の効果を期待して処方される。
1時間以内に効きはじめ、約12時間持続する。
なので、オキシコンチンの用法としては「朝夕食後」という用法よりも「1日2回12時間毎」という用法をよくみかける。
添付文書上も、
本剤の投与開始前のオピオイド系鎮痛薬による治療の有無を考慮して,1日投与量を決め,2分割して12時間ごとに投与すること。
という記載があった1)。
オキノーム散は速放性で15分以内に効いてくる。
俗に言うレスキューと言われる類の薬。
しかし添付文書上の用法では、
1日量を4分割して使用する場合には,6時間ごとの定時に経口投与すること。
という用法もあり、定時薬としても利用は可能である2)。
オキシコドンの構造式をみると、ほぼモルヒネに近い。
しかし、モルヒネよりも副作用が少ない。
レスキューとして用いられるオキノーム散の量は、定時薬のオキシコンチン錠の1日量の1/8~1/4と言われている。
オキシコンチン錠5mgなら1日量10mgになるので、オキノーム散2.5mgかな。
オキシコンチン錠10mgなら、オキノーム散2.5mgか5mg。
オキシコンチン錠20mgなら、オキノーム散5mgか10mg。
オキシコンチン錠40mgなら、オキノーム散10mgか20mg。
という大体のイメージ。
オキノーム散のジェネリック
オキシコンチンが徐放性製剤で、オキノームが速放性製剤。と覚えている。
オキシコンチンTR錠を1日2回使っている患者に、レスキューでオキノーム散を使うというスタンダード。
がしかし、各々のジェネリックが発売されて、一般名の「オキシコドン」が商品名となっているため、混乱する。
麻薬にもジェネリックの波が押し寄せてきており、処方自体がジェネリックということも珍しくない。
そして、薬局に返品不可能な麻薬の不動在庫が溜まっていくという昨今。
オキシコンチンTR錠のジェネリックに、オキシコドン徐放錠5mgNX「第一三共」 があり、即放性製剤であるオキノーム散のジェネリックに、オキシコドン錠2.5㎎NX「第一三共」がある。
散剤のジェネリックが錠剤だと、とてもわかりづらい。
NX(ナロキソン)は乱用防止を目的とした麻薬拮抗剤ですが、オキノーム散には当然配合されてはいない。
TR錠みたいに、乱用防止のために固くした製剤なら錠剤にするしかないだろうけど、ナロキソン配合するだけなら、オキノーム散と同じように散剤のジェネリックを作ることもできたのではないだろうか。
粉の方が早く効きそうな気もするし。
しかし乱用防止製剤が主流となってきた今、オキノーム散の販売中止も近いうちにくるのだろうか。
調剤ミスしないように気をつけましょう。
参考文献
1)オキシコンチン錠 添付文書
2)オキノーム散 添付文書
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