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カルタン錠と炭カル錠の違いは?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約2分20秒で読めます.
8,716 ビュー. カテゴリ:リン吸着剤の種類
透析患者に使われるリン吸着剤について。
透析って苦手な領域。
カルタンとかホスレノール、キックリン、フォスブロック、レナジェル。
微妙に適応症が違う。
カルタン:保存期及び透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善
ホスレノール:慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
キックリン:透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善
フォスブロック・レナジェル:透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善
カルタンの適応にある「保存期」とは尿毒症の症状は出ているが透析導入前の状態。
カルタン、ホスレノールの場合は、透析をしていない可能性もある。
カルタンも炭カルも沈降炭酸カルシウム
リン吸着剤の中の、カルタン錠の成分は沈降炭酸カルシウムです。
同じ成分の薬に、炭カル錠というのがあります。
炭カル錠もカルタン錠も用量は大して変わらない。
しかし、適応症は、カルタンが、
下記患者における高リン血症の改善
保存期及び透析中の慢性腎不全患者
であるのに対して、炭カル錠は、
下記疾患における制酸作用と症状の改善
胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
沈降炭酸カルシウムは市販のキャベジンなんかにも含まれている制酸剤。
炭カル錠のほうの慎重投与に「腎障害」ってのがあります。
同じ成分で、腎障害に使う薬と腎障害に注意する薬と、逆の書き方になっちゃうのね。
腎障害のある患者[排泄障害により副作用があらわれることがある。]
カルシウムによる便秘には注意ですね。カルタンでも。
2014.3時点での薬価は、炭カル錠500mg「旭化成」が5.7円で、カルタン錠500が6.3円。ちょっと高い。
同じ成分で適応症が違う。
そういう薬はたまにあります。
しかし、一般名処方を普及させようというこの時代に、こういう薬は迷惑千万。
カルタン錠のほうは、(般)沈降炭酸カルシウム(高リン血症用)みたいな書き方らしい。
カルタンのジェネリックは、沈降炭酸カルシウム錠「三和」とかカルタレチン錠とか。
炭カル錠となっているものには、変更できない。
同じ成分だからといって変えてしまうと思わぬ落とし穴があります。
カルタンOD錠500mg 6錠
1日3回毎食直後 30日分
毎食直後の薬は、とくに働いていたり外出していることの多い「昼食直後」の飲み忘れに注意が必要です。
カルタンと胃薬を併用しちゃダメ?
リン吸着薬の炭酸Ca(カルタン錠)は、胃酸により分解されCaイオンになりリンを吸着しますが、胃酸分泌抑制剤が併用されると、酸性度が低くなり炭酸Caが分解されにくくなって吸着効果が弱まり血清リンの値が下がりにくいことがあります。
カルタンの添付文書には酸分泌抑制薬との相互作用に関する記載はありませんが、胃切除後の透析患者における無効例の報告もあることから、併用は避けるべきと考えられます。
カルタンの作用機序
消化管内で食物由来のリン酸イオンと結合して難溶性のリン酸Caを形成し、腸管からのPの吸収を抑制することにより、血中P濃度を低減させる。
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