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食事しなけりゃ飲む必要の無い薬
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約2分36秒で読めます.
10,981 ビュー. カテゴリ:食事と薬
例えば、「1日3回食後」と指示されている薬について、「食事しないときは飲まないほうがいいの?」と聞かれることは多い。
大抵の薬は、「食事しなくても1日3回で飲んでください」というパターンが多いが、「食事しないなら飲まなくてもいいです」という薬もある。
典型的なのが、α-グルコシダーゼ阻害薬である。
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)は、食べ物に含まれている糖質の分解・消化を妨げることで、食後の血糖値上昇を抑えるため、α-GIと糖質が、小腸内で同時に存在しなければ効果がないので、食事を開始する直前に服用する。
αGI以外の糖尿病用薬については、シックデイルールなどもあるので、場合によっては医師に相談してもらったほうがいい。基本的には予防薬なので、一時的に中止しても問題はないと思うが。
ファスティックやシュアポストなどの「速効型インスリン分泌促進薬」は食後では効果が落ちるが、全く効かないわけではない。
リン吸着剤の「カルタン」「フォスブロック」「レナジェル」「ホスレノール」「キックリン」「リオナ」「ピートル」、カリウム吸着剤の「カリメート」「アーガメイトゼリー」「ケイキサレート」なども、食事中のカリウムやリンの吸収を防ぐ薬なので、食事しなければ飲まなくてもいいです。
エパデールも食事なしでは効果が落ちる。メーカーのQ&Aには、以下のように書かれている。
Q.エパデールは、食事を抜いた場合(空腹時)服用しない方がいいですか?
A.エパデールは空腹時に服用すると吸収が悪くなります。
したがって、空腹時のエパデール服用については注意させてください。
第Ⅰ相試験において、健常人を対象に摂食下および絶食下でエパデールを投与し血中濃度を検討したところ、摂食下では血中EPA濃度の上昇がみられたのに対して絶食下では上昇がほとんどみられませんでした1。
エパデールやロトリガも、食事なしでは効果はかなり落ちることを伝えておきたい。
これらの薬とは逆に、「食事ができるなら飲まなくてもいい」という薬がある。それは吐き気止めです。
ナウゼリンやプリンペランが「食前」で出ていて、「食後でも飲んだほうが良いですか?」と聞かれる。
「食事ができるなら飲まなくてもいいです」
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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