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サルファ剤はスルホンアミド?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分10秒で読めます.
7,183 ビュー. カテゴリ:スルホンアミド基を持つ薬
セレコックスの禁忌に、
「本剤の成分又はスルホンアミドに対し過敏症の既往歴のある患者」
とある。
スルホンアミド。なんぞや?
スルホンアミド (sulfonamide) は有機化学において、R1−SO2−NR2R3 の構造を持つ化合物群のこと。スルホン酸のヒドロキシ基をアミンに置き換えたものに相当する。
スルホンアミド – Wikipedia
このスルホンアミド基をもつ薬は意外と多い。
過敏症だけでなく、共通する副作用を持つことも多いので、知っておくと便利。
スルホンアミド基を持つ薬一覧
医薬品名 | 構造 | 添付文書の記載 |
---|---|---|
フルイトラン(トリクロルメチアジド) | チアジド系 | 禁忌:チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者 |
ルプラック(トラセミド) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
アマージ(ナラトリプタン塩酸塩) | スルホンアミド系 | 慎重投与:スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。] |
イミグラン(スマトリプタンコハク酸塩) | スルホンアミド系 | 慎重投与:スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある] |
ベハイド(ベンチルヒドロクロロチアジド) | チアジド系 | 禁忌: チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者 |
ナトリックス(インダパミド) | チアジド系 | 禁忌:チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対して過敏症の既往歴のある患者 |
セレコックス(セレコキシブ) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルホンアミドに対し過敏症の既往歴のある患者 |
ラシックス(フロセミド) | スルホンアミド系 | 禁忌:スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
ダイアモックス(アセタゾラミド) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者 |
アマリール(グリメピリド) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者 |
オイグルコン、ダオニール(グリベンクラミド) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者 |
グリミクロン(グリクラジド) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者 |
アベマイド(クロルプロパミド) | スルホンアミド系 | 禁忌:本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者 |
薬効もバラバラだし、覚えるのは難しい。
アマージやイミグランは禁忌ではなく慎重投与。
スルホンアミド基を持つ薬でも、サルファ剤(スルファジメトキシン、スルファメトキサゾールなど)、アザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン)は禁忌にも慎重投与にもスルホンアミド基や誘導体の記載は見当たらない。
サルファ剤はsulfonamides
サルファ剤こそがスルホンアミドの代表格だと思いますけど。
サルファ剤の利尿作用?
1930年代前半、スルホンアミド基(S02NH2)をもつアゾ色素の研究がサルファ剤(スルファミンなど)の発見に結びつきました。
1937年、スルファミンを投与した患者に尿量の増加が観察され、その利尿作用はサルファ剤の化学構造の中で、とくにスルホンアミド基によると考えられました。
1940年、利尿作用は尿細管細胞に存在し、ナトリウムの再吸収に関与する炭酸脱水素酵素の働きをスルホンアミド誘導体が抑制することが確認されました。
この研究は炭酸脱水素酵素阻害薬アセタゾラミド(1955年、緑内障治療薬)に進展し、さらに環状化合物であるチアジド系へ発展して、1957年チアジド系利尿薬の「クロロチアジド」が見出されました。
その後、次々とチアジド系降圧利尿薬が開発されましたが、市場から消えたものも多いです。
サラゾピリンはサルファ剤?
サラゾピリンという潰瘍性大腸炎の薬があります。
サラゾピリン(サラゾスルファピリジン)は、大腸細菌により、SP(スルファピリジン)と5-ASAの二つの成分に分解されます。
スルファピリジンはサルファ剤とよばれる抗生物質で、5-ASAは抗炎症薬です。
もともと関節リウマチの薬として開発されたもので、関節リウマチの原因が感染症であると仮定され作られたものです。
これが潰瘍性大腸炎にも効くってことは、潰瘍性大腸炎の原因も感染症?
結局、現在でもこのサラゾピリンがなぜ効くのかも、関節リウマチや潰瘍性大腸炎の原因もわかっていません。
サラゾピリンは潰瘍性大腸炎治療薬。
同じ成分のアザルフィジンは抗リウマチ薬。
薬効分類コードは6219 サルファ剤に分類されています。
私の薬局では、抗菌薬は別に分類して棚に入れており、サラゾピリン&アザルフィジンも抗菌薬の棚に入っています。
正直、この棚分けはわかりづらい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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