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サラゾピリンとペンタサの違いは?
公開. 更新. 投稿者:下痢/潰瘍性大腸炎.この記事は約4分48秒で読めます.
8,560 ビュー. カテゴリ:5-ASA製剤
サラゾピリン(サラゾスルファピリジン)は、スルファピリジン(SP)と5-アミノサリチル酸(5-ASA)がアゾ結合した薬です。
主な有効成分は5-ASAで、SPは5-ASAを大腸まで届ける役目を果たします。
サラゾピリンは副作用が多いのですが、その理由は補助成分のSPによるものと考えられています。
ペンタサ(メサラジン)はSPを含まない5-ASAそのもので、大腸まで届くように工夫された製剤なので、SPによる副作用がありません。
潰傷性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる疾患です。
わが国では特定疾患に指定されており、2008年には、登録患者数が10万人を越えました。
発症は若年(25~30歳)と中高年(55~60歳)に多い傾向があり、性差はあまりないと言われます。
症状は、炎症の範囲により異なるが、粘血便から始まり、悪化するに従い、下痢、しぶり腹、腹痛、発熱などの症状が出現します。
潰傷性大腸炎は、全大腸炎型・左側大腸炎型、直腸炎型、難治型に大きく分類されます。
重症例では外科手術が行われる時もあるが、難治でも 白血球除去療法、免疫抑制剤の併用などで症状をコントロールすします。
従来から潰瘍性大腸炎患者に多く処方されているのは、サラゾスルファピリジン(サラゾピリン)です。
同薬は、スルファピリジン(SP)と5-アミノサリチル酸(5-ASA)がアゾ結合した薬剤であるが主たる有効成分は、非特異的抗炎症作用を持つ5-ASAで、SPは5-ASA を大腸まで届ける役目を果たします。
関節炎を合併する症例では有用であるが、副作用発現率の高さが同薬の問題点です。
副作用症状としては、⑴発熱、皮疹などの過敏症状、⑵悪心、嘔吐、食欲不振などの消化器症状、⑶頭痛、全身倦怠感、めまい、不眠などの全身症状一が代表例です。
発現頻度は10~40%で、副作用が問題となって使用中止となる患者も少なくありません。
この副作用を軽減するために開発されたのが、5-ASA製剤のメサラジン(ペンタサ)です。
サラゾスルファピリジンの副作用は、補助成分であるSPによるものと考えられているが、主薬効成分である5-ASAだけをそのまま投与しても、大部分が小腸上部で吸収されてしまい、標的臓器である大腸に届きません。
メサラジンでは、この5-ASAの欠点を、エチルセルロースでコーティングした徐放製剤にすることで補っています。
また、pH7以上となる回腸末端から大腸全域にメサラジンが放出されるように設計されたアサコールも発売されています。
サラゾスルファピリジンは、女性の妊娠には影響を与えないと考えら れているが、男性不妊の原因となることが証明されており、男性には避けるのが通常です。
クローン病の適応
ペンタサの適応は、「潰瘍性大腸炎(重症を除く)、クローン病」。
サラゾピリンの適応は、「潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、非特異性大腸炎」。
サラゾピリンはクローン病に効かない。
サラゾピリンは大腸に入ってから大腸内の細菌の作用で分解されて有効成分の5-ASAが作られます。
したがって、大腸でのみ有効。
小腸を通過しますが、その時には有効成分ができていません。
一方、ペンタサは小腸通過中から5-ASAを溶かしだすために小腸の病変に有効なわけです。
・サラゾピリン(SASP)
クローン病や潰瘍性大腸炎で第一選択になることの多い、そしてもっとも使用頻度の高い薬剤である。
SASPは小腸病変よりも大腸病変に対して有効性が高い。
SASPが大腸の細菌で分解されてできる5-ASAが抗炎症作用を発揮するからである。
重篤な副作用はほとんどなく長期間投与されることが多い。
投薬開始時にはこの薬剤の副作用として発疹などのアレルギー症状や男性不妊(精子数減少)のあることを特に丁寧に患者に説明する。
精子数は薬剤を中止すると正常に戻る。
・プレドニン
SASPや栄養療法で治療効果が不十分の場合に使用することが多い。
しかし、副腎皮質ステロイド薬は減量・離脱がしばしば困難であること、そして長期投与になると種々の副作用が出現する。
したがって、副腎皮質ステロイド薬の副作用の軽減のためには局所療法が有効である。
すなわち直腸の病変に対しての局所療法として坐剤(リンデロン坐剤)や注腸用製剤(ステロネマ)がある。
ステロイドで潰瘍は悪化する?
ステロイドで胃潰瘍を引き起こすことがある。
同じ潰瘍でも潰瘍性大腸にはステロイドを治療に用いることがある。
潰瘍性大腸炎は、同じ潰瘍という言葉は付いているが、胃潰瘍とは病気の起きるメカニズムが違います。
ステロイド剤を長く服用していると胃潰瘍を起こす可能性がありますが、逆に潰瘍性大著炎ではステロイド剤が症状を緩和してくれます。
また、ステロネマなどの注腸剤は内服よりも胃などへの副作用が少ないとされています。
ステロネマ注腸3mgは、リン酸ベタメタゾンナトリウムを含有するステロイド注腸剤であり、肛門から投与するので直腸炎型や遠位結腸型に効果があるといわれる。
一方、ペンタサ注腸は、ステロイド注腸剤と同等の効果が得られるとされ頻用されているが、注腸操作が煩雑である。
これらは免疫抑制作用と抗炎症作用を期待して併用される。
免疫抑制剤のアザチオプリン(イムラン)や、最近ではタクロリムス(プログラフ )が併用されることも多い。
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