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なぜ食後2時間に血糖値を測るのか?
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約3分50秒で読めます.
8,554 ビュー. カテゴリ:OGTT経
経口ブドウ糖負荷試験(Oral glucose tolerance test, OGTT)は、糖尿病の診断方法のひとつです。
糖尿病が疑われる患者に対し、短時間に一定量のブドウ糖水溶液を飲んでもらい、一定時間経過後の血糖値の値から、糖尿病が存在するかどうかを判断する方法である。
現在では、WHOの基準に従い、75gのブドウ糖を負荷し、2時間後の血糖値を測定して診断する。以前は施設により、50gや100gのブドウ糖を用いることがあった。
糖尿病型と判断される基準は、2時間後の血糖値で200mg/dl以上。
ブドウ糖負荷後2時間後の血糖値を測定します。
なぜ2時間後なのか?1時間後じゃダメなのか?
健常人だと、1時間後くらいに血糖値のピークが来る。
しかし糖尿病だと、インスリンの作用不足で、2時間後くらいに血糖値のピークがずれこむ。
上がった血糖値を下げることができなくなるのが糖尿病です。
糖尿病かどうかは2時間待たなきゃわからないのです。
メタボリックシンドロームは食後病
血糖にしても脂質プロフィールにしても、空腹時が正常だからといって問題がないとはいえません。
リスクがある場合は、食後に採血をしなければなりません。
空腹時のデータが正常でも、食後の高中性脂肪血症はインスリン抵抗性の始まりだからです。
空腹時血糖だけじゃ糖尿病はわからない
国債調査で、空腹時の検査だけでは糖尿病患者の45%、境界域の64%が見逃されるという結果が見られました。
食後高血糖を放っておくと、やがてインスリンを分泌する働きそのものが弱まって、空腹時でも血糖値が下がらない本格的な糖尿病へと進みます。
健康な人ならば、食事をするとただちにインスリンが追加分泌され、血糖値は食後30分前後をピークに速やかに下がります。
しかし糖尿病になりはじめの人は、平常時のインスリンは足りているものの、食後の血糖値上昇に対応するだけの分泌量がありません。
このため高血糖のまま、インスリンはだらだらと分泌が続きます。
次の食事までには平常に戻るため、空腹時の検査では異常が見つからないのです。
現代人は常に食べている
現代の食生活は豊かになり、朝食、昼食、おやつ、夕食、場合によっては夜食と、一日のうち本当の空腹時間はほとんどないといってもいいでしょう。
したがって絶食という状況のほうがむしろ非日常的なのです。
健康診断のときは前日から絶食しますが、空腹時の採血で問題がないからといって、代謝のリスクがないとはいえないのはそのためです。
食後過血糖
大規模な疫学研究から、2型糖尿病1139人を対象とした11年間の総死亡率、心筋梗塞発症率は、いずれも空腹時血糖値ではなく、朝食後1時間の血糖値と正の相関が見られている。
食後高血糖はglucose toxicityとして、糖代謝障害の悪循環として関与するだけでなく、過酸化脂質の増加、抗酸化能の低下、LDL酸化増強をもたらし、食後高血糖が酸化ストレスを介して動脈硬化の進展、老化の促進に関与することが理解されるようになった。
なぜ126mg/dLなのか?
空腹時血糖値が126mg/dL以上だと糖尿病と診断される。
この126mg/dLという数字、なんとも中途半端に見える。
しかもあまり使わないデシリットルという単位。
日本では血糖値の単位に「mg/dL」が使われていますが、イギリスを始めとする欧州、カナダやオーストラリアなど多くの国で、このmmol/l(ミリモル・パー・リットル)が血糖値の単位として使われています。
グルコースの1分子量(モル)は180gですから、次のような関係になります。126mg/dl=7.0mmol/l
こっちだとスッキリした数字。
逆に200mg/dlは12. 1 mmol/Lになるから、食後2時間値の糖尿病の診断基準は中途半端な数値になる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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