記事
糖尿病用薬の併用の縛り
公開. 更新. 投稿者:糖尿病.この記事は約5分35秒で読めます.
9,280 ビュー. カテゴリ:目次
糖尿病用薬の併用
糖尿病用薬の併用で、添付文書上認められているものと認められていないものがある。
あんまり気にかけてない医師が多いし、特に併用で副作用などの問題があるわけでもない。
ただ、添付文書で認められていないので、保険請求上査定される恐れはある。のかな。
でもって、いつの間にか併用が認められていたりする。
とりあえずまとめてみる。
SU剤
アマリール
2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)
ダオニール
インスリン非依存型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)
αGI
セイブル
糖尿病の食後過血糖の改善
(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
ベイスン
糖尿病の食後過血糖の改善
(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
グルコバイ
糖尿病の食後過血糖の改善(ただし,食事療法・運動療法によっても十分な血糖コントロールが得られない場合,又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下薬若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な血糖コントロールが得られない場合に限る)
速効型インスリン分泌促進薬
ファスティック/スターシス
2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1) 食事療法・運動療法のみ
(2) 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
(3) 食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
(4) 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
グルファスト
2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし,下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1) 食事療法・運動療法のみ
(2) 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
(3) 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
DPP-4阻害薬
ネシーナ
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1) 食事療法、運動療法のみ
(2) 食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
(3) 食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
(4) 食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア系薬剤を使用
(5) 食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
エクア
2型糖尿病
ジャヌビア/グラクティブ
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る
(1) 食事療法、運動療法のみ
(2) 食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
(3) 食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
(4) 食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
(5) 食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
(6) 食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用
ビグアナイド系
メトグルコ
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ
(2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
チアゾリジン系
アクトス
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定される場合に限る。
(1) 1)食事療法、運動療法のみ
2)食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
3)食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
4)食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
(2) 食事療法、運動療法に加えてインスリン製剤を使用
セイブルとメルビン
セイブルとビグアナイド系薬剤との併用療法の効能追加が承認されました。
これでセイブルの適応は
糖尿病の食後過血糖の改善
(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る)
となって、セイブルとメルビンの併用なども堂々と出来るようになりました。
初め、この効能効果の欄の文章がよく理解できなくて、「食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合」は全ての患者さんを含んでいるわけだから、誰に使ってもいいと思っていました。
しかしこれは、「食事療法・運動療法のみを行っている患者」という意味で、単独での投与は問題ないけど、併用療法する場合には次に続く文章で制限されているということらしい。
でも、メルビンの添付文書の適応はまだ、
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ
(2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
となっていますが、ここらへんは問題ないのでしょうか。
SU剤とグリニド系の併用はダメ?
SU剤もグリニド系も作用機序が同じなので、併用できません。
グリニド系は作用時間が早く短いSU剤ということです。
インスリンと経口薬の併用はどうなのか?
臨床では肥満患者に対してインスリン抵抗性改善薬のビグアナイド薬とチアゾリジン薬がインスリンと併用されたり、食後高血糖改善を目的にαーGIが併用されたりすることが多く、さらにSU薬などを服用している患者に基礎インスリンを補充する治療も広く行われていると説明した。
DPPー4阻害薬については、内因性のインスリン分泌促進に加えて、食後高血糖の是正やグルカゴン分泌の抑制によるインスリン抵抗性の改善効果をもつことから、併用のメリットは大きい。
一方で、インスリン製剤、経口血糖降下薬ともに数多くの薬剤が臨床で用いられていることもあり、個々の組み合わせのエビデンスは十分に確立されていない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。