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フェマーラを不妊症に使う?
公開. 更新. 投稿者:妊娠/授乳.この記事は約4分24秒で読めます.
4,750 ビュー. カテゴリ:抗癌剤を不妊治療に使うの?
フェマーラを排卵誘発剤として
フェマーラ(レトロゾール)の日本における適応症は閉経後乳癌のみでしたが、2022年2月に「生殖補助医療における調節卵巣刺激」という適応が追加になりました。すでに海外では排卵誘発剤としても使用されています。
用法としては、
通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5mgを月経周期3日目から5日間経口投与する。十分な効果が得られない場合は、次周期以降の1回投与量を5mgに増量できる。
となっており、クロミッドと同じような飲み方だ。
不妊治療で使われるクロミッド(クロミフェン)、セキソビット(シクロフェニル)は抗エストロゲン作用をもち、エストロゲンが視床下部または下垂体のエストロゲン受容体に結合するのを阻害しネガティブフィードバックが働かないようにします。その結果、LH、FSH分泌を持続させて卵胞発育・排卵誘発を促します。
フェマーラにはアロマターゼ活性の競合的阻害によりアンドロゲンからのエストロゲン生成を抑制する作用があり、抗エストロゲン剤として使用されます。
フェマーラはアロマターゼを阻害して副腎由来のエストロゲン分泌を減少させるため、ネガティブフィードバックが低下し、LH、FSHの分泌が持続して卵胞発育・排卵誘発を促します。また、FSH受容体の感受性が増強され、少量のFSHでも卵胞発育を促すとされています。
排卵周期の初期(フェマーラは月経3日目、クロミッドは月経5日目)から短期間(一般に5日間)、抗エストロゲン剤を服用すると、一時的に血中のエストロゲン濃度が低下します。
その情報が、ホルモン分泌を制御している脳の視床下部や脳下垂体にフィードバックされると、性腺刺激ホルモンが分泌され、卵胞の成熟が促されます。
クロミッドとフェマーラの違い
抗エストロゲン作用が長く続き過ぎると、副作用として子宮頚管粘液の減少や子宮内膜の菲薄化が生じ、結果的に妊娠率が下がります。
クロミッドは血中からの消失半減期が5~7日と長い上、代謝産物にも抗エストロゲン活性があるため、上記の副作用を生じやすいです。
一方フェマーラは血中半減期が約70時間とクロミッドより短く、かつ代謝産物に抗エストロゲン活性はないため、短期間だけ効かせることができます。
フェマーラ以外のアロマターゼ阻害薬と不妊症
多嚢胞性卵巣症候群の患者で、クロミフェンを投与してもうまく排卵しなかったものの、レトロゾールを投与すると排卵したという事例があり、レトロゾールはクロミフェンより排卵誘発効果が高いのではないかと考えられるようになったようです。
そして、2000年頃より多嚢胞性卵巣症候群患者の排卵誘発目的でレトロゾールが使用されるようになりました。その後、レトロゾールとクロミフェンで効果を比較した研究が行われ、2014年に「New England Journal of Medicine」誌で発表されました。結果は、レトロゾールのほうが排卵率と子どもの獲得率が高く、流産率、双子率は変わらないというものでした。これらのことから多嚢胞性卵巣症候群の患者に限らず、レトロゾールが排卵誘発剤として使用されるようになりました。
レトロゾール以外のアロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、エキセメスタン)も排卵誘発作用を目的として処方される場合があると思いますが、研究・報告が進んでいない経緯から、アロマターゼ阻害薬による排卵誘発といえばレトロゾールとなっています。
フェマーラと車の運転
フェマーラとは、乳がんに使われるアロマターゼ阻害薬。
これを飲んでいる患者さんから、「眠くなるんですけど」という訴えを聞いた。
正直、アロマターゼ阻害薬と眠気が結びつかなかった私。
しかし、添付文書を読むと、
疲労、めまい、まれに傾眠が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
自動車の運転に対する注意書きが書かれているではありませんか。
同じアロマターゼ阻害薬のアリミデックスの添付文書にも、
本剤との関連性は明確ではないが、臨床試験において無力症や傾眠等が報告されているので、自動車の運転や機械の操作には注意すること。
との記載が。
しかし、抗エストロゲン薬のノルバデックスには、傾眠の副作用の記載はなく。
エストロゲンが関与しているわけではないのかな。
とにかく、アロマターゼ阻害薬服用中の車の運転には注意を促すように指導しよう。
フェマーラの作用機序
乳癌は代表的なホルモン依存性癌の一つであり、乳がんの発生や進展にはエストロゲンが大きく関与している。
閉経後の症例において、エストロゲンは主に副腎から分泌されたアンドロゲンがアロマターゼによって変換されて産生される。
レトロゾールは第三世代の非ステロイド系アロマターゼ阻害薬であり、アロマターゼを構成しているチトクロムP450のヘムリングに可逆的に結合し、その作用を阻害することでエストロゲンの生成を抑制する。
フェマーラで狭心症
アロマターゼ阻害薬が心血管疾患を引き起こす要因の一つとして、エストロゲンの低下による脂質代謝への影響が考えられているが、プラセボ群と比較したMA.17試験では高コレステロール血症の発現に有意差はなかった。
ホルモン療法による脱毛
乳がんのホルモン療法は、抗がん剤のような脱毛は無いといわれている。
しかし、抗がん剤ほどではないが、脱毛はみられる。
女性ホルモンを抑えると、相対的に男性ホルモンが多くなってホルモンバランスが崩れ、男性型脱毛症と同じような状態になる。
女性にもテストステロンがあり、毛乳頭にある細胞によってテストステロンがジヒドロテストステロンという、より作用の強い男性ホルモンに変えられる。
ジヒドロテストステロンはTGF-βというサイトカインを毛母細胞から出させ、毛があまり成長しないうちに、すぐに退行期、毛が抜ける状態に入ってしまいます。
そのため、太くて長い髪の毛ができず、髪の毛のコシが無くなります。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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