記事
コルヒチンは痛風発作に効かない?
公開. 更新. 投稿者:痛風/高尿酸血症.この記事は約3分40秒で読めます.
4,980 ビュー. カテゴリ:発作時にコルヒチンを使っても無意味?
痛風発作が起こってしまってからコルヒチンを服用しても効果が無く、過量服用により腹痛、下痢、嘔吐などの副作用が発現しやすくなるため、発作が続くからといってむやみに服用しないよう説明する。
コルヒチンと痛風
コルヒチンの適応は「痛風発作の緩解及び予防」。
恥ずかしながら私は、コルヒチンは痛風の発作時の痛みに効く薬という認識でした。
昔は、コルヒチンは痛風発作時の痛みにも有効であると考えられていました。
が、現在の痛風の診療ガイドラインでは、コルヒチンは発作前兆期に服用すれば発作を頓挫させるために有効であるが、痛風急性期の鎮痛目的での使用は、非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)が使用できない場合に限ることが記載されています。
コルヒチンは一般に、痛風発作の前兆期に少量(0.5mg)で使われています。
コルヒチンは、発作が起こった後に痛みを止める働きはありません。
発作の極期に大量投与しても十分な効果が得られず、腹痛や下痢、嘔吐、筋痙攣といった副作用が多くなります。
発作の極期には、NSAIDsを短期間にのみ比較的大量投与して炎症を鎮静化する方法が一般的。
コルヒチンは、痛風発作が起こりそうだと感じた時に服用すると、発作を防いだり、発作を軽くしてくれる。
痛風発作を経験したことが無い人間には、飲むタイミングを説明するのが難しい。
コルヒチンの特徴
微小管の主要蛋白質であるチューブリンに結合して重合を阻害し微小管の形成を妨げる。
細胞分裂を阻害するほかに、好中球の活動を阻害し抗炎症作用をもたらす。
コルヒチンはユリ科のイヌサフランの種子や球根に含まれるアルカロイドで、白血球(特に好中球)に取り込まれやすく、炎症が起きた部位に白血球が集まるのを防ぎ(白血球遊走抑制:特に好中球の走化性因子のロイコトリエンB4やインターロイキン8に対する反応性を顕著に低下させる)。さらに白血球が炎症物質を放出するのを阻害すると考えられています。
このようにコルヒチンは炎症を起こしにくくする作用がありますが、炎症反応が進んでいる場合は、すでに多くの白血球が炎症部位に集まり、炎症物質の放出も進んでいるため、抗炎症効果や鎮痛効果をもたないコルヒチンでは効果が期待できないと考えられています。
コルヒチンの大量投与の副作用で最も多いのは、腹痛と下痢、次いで嘔吐、筋痙攣などである。
痛風発作の特効薬。
コルヒチンは痛風発作の特効薬であり、その効果はときとして診断にも役立つ。
発作の前兆期に1錠(0.5mg)のみ服用し、発作を頓挫させる。
尿酸排泄作用なし。
コルヒチンで種無しスイカができる?
コルヒチンは植物の細胞分裂時に染色体の倍加(染色体異常)を誘発する作用があります。
これを利用して種なしスイカが作られます。
じゃあ人間の場合はどうか、というと、やっぱり種無しになる可能性があります。
コルヒチンは精子濃度を低下させる可能性があります。
受精卵に染色体異常をおこす可能性もあります。
妊娠を希望している方は、注意です。
コルヒチンを飲むとダウン症児が生まれる?
痛風の治療薬のコルヒチンには、男性側が服用しても、無精子症や配偶者からのダウン症の出生率が高いとの報告があるようです。
否定的な見解もあり、確立されたものではありません。
添付文書上では、
・父親が本剤を服用した場合、その配偶者より、ダウン症候群及びその他の先天異常児が出生する可能性があるとの報告がある。
・ラットにおいて精巣毒性(精上皮細胞の脱落等)を引き起こすことが報告されている。
との記載があります。
コルヒチンをただの痛み止めと勘違いする患者もいるので、安易な使用は控えるように注意が必要。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。