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CKとCPKの違いは?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約2分1秒で読めます.
11,376 ビュー. カテゴリ:CKとCPK

血液検査の結果を見ていると、たまに「CK」や「CPK」という項目を目にすることがあります。「どっちが正しいの?」「意味は同じ?」と感じたことのある方もいるのではないでしょうか。
実は、CKとCPKは基本的に同じものを指しています。
両方とも「クレアチンキナーゼ(Creatine Kinase)」という酵素の略称です。
CK(クレアチンキナーゼ)とは?
CKは、筋肉(骨格筋や心筋など)に含まれている酵素で、筋肉が損傷を受けたときに血中へ漏れ出すため、検査項目として使われます。例えば、心筋梗塞や横紋筋融解症などでCKの値が上昇します。
CKの働きとしては、エネルギー供給の補助がメインです。具体的には、
クレアチン + ATP → クレアチンリン酸 + ADP
という反応を促進します。筋肉が一気にエネルギーを必要とする場面で、このクレアチンリン酸がすぐにATPを再合成して供給する役割を果たします。
CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)とは?
CPKは、「Creatine PhosphoKinase」の略です。
「フォスフォ(=リン酸)」という語を強調した表記になっています。
この酵素が、ATPのリン酸基(ホスホ)をクレアチンにくっつける(=リン酸化)働きを持つことから、かつてはこのように呼ばれていました。
なぜ2つの呼び方があるのか?
実は、「CPK」は以前よく使われていた名称で、現在は「CK」に統一されつつあるのが実情です。
多くの検査機関や病院では、現在「CK」という表記が一般的です。しかし、年配の医師や古い資料、あるいは一部の論文などでは「CPK」という名称も根強く残っており、両方が混在しているのが現状です。
薬剤師としても、患者さんの検査値の変化や医師からの問い合わせに対応するためには、「CK=CPKである」ことを認識しておく必要があります。
CK値が高いときに考えること
CKが高値を示す代表的な病態としては:
・横紋筋融解症(スタチンなどの副作用で注意)
・心筋梗塞
・けいれんや外傷による筋損傷
・激しい運動後
・筋ジストロフィーやミオパチー
などがあります。
特にスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)を服用している患者さんで、筋肉痛や倦怠感の訴えがある場合には、CK値の確認が重要です。
まとめ:CKとCPKの違いは「呼び方」だけ
CK Creatine Kinase 現在の主流
CPK Creatine PhosphoKinase 旧称。意味はCKと同じ
結論としては、CKもCPKも同じ酵素のことを指しており、どちらを使っても通じるということになります。
ただし、臨床現場では「CK」が推奨表記なので、薬歴や指導記録にはこちらを使うとよいでしょう。


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