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タガメットが帯状疱疹に効く?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分6秒で読めます.
3,692 ビュー. カテゴリ:タガメットと帯状疱疹
タガメットが帯状疱疹に効くの?
シメチジン(タガメットほか)は、酸分泌抑制の効果を持ち、本来は胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療薬である。
しかし免疫増強作用を併せもつことから、適応外処方で帯状疱疹の治療薬として使われることがある。
シメチジンは、免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞の働きを抑える。
サプレッサーT細胞が、H2受容体を持っているからである。
それによってヘルパーT細胞を介した細胞免疫の働きが増強されて、帯状疱疹の患者の回復を促進すると考えられている。
帯状疱疹と細胞性免疫
H2ブロッカーのシメチジン(タガメット)が、帯状疱疹患者に使用されることがある。
ヒスタミンH2受容体は、細胞性免疫を調節するサプレッサーT細胞(抑制T細胞)にも存在し、これをシメチジンがブロックすることで、結果として細胞性免疫が増強される。
帯状疱疹は、細胞性免疫が低下した患者では、症状が激しく、長期化しやすいことが知られている。
実際、国内外で小規模な臨床試験が行われ、シメチジンによる臨床症状の改善と治癒期間の短縮が確認されている。
タガメットの適応外処方
皮膚科や内科でアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなどの抗ウイルス剤に加えてシメチジンが処方されている場合には、帯状疱疹の治療が目的と考えられる。
内科でシメチジンが単独で処方されていた場合は判別が困難だが、鎮痛剤が併用されていれば可能性がある。
皮膚科でシメチジンが単独処方される場合もあるが、治療効果を確実にするために抗ウイルス剤と併用されることが多い。
いずれにしても患者によく話を聞いて、疾患を確認することが必要である。
タガメットが癌の治療に使われる
タガメットが癌の治療に使われることがあるという。
タガメットの成分であるシメチジンには、免疫増強・抗腫瘍効果があるといわれています。
ヒスタミンは免疫応答に影響を及ぼし、サプレッサーT細胞を活性化し、ヘルパーT細胞を抑制することが知られており、これらの作用はH2受容体を介するものであることが判っています。
さらにヒスタミンは腫瘍の周囲に高濃度に存在し、腫瘍細胞の増殖に促進的に働いています。
そして、シメチジンはこれらのH2受容体を阻害することにより免疫能を活性化するとともに、腫瘍の増殖を直接抑制すると考えられています。
しかし、これらの作用はH2受容体拮抗薬全てに認められる訳ではなく、癌患者の単核球を使ったファモチジン、ラニチジンとの比較実験ではシメチジンにしかこのような作用は認められていません。
このような差はシメチジンがヒスタミンと同様なイミダゾール環を有していることによると考えられています。
ガスターとかザンタックの処方と比べて、タガメットの処方頻度は少ないので、処方された際には処方意図を考えることが大切。
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