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エステル型とアミド型の局所麻酔薬の違いは?
公開. 更新. 投稿者:皮膚外用薬/皮膚病.この記事は約1分30秒で読めます.
9,158 ビュー. カテゴリ:エステル型とアミド型の局所麻酔薬の違い
局所麻酔成分は、その構造から、エステル型とアミド型に分類されます。
代表的なエステル型の成分としては、アミノ安息香酸エチルがあります。
これは水に難溶性の成分で、おもにあせもや虫刺されなどの鎮痒を目的とした塗布薬、痔疾外用薬(軟膏、坐剤)といった外用薬に配合されています。
エステル型はアミノ型に比べると、過敏症状(発疹、かゆみ、局所の刺激感など)が現れやすいとされ、これは、代謝物であるp-amino-benzoic acidによるものと考えられています。
なお、アミノ安息香酸エチルは、鎮暈薬(乗り物酔い予防薬)、鎮痛鎮痙薬などの内服薬に配合されていることもあり、内服薬については、メトヘモグロビン血症発症のおそれがあることから、6歳未満の小児には服用させないこととされています。
一方の、アミド型には、リドカイン、ジブカインなどがあります。
リドカインは、医療現場において表面麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔などに広く使用されるほか、抗不整脈薬としても用いられています。
作用の発現がすみやかで、プロカインの2~3倍の持続性があるとされています。
局所刺激性は弱く、OTC外用薬としても多くの商品に配合されています。
ジブカインは、強い作用が期待できる半面、リドカインに比べると毒性が強いとされています。
アミド型については、エステル型よりも過敏症状は起こりにくいといわれますが、リドカインやジブカインなどを含有したOTC外用薬による接触皮膚炎、光線過敏性皮膚炎などが報告されています。
これらの報告には、使用した部位に紅斑や掻痒感などを生じたケースだけでなく、痔疾用坐剤の使用によって全身の掻痒性皮疹や光線過敏性皮膚炎をきたした例もみられます。
アミノ安息香酸エチル含有軟膏で接触皮膚炎を起こした人でパッチテストを行ったところ、プロカインに対しても陽性を示した症例もあることから、類似した構造をもつエステル型の成分同士、アミド型の成分同士の交差感作にも注意が必要と思われます。
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2 件のコメント
エステル型の説明文中に「エステル型に比べると、過敏症状(発疹、かゆみ、局所の刺激感など)が現れやすいとされ、これは、代謝物であるp-amino-benzoic acidによるものと考えられています。」とありますが話の流れから考えるとアミド型と記載間違いではないかと思うのですが。
勘違いだったらすみません、気になったもので。
ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。