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フィブラストスプレーをシワやニキビ跡に使える?
公開. 更新. 投稿者:褥瘡.この記事は約1分30秒で読めます.
290 ビュー. カテゴリ:フィブラストスプレーの美容目的使用

フィブラストスプレー(一般名:トラフェルミン)は、科研製薬が開発した外用薬で、主に褥瘡(床ずれ)や熱傷(やけど)、皮膚潰瘍などの創傷治療に使用されます。その有効成分であるbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)は、細胞の増殖や血管新生を促進し、創傷の治癒を助ける作用があります。
しかし、近年、美容目的での使用が一部で見られるようになり、これに対して科研製薬は2022年に「適正使用に関するお願い」を発表し、医療関係者に対して注意喚起を行いました。この文書では、フィブラストスプレーは外用薬であり、注入投与の有効性・安全性は確立されておらず、適応外使用は避けるよう求めています。
フィブラストスプレーの作用機序
フィブラストスプレーの主成分であるbFGFは、線維芽細胞や血管内皮細胞の増殖を促進し、創傷部位での組織再生を助けます。これにより、傷の治癒が早まり、瘢痕の形成が抑えられる効果が期待されます。
美容目的での使用とそのリスク
一部の美容クリニックでは、フィブラストスプレーをシワやニキビ跡の改善目的で使用するケースが報告されています。しかし、フィブラストスプレーは医療用外用薬であり、シワやニキビ跡の治療を目的とした適応はありません。また、注入などの使用方法は添付文書に記載された使用法ではなく、安全性や有効性が確認されていないため、予期せぬ副作用や合併症のリスクがあります。
メーカーからの注意喚起
科研製薬は、フィブラストスプレーの適正使用を求める文書を発表し、適応外使用や不適切な使用方法によるリスクについて警告しています。特に、美容目的での使用や注入投与は、製品の本来の使用目的から逸脱しており、患者の安全性を損なう可能性があるとしています。
フィブラストスプレーは、創傷治療において有効な医療用外用薬ですが、美容目的での使用や適応外の使用方法は、安全性や有効性が確認されておらず、リスクを伴います。医療関係者は、製品の適正使用を遵守し、患者の安全を最優先に考える必要があります。