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目薬の使用期限は1か月?
公開. 更新. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約3分19秒で読めます.
15,549 ビュー. カテゴリ:目薬の期限は1カ月?
点眼薬の容器に記載されている有効期限は、開封していない容器を正しく保管した場合のものです。
点眼薬にもよりますが、液量と二次汚染を考慮して、一般的に医療用点眼薬の使用期限は開封後約1ヶ月とされています。
チモプトールXEとか、片目だけに使っていたら1か月以上もつ。
正直、もったいない。
薬の効果が無くなるわけではありませんが、水剤は雑菌が繁殖しやすいために安全性を考慮して、そのように言われます。直射日光の当たらない涼しいところできちんと密封して保管していれば、開封後2、3カ月でも大丈夫。。。かもしれない。
使用期限内であっても外観上の変化(変色したもの、混濁が見られるもの、浮遊物があるもの)や異物発生、異臭などの異常が見られた場合には、使用しないでください。
また、防腐剤の含まれていない使い捨てタイプの点眼薬は、開封後1回限りの使用で残液は廃棄してください。
溶解して使用する点眼薬などで、使用期限が1ヶ月より短いものもありますので注意しましょう。
開封後1ヵ月経過した場合は、残液を使用しないこと。
インタール点眼液、ケタス点眼液、フラビタン点眼液などには、
「開封後1ヵ月経過した場合は、残液を使用しないこと。」
と明記されています。
ただ、「開封後は速やかに使用すること」と記載した製品や、記載自体がない製品もあり、添付文書での扱いは一定していない。
このような場合、「開封後の使用期限は1か月以内」と指導するのが適切と思われるが、その理由は日本薬局方に定められた「保存効力試験法」にあります。
この試験法は、日本薬局方に記載されているもので、いわゆる医薬品製造管理・品質管理の基準(GMP)に適合するために必要な試験です。
医療用医薬品であれば、少なくともこの試験結果に適合しているはずであり、点眼薬の開封後の使用期限は、添付文書に特に記載がない限り1か月以内との目安を伝えることができる。
しかしOTCの点眼薬では、容量が最大で20mLまで認められており(医療用医薬品は5mLまで)、長期間使用が想定される。
1か月では使い切らない可能性が高く、業界独自で3か月以内を目安としているようだ。
OTC薬の点眼薬でも保存効力試験法は必ず実施されているが、それ以外の保存試験の内容は各社それぞれであり、開封後3か月以内の保存性が必ずしも試験で確認されているわけではない。
添付文書に開封後の使用期限が明記されている外用薬が以下の通り。
目薬以外の外用薬も並べてある。
医薬品名 | 添付文書の期限表記 |
---|---|
イソプロピルウノプロストンPF点眼液0.12%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ケタス点眼液0.01% | 開封後1ヵ月経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
カルテオロール塩酸塩PF点眼液1%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
カルテオロール塩酸塩PF点眼液2%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
インタール点眼液2% | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
クロモグリク酸Na点眼液2%「日新」 | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
アルギノン点眼液2% | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
クールウェイ点眼液2% | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
クロモグリク酸Na・PF点眼液2%「日点」 | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
クロモグリク酸Na点眼液2%「杏林」 | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
クロモリーク点眼液2% | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
シズレミン点眼液2% | 開封後4週間(1ヵ月)経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ケトチフェンPF点眼液0.05%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ジクロフェナクNa・PF点眼液0.1%「日点」 | 開封後4週間(1ヵ月)経過した残液は使用しないこと。 |
ジクロフェナクNa点眼液0.1%「あゆみ」 | 開封後4週間(1ヵ月)経過した残液は使用しないこと。 |
チモロールPF点眼液0.25%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
チモロールPF点眼液0.5%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
トラメラスPF点眼液0.5% | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ニプラジロールPF点眼液0.25%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
フラビタン点眼液0.05% | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと。 |
FAD点眼液0.05%「日東」 | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと。 |
ベタメタゾンリン酸エステルNa・PF眼耳鼻科用液0.1%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ザラカム配合点眼液 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタチモ配合点眼液「ニットー」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタチモ配合点眼液「センジュ」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタチモ配合点眼液「ニッテン」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
キサラタン点眼液0.005% | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「CH」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「TOA」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「TOA」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「イセイ」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「キッセイ」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「ケミファ」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「サンド」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「センジュ」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「トーワ」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「ニッテン」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「杏林」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「三和」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ラタノプロスト点眼液0.005%「日医工」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
レボブノロール塩酸塩PF点眼液0.5%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液0.1%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
ヒアルロン酸ナトリウムミニ点眼液0.3%「日点」 | 開封後4週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
インタール点鼻液2% | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと |
クロモグリク酸Na点鼻液2%「杏林」 | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと |
クロモグリク酸Na点鼻液2%「トーワ」 | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと |
クロモグリク酸Na点鼻液2%「ファイザー」 | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと |
ノスラン点鼻液2% | 開封後1カ月経過した残液は使用しないこと |
リノコートパウダースプレー鼻用25μg | アルミ包装開封後、長期間経過したものは、使用させないこと。 |
ベクロメタゾン鼻用パウダー25μg「トーワ」 | アルミ包装開封後、長期間経過したものは、使用させないこと。 |
クレナフィン爪外用液10% | 開封後12週間経過した場合は、残液を使用しないこと。 |
コムクロシャンプー0.05% | 開封後、6ヵ月以上経過したものは使用しないこと。 |
1本あたり2.5mLの目薬は片目だけに使う場合2か月近くもってしまうが、ザラカムやキサラタンについては、添付文書上1か月となっているので、投薬時に指導することが必要だ。
逆に言えば、それ以外の目薬については、医師の許可さえあれば1か月以上使っても構わないということになるのかも知れない。
用時溶解薬の溶解後の使用期限
使う前に薬局で、あるいは患者自身で粉薬を溶液に溶かしてから使う薬があります。初めて使う患者は、どのように使えばいいのか困惑するので、大抵薬局で薬剤師が混ぜて渡している。
そのような薬は溶解後の安定性が悪いので、使う直前に混ぜるようになっている。そのため、溶解後の使用期限も通常の目薬よりも短めになっている。
昔はエコリシン点眼液とかタチオン点眼液もあったが、このような煩わしい薬は無くなっていっている。
カタリン点眼用:溶解後は、冷所に遮光して保存し、3週間以内に使用すること。
ベストロン点眼用:溶解後は、冷所に保存し、7日以内に使用すること。
7日間期限の目薬とか、1日4回両目に8滴さしても総計56滴で、1本100滴使えると想定したら必ず余る計算。
もったいないけど、7日間過ぎたら捨てるように。
目薬以外では、皮膚科領域のフィブラストスプレーが用時溶解薬である。
フィブラストスプレー:溶解後は10℃以下の冷暗所に保存し、2週間以内に使用すること。
溶解液だけ渡す?
保険薬局ではあまり考えられないが、PMDAの医療安全情報に、以下のような調剤過誤があった。
薬剤師が、ベストロン点眼薬の溶解液だけを病棟に交付してしまった。病棟看護師もそれに
気づかずに、患者に連日溶解液のみを点眼してしまった。
溶解液だけを患者に渡す、ということはあまり考えられないが、混和せずに投薬して説明不足も重なると、患者自身が溶解液のみを点眼するということはあり得るかも知れない。
コンタクトレンズの保存液の期限
コンタクトレンズの保存液も、点眼液と同様、目に入ってしまうものなので、1か月を期限として使ったほうが良い。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。