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マイナ保険証を持参するメリット
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約2分52秒で読めます.
3,283 ビュー. カテゴリ:薬局側がマイナ保険証をお願いする背景
2024年末に現行の健康保険証が原則廃止され、「マイナ保険証(マイナンバーカードの保険証利用)」が医療機関での本人確認の基本となりました。
しかし、マイナ保険証の持参率はいまだ十分とは言えません。
そのため、国は医療機関や薬局に「医療DX推進体制整備加算」を算定させることで、マイナ保険証の利用率を上げようとしています。
薬局の現場的には、機械操作に手間取る高齢者のサポートしたり、「個人情報抜き取られるんじゃないか」と訝しむ患者に説明するのも面倒だし、処方箋に保険番号書いてあるから「それでいいや」と思ってしまう。
ただただ加算算定を上司から指示されて仕方なく「マイナ保険証お持ちですか?」と渋々受付していると、患者からの「どういうメリットがあるの?」という質問に「私たちが儲かります」としか答えられなくなってしまう。
患者的にも、マイナ保険証は基本的に毎回持参が求められるし機械操作があるので、保険に変更が無ければ、基本的には処方箋を渡すだけで良かった過去の受付から比べるとちょっと面倒である。
利点①保険切り替え時の確認作業
この「保険に変更が無ければ」という点が一番のネックで、マイナ保険証を使ってもらうメリットである。マイナ保険証を使えば、就職・転職・高齢者医療への切り替えなどがあっても、オンラインで保険資格を自動確認できます。
「保険証が古かったせいで後日自費請求になってしまった」「確認に時間がかかった」-こうしたケースを防げるのがマイナ保険証の大きな利点です。
利点②併用薬の確認
また、マイナ保険証を使えば、患者さんの同意のもと、他院で処方された薬の情報や特定健診の結果も確認できます。そのため、重複投与や副作用リスクを防ぐうえで、大きな助けになります。
お薬手帳も持っていない患者であれば、「〇月〇日に、〇〇という薬をもらってますね」と一言添えると、「確認してるんだ」という信頼感にもつながるでしょう。
利点③確定申告が楽
ほかにも、マイナ保険証を使うことで、医療費情報が自動で記録され、確定申告時に医療費控除の明細がマイナポータルから取得可能となるので医療費控除に便利、といった利点もあります。
紙の領収書を集める手間がなくなるため、通院回数の多い方ほど恩恵を感じやすいです。
マイナ保険証の利用は義務ではありません。しかし、患者さんにとっても薬局にとっても、スムーズで安全な服薬のためのツールになることは確かです。
強制ではなく、「もしよければ」という態度で伝えていくことが重要でしょう。