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ホルモンと神経伝達物質の違い
公開. 更新. 投稿者: 2,683 ビュー. カテゴリ:相互作用/薬物動態.この記事は約1分14秒で読めます.
ホルモン
「ホルモンとは何でしょう?」
→体の中で様々な働きをする物質です。
「神経伝達物質との違いは何でしょう?」
→神経伝達物質は神経だけで働き、ホルモンは全身で働きます。
「ではアドレナリンはどっちでしょう?」
→どちらでもあります。
この程度の知識しかありませんが、セロトニンとかドパミンとかアンジオテンシンとか、ホルモン?神経伝達物質?と聞かれてもイマイチどこから分泌されてどこで働いているというイメージがわかないので整理してみる。
ホルモンは、「特定の器官で分泌され体液で輸送されて他の器官に作用するもの」です。
神経伝達物質は、「シナプスでシグナル伝達に介在する物質」です。
また、ホルモンと神経伝達物質以外の生理活性物質のことを「オータコイド」といいます。
オータコイドは局所ホルモンとも呼ばれ、比較的局所にのみ働く傾向がありますが、ホルモンや神経伝達物質と厳密に区別されるものではありません。
オータコイドには、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジン、アンジオテンシン、ブラジキニンなどがあります。
ホルモンのほうが距離的に遠くて、オータコイドは近い場所で働く感じ。
ホルモンは、「特定の器官で分泌され体液で輸送されて他の器官に作用するもの」であるため、メインで作られる器官がある。
| ホルモン | 分泌部位 |
|---|---|
| バソプレシン | 視床下部 |
| オキシトシン | 視床下部 |
| 成長ホルモン | 脳下垂体前葉 |
| 甲状腺刺激ホルモン | 脳下垂体前葉 |
| 副腎皮質刺激ホルモン | 脳下垂体前葉 |
| 黄体形成ホルモン | 脳下垂体前葉 |
| プロラクチン | 脳下垂体前葉 |
| 子宮収縮ホルモン | 脳下垂体後葉 |
| 抗利尿ホルモン | 脳下垂体後葉 |
| チロキシン | 甲状腺 |
| パラトルモン | 副甲状腺 |
| アドレナリン | 副腎髄質 |
| グルココルチコイド | 副腎皮質 |
| ミネラルコルチコイド | 副腎皮質 |
| テストステロン | 精巣 |
| エストラジオール | 卵巣 |
| プロゲステロン | 卵巣 |
| インスリン | 膵臓ランゲルハンス島B細胞 |
| グルカゴン | 膵臓ランゲルハンス島A細胞 |
| レニン | 腎臓 |
イメージの話をすると、ホルモン=性ホルモンというイメージが強く、全身で働くというイメージから副作用も広範囲でみられるようなイメージがある。個人の感想ですが。
そのような観点から、個人的には、精神疾患系に使われるセロトニン系の薬や、ARBなどを投薬時に「ホルモン系の薬」と表現するのは差し控えている。



