2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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MR拮抗薬とカリウム製剤の併用

MR拮抗薬

薬剤師

MR拮抗薬とカリウム製剤は併用禁忌?

セララなどのミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬について。

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の最終産物であるアルドステロンの働きを抑える。
アルドステロンは、ミネラルコルチコイド受容体に結合して、ナトリウムや水の再吸収、カリウムの排泄促進によって、体の水分量(血液量)を保持する役割がある。
体の水分量(血液量)を保持する役割は、大事な役割であるが、栄養過多の現代人、高血圧や心不全患者にとっては「過剰」となることも多い。

MR拮抗薬は、アルドステロンのカリウム排泄促進を妨げることでカリウムを保持する働きがある。アルダクトンAはカリウム保持性利尿薬と呼ばれるが、カリウム値を上げるため、カリウム製剤との併用で高カリウム血症のリスクが上がる。

医薬品名一般名カリウム製剤・カリウム保持性利尿薬との併用
セララエプレレノン禁忌:〈効能共通〉カリウム保持性利尿薬〈高血圧症〉カリウム製剤を投与中の患者
併用注意:〈慢性心不全〉カリウム製剤
ミネブロエサキセレノン禁忌:カリウム製剤を投与中の患者、カリウム保持性利尿剤
ケレンディアフィネレノン併用注意:カリウム製剤、スピロノラクトン

高血圧と心不全に適応をもつセララの場合、心不全の場合はカリウム製剤と併用禁忌ではなく、高血圧の場合はカリウム製剤が併用禁忌になっている。
高血圧の場合用量が多いので、カリウム値が上がりやすいという理由もある。

高血圧の適応しかないミネブロはカリウム製剤に禁忌で、高血圧の適応がないケレンディアは禁忌ではない。

禁忌ではないとはいっても、併用注意には挙げられているので、高カリウム血症には気をつけなければならない。
MR拮抗薬とカリウム製剤、カリウム保持性利尿薬の併用を見たら、「注意しなければならない」という目を持とう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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