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薬価収載単位は「g」?「mL」?「包」?
公開. 更新. 投稿者:調剤報酬/レセプト.この記事は約6分55秒で読めます.
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包とg(mL)
薬価収載単位って薬によって違うよね
錠剤の薬価収載単位は「錠」
カプセルの薬価収載単位は「カプセル」
粉薬の薬価収載単位は「g」
シロップの薬価収載単位は「mL」
湿布の薬価収載単位は「枚」
なのだろう、と推測します。
ただ、目薬だと「瓶」だったり「mL」だったりと違うことがよくあります。薬価収載の単位をどっちにするか?ということには明確なルールはありません。
そして、湿布にしても、MS温シップは「g」だったり、粉薬やシロップなどで「包」という薬価収載単位のイレギュラーなものがあります。
薬価収載単位「包」の薬
「包」で薬価収載されている散剤や液剤には以下のようなものがある。
イグザレルト細粒分包
オキノーム散
オプソ内服液
カイトリル細粒
キプレス細粒
サブリル散分包
サムチレール内用懸濁液
ジャドニュ顆粒分包
ティーエスワン配合顆粒
ディアコミットドライシロップ分包
ピートル顆粒分包
プログラフ顆粒
ホスリボン配合顆粒
ホスレノール顆粒分包
ユーエフティE配合顆粒
リパクレオン顆粒
リーバクト配合顆粒
ロケルマ懸濁用散分包
クレメジン細粒分包は名前に「分包」と入っているし、分包品での調剤しかしないと思うが、薬価収載単位は「g」である。マルツエキスも。
これらの「包」で薬価収載されている薬は、ほぼその包装単位で調剤することしかないが、サブリル散分包、ジャドニュ顆粒分包、ディアコミットドライシロップ分包、プログラフ顆粒などは体重当たりの投与量が添付文書に記載されているので、分包品を破いて計量する必要が生じる可能性もあるだろう。
特殊なものとして、エビリファイ内用液は「mL」での薬価収載だが、ジェネリックのアリピプラゾール内用液は分包品が薬価収載されており、「包」の単位となっている。リスパダール内用液も「mL」での薬価収載だが、ジェネリックのリスペリドン内用液は分包品で薬価収載されているものも多い。
エビリファイ内用液の規格は包?mL?
エビリファイ内用液の薬価は、2018年7月現在、66.6円/mLである。
エビリファイ内用液には1mL、3mL、6mL、12mLと4つの分包品があり、それぞれの薬価を計算すると、
1mL=66.6円
3mL=199.8円
6mL=399.6円
12mL=799.2円
となります。
平成29年6月にエビリファイのジェネリック、アリピプラゾール内用液が薬価収載されました。
しかし、ジェネリックでは、薬価収載の単位が「mL」ではなく「包」になっています。マスタを登録するときに「???」となりました。
薬価収載名に「分包」と入っているから?
どういう事情かはわかりませんが、統一してもらいたいものです。
「サワイ」の製品を例に挙げると、それぞれの薬価は、
アリピプラゾール内用液3mg分包「サワイ」0.1%3mL=73.9円/包
アリピプラゾール内用液6mg分包「サワイ」0.1%6mL=143.2円/包
アリピプラゾール内用液12mg分包「サワイ」0.1%12mL=287.2円/包
となっている。
それぞれをmLで換算すると
アリピプラゾール内用液3mg分包「サワイ」0.1%3mL=24.633円/mL
アリピプラゾール内用液6mg分包「サワイ」0.1%6mL=23.867円/mL
アリピプラゾール内用液12mg分包「サワイ」0.1%12mL=23.933円/mL
と同一にはなっておらず、しかも包装量が多くなるほど安くなるという単純なものでもない。
よくわからない。
液剤であればmL単位、散剤であればg単位で薬価収載するのが普通、と思いがちですが、コストを考えれば、小さい包装のものが割高になるのはあたりまえである。
錠剤では1mg錠と3mg錠はそれぞれ薬価収載されていて薬価が違うのもあたりまえである。そう考えると、包装単位ごとに薬価収載されるのは、経済観念からしても望ましいといえる。
ちなみに、リスパダール内用液でも同じような現象がみられるが、リスペリドン内用液1mg/mL「アメル」0.1%ではさらに複雑な現象がみられる。
リスペリドン内用液1mg/mL「アメル」0.1%の100mLの瓶は、31.6円/mLの薬価だが、分包品にもそれぞれ薬価が設定されている。
リスペリドン内用液分包0.5mg「アメル」0.1%0.5mL=22.2円/包
リスペリドン内用液分包1mg「アメル」0.1%1mL=49.7円/包
リスペリドン内用液分包2mg「アメル」0.1%2mL=62.5円/包
リスペリドン内用液分包3mg「アメル」0.1%3mL=88.6円/包
ほかのメーカー、例えばリスペリドン内用液1mg/mL「トーワ」にも分包品はありますが、mLでの薬価収載しかない。
例えば、調子にあわせて量を変えてのませる、という方法を取る患者もいて、1回3mLのところを3mLの分包品ではなく、1mLの分包品×3で渡すことがある。
リスペリドン内用液「トーワ」ではどちらで渡しても金額差はないが、リスペリドン内用液「アメル」の場合は、結構金額差が出てしまう。
そういったことも含めて説明しなければならないとすると、とっても面倒くさいのである。
エビリファイ錠と内用液の薬物動態の違い
エビリファイは、錠剤より内用液のほうが早く効くという話。
インタビューフォームで調べてみると、エビリファイのTmaxは、錠剤の場合3.5±1.7で、内用液の場合2.6±1.0です。
1時間くらい早いね。
そのため、錠剤から内用液に切り替えた場合に、効果や副作用に違いが生じるという話もあります。
ローションの単位はグラム?mL?
目薬の単位が「瓶」だったり「mL」だったりすることは以前記事にしたことがありますが、塗り薬でも液剤(ローション)の単位に、g(グラム)とmL(ミリリットル)の違いがある。
医薬品名 | 単位 | 包装単位 |
---|---|---|
アクアチムローション1% | mL | 20mL |
アポハイドローション20% | g | 4.32g |
アンテベートローション0.05% | g | 10g |
ウレパールローション10% | g | 20g、50g |
エクラーローション0.3% | g | 10g |
オキサロールローション25μg/g | g | 10g |
オクソラレンローション1% | mL | 30mL |
オクソラレンローション0.3% | mL | 60mL |
クレナフィン爪外用液10% | g | 3.56g、7.12g |
スミスリンローション5% | g | 30g |
セクターローション3% | mL | 50mL、100mL |
ゼビアックスローション2% | g | 10g |
ダラシンTローション1% | mL | 20mL |
デルモベートスカルプローション0.05% | g | 10g |
トプシムローション0.05% | g | 10g |
ナパゲルンローション3% | mL | 50mL |
ニゾラールローション2% | g | 10g |
パスタロンローション10% | g | 20g、50g |
パンデルローション0.1% | mL | 10mL |
ヒルドイドローション0.3% | g | 25g、50g |
フルメタローション | g | 10g |
ベピオローション2.5% | g | 15g |
ボルタレンローション1% | g | 50g |
ボンアルファローション2μg/g | g | 10g |
メサデルムローション0.1% | g | 10g |
リドメックスコーワローション0.3% | g | 10g、15g |
リンデロン−VGローション | mL | 10mL |
リンデロン−Vローション | mL | 10mL |
ルコナック爪外用液5% | g | 3.5g |
目薬の場合は、1瓶=5mLの場合、「1」と入力するか「5」と入力するかで調剤ミスの原因となる可能性もあり注意しなければならないが、「g」と「mL」の場合は数字上の違いは無いので入力ミスすることはない。
ローションの単位がグラムだろうがmLだろうがどうでもいい、というのが大体の薬である。
しかし、アポハイドローション(4.32g=4.5mL)、クレナフィン爪外用液(3.56g=4mL)、ルコナック爪外用液(3.5g=4mL)などグラムとmLで違う数値が併記されているような薬では注意が必要である。医師が勘違いしてmLの数値を処方箋記載する可能性もある。
単位とは関係ないが、クレナフィンの3.56g/本と7.12g/本、リドメックスコーワローションの10g/本と15g/本を間違えるといったミスにも注意が必要だ。
クレナフィンの単位はグラム?
とある医療機関から次のような処方がきた。
クレナフィン爪外用液10%(4mL) 1本
1日1回 爪に塗布
発売前から気になっていましたが、ついに来ました。が。
投薬、会計が終わって、薬歴入力をしている最中に、
「なんか、変だな」と。
「4g」と入力されていました。
グラム?
調べたら、クレナフィン爪外用液の薬価収載単位はグラムだそうな。
外用液で単位が「g」って私は正直初めて見ました。
しかも、4mL=3.56gなのだという。
次回返金せねば。
しかし、この処方の書き方では事務さんが入力時点で間違えるのも致し方なく。
1本3.56gであることを周知せねばなるまい。
クレナフィン爪外用液1本何日分?
で、このクレナフィン爪外用液1本で何日分くらい使えるのか?という質問を受けそうなので考えてみる。
使用する爪の枚数、何指に使うのかで違いがあります。
親指は小指の4倍くらいの面積がありますし。
いろんな薬剤師さんのブログを参考にすると「爪3.8枚に塗って14~21日分」とか「爪1箇所で約3週間から1ヶ月程度」とか「爪5枚に対して、約2週間」と様々でよくわからない。
とりあえずターゲットは親指と考えて、液体そのままなら1滴垂らせば塗り広げられそうな気もしますが、ハケで入念に塗るとなると2~3滴必要なのかな。
親指1回分3滴と考えると、1滴0.05mL、3滴で0.15mL。
4mLで、4÷0.15=26.66… 26回分くらいか。
親指1枚に塗って約3週間から1ヶ月程度という表現が一番しっくりくるかな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
gと包では規格数量単位がかなり変わるので先発も後発も統一してほしいです。