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口臭の原因は何かの病気?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約4分44秒で読めます.
1,748 ビュー. カテゴリ:口臭の原因
口臭って治せるの?
口臭がする人がいます。
口臭を指摘されると、マジで凹みます。
口腔ケアができてない、社会人失格、恋愛対象外といったレッテルを貼られ、どうにかしたいと歯磨き、マウスウォッシュ、歯間ブラシ、ミンティアなどで口臭対策に勤しみますが、イマイチ効いているんだかどうだかわからないという。
口臭は自分ではわかりづらいので。
口臭の原因として、5つの原因が挙げられます。
①生理的口臭
②飲食物・嗜好品による口臭
③ストレスによる口臭
④心理的口臭
⑤病的口臭
生理的口臭
誰にでもある臭いで、起床直後(起床時口臭)、空腹時(飢餓口臭)、緊張時(緊張時口臭)に生じる臭いです。
唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物がたくさん作られるためです。
これらは、生活習慣の改善でよくなるので、対策が可能です。
飲食物・嗜好品による口臭
臭いのある食べ物(ニンニク、ネギ)、飲み物(アルコール、酒)、嗜好品(タバコ)による口臭です。
これらの飲食物や嗜好品の摂取を避ければよいので、対策が可能です。
ストレスによる口臭
ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。
ストレス解消により対策が可能です。
心理的口臭
自分自身で強い臭いがあると思い込むのが心理的口臭です。
実際はそれほど口臭があるわけではないので、心療内科案件です。
病的口臭
病的口臭の90%以上は口の中に原因があり、歯周病、むし歯、歯垢、歯石、舌苔、唾液の減少、義歯の清掃不良などがあげられます。
口の中以外の原因として、鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因として考えられます。
通常の口臭対策、歯科受診などを経ても口臭が治らないという場合、それらの病気についても考える必要があります。
口臭のタイプと病気
口臭がどんな臭いか、でわかる病気がある。
①甘酸っぱい臭い:果物が腐ったような臭いは、アセトン臭です。糖尿病や糖質制限ダイエットにより、脂肪をエネルギーとして消費するとアセトンが発生します。疲れたときにも同じ臭いが発生します。
②腐った卵の臭い:胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など胃腸の病気にかかっていると、消化不良のため食べ物が異常発酵し、口臭になります。
③腐ったたまねぎの臭い:歯周病にかかると、メチルメルカプタンという揮発性硫黄化合物で、おならにも含まれている気体が発生します。
④下水・カビ臭:下水や、カビ臭い口臭は、肝機能障害の初期に起こります。肝臓で分解されるはずの臭い物質が分解しきれず口臭に現れるようになります。
⑤アンモニア臭:アンモニアのツンとした様な口臭は、おしっこの臭いで、腎機能低下や尿毒症が疑われます。また肝機能障害でも同様です。腎臓が肝臓で作られた尿素をおしっこという形で体外へ排出する臓器だからです。
⑥腐った肉のような臭い:口内炎・歯肉炎・歯槽膿漏などの口の中の病気、副鼻腔炎・鼻炎・扁桃腺炎などの鼻やのどの病気、肺炎・気管支炎などの呼吸器系の病気が疑われます。これらの疾患により炎症が起きていると、たんぱく質を含んだ膿などが発生し、口臭が肉の腐ったような臭いになります。
⑦うんちの臭い:便秘や消化器系の異常によって、腸内環境が悪化すると、便の臭いの主な成分であるインドールやスカトールという物質が腸から血流に溶け込んで肺から息として一緒に外に出ます。
肝臓が悪いと体が臭くなる?
肉や魚に含まれているたんぱく質は、小腸でアミノ酸に分解されてから吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓では、このアミノ酸からさまざまなたんぱく質が毎日約50g合成されています。そして、使われないアミノ酸は分解され、窒素酸化物、アンモニアを経て尿素となり、尿中に排泄されます。
またアンモニアは、腸管内の細菌によって、食物中のたんぱく質からつくられ、門脈を通って肝臓に運ばれます。このアンモニアは、肝臓のたんぱく質代謝機能によって尿素に変えられ、尿中に排泄されます。
つまり、アンモニアは肝臓で無毒化される。
肝臓病の人は体内にアンモニアが蓄積されやすく、口臭や体臭がアンモニア臭くなる。
肝硬変とアンモニア
肝硬変とは、多くの肝細胞が線維化し、残存する肝細胞が形成した再生結節が肝全体に広がった状態をいう。
多くの場合、肝は萎縮して硬く、表面は結節状になる。
ウイルス性肝炎やアルコール肝炎などによる持続的な肝障害が主な原因であり「慢性肝疾患の終末像」とも言われる。
肝硬変患者では、肝細胞癌や食道静脈瘤、感染症など、生命予後に影響する合併症が出現する可能性が高い。
治療では、これらの合併症を予防し、生存年数を延長するための対症療法が中心となる。
最近では、在宅療養中の肝硬変患者のQOL向上を目指して肝性脳症の予防や早期発見に注目が集まっている。
肝性脳症とは、重篤な肝機能障害に基づいて出現する意識障害など精神神経症状の総称である。
肝臓におけるアミノ酸代謝の異常や、腸内細菌によるアンモニア産生などにより、血中アンモニア濃度が上昇することが一因と考えられている。
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