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トリアムテレンは上皮性ナトリウムチャネル遮断薬?
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約1分26秒で読めます.
236 ビュー. カテゴリ:トリアムテレンと上皮性ナトリウムチャネル
トリアムテレンってインフリーとかボルタレンと併用禁忌なんだね。知らなかった。
というくらい、処方を見たことのない未知の利尿剤トリアムテレンについてです。
トリアムテレンは、カリウム保持性利尿薬の分類に入っていたり、最近はMR拮抗薬という分類になってからはちょっと仲間外れ感も強くなっています。
添付文書上の作用機序は、「遠位尿細管で、アルドステロンその他の鉱質コルチコイドに拮抗してナトリウム利尿作用を示し、一方、カリウムイオンの排泄を抑制することが認められている。」ということなので、MR拮抗薬でありカリウム保持性利尿薬であることは確か。
ただ調べてみると、上皮性ナトリウムチャネル遮断薬という分類にも入っており、ほかのカリウム保持性利尿薬とは違った働きもみられるようです。
上皮性ナトリウムチャネルは上皮性アミロライド感受性ナトリウムチャネル(ENaC)とも呼ばれ、ナトリウムイオンを選択的に透過させます。
アミロライドとはカリウム保持性利尿薬の一つですが、日本では未発売です。
ミネラルコルチコイド受容体に対する働きによるナトリウムイオン排泄は間接的な働きになりますが、ナトリウムチャネル遮断による働きは直接的にナトリウムの輸送を阻害することになります。
リドル症候群
アミロライド感受性上皮ナトリウムチャンネルが関与する疾患に「リドル(Liddle)症候群」がある。
リドル症候群はまれな遺伝性の病気で、腎臓の集合管からカリウムが排泄される一方、大量のナトリウムと水分が保持されることで、高血圧をきたします。
日本における患者数は不明です。
リドル症候群は、腎皮質集合管尿細管の管腔側膜に局在するアミロライド感受性上皮ナトリウムチャンネルの遺伝子異常であることが明らかになっており、ENaC阻害薬であるアミロライド(日本未発売)やトリアムテレンが治療に用いられます。
リドル症候群は高血圧がコントロールできれば予後は良好です。
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